機内で観ました。
題名:『落下の解剖学』(原題:Anatomie d'une chute)2023年フランス映画
監督:ジュスティーヌ・トリエ
出演:ザンドラ・ヒュラー、スワン・アルロー
法廷スリラー映画です。フランスの山荘に暮らす夫婦と盲目の11才の息子。夫婦とも作家である。息子は夫と二人で出かけた時の事故で失明した。都会から田舎への転居は夫の提案。妻の本は売れていたけど、夫は書けていなかった。夫はフランス人、妻はドイツ人。
ある日、夫が山荘の前で不審死しているのが発見される。3階から落ちて、血を流して死んでいた。事故か自殺か他殺か。妻が容疑者として起訴され、裁判となる。法廷では検事が妻をどんどんと責め立てる。状況証拠はある。夫婦は様々なことでかなりの口論、喧嘩が絶えなかった。
・息子が失明したことで、妻が夫を責めた
・夫は精神的に追い詰められて、イライラしていた
・妻の売れた本は、夫の作品を一部、パクったものだった
・夫の本が出ないのは、あくまでも夫の能力の問題だと言う妻
・夫は常に大音量で音楽をかけていた
そういうことで激しく言い争う音声が録音されていた。夫は、作品作りのためにときどき会話を録音していた。妻は、「私は殺していない」と無実を主張する。最後に盲目の息子が証人として出廷する。彼は目が見えない。音から判断するしかない。
「真実がわからないときは、信じることを語ればいいのよ」と、少年の保護人が言う。そして、裁判は・・・・。
内容的には大したことはないかもしれないけれど、途中からすごく引き込まれて、目が離せなくなった。最後まで観ても、実はすっきりとしなくて、「これが欧州映画か」と思った。2時間半の長い映画だった。
真実は妻しか知らない。裁判結果=真実とは限らない。
面白かった。