久しぶりに出社しました。29才の後任のI君が
「随分、お久しぶりですね!」と。
確かに。出社したのは10日ぶり。
わずか10日ぶりなんだけど、いろいろと会わなかった日々の話など聞きました。
「そういえば、ゴルフはどうだった?」
「自己ベストが出ました」
「いくつ?」
「93です」
「おお、すごいね!もう、曲がらなくなった?」
「まだ曲がりますけど、かなり大丈夫になってきました」
彼はスイングスピードが速いのだけど、極端なフックだった。前回は118くらい叩いた。2か月前くらいから月2万円でプロのレッスンを受けている。その成果が出てきたみたい。
彼は給料の手取りの7割を投資に回していると言っていたけど、株式だけでなく、ゴルフ・レッスンも「投資」なのかもしれない。なんでも真剣度が違う。すごく熱心だ。
英語も毎晩習っている。スマホで海外のフィリピン人とかと英会話するレッスン。
「昨夜は何を習ったの?」
「昨夜は、通関の入国の会話です」
「ああ」
「What is pupose? For businessとか」
「なるほど。What is the purpose of your visit?ね」
「これは覚えておいた方がいいと思いました」
「と言っても、ワンパターンだけどね」
英会話にはいくら払っているのだろう?
これも投資かもしれない。有名大学の大学院を出ているのに、やはり英会話が苦手。日本の教育システムの問題だと思う。そもそも教師もロクに英語ができない。文法を知っていても、会話にならない。単語だけでもダメだ。
彼には「とにかく文章で覚えろ」と言っている。
先週、金曜日は群馬県で、私の担当製品関係の工場、研究所、営業、計30人くらいで暑気払いの飲み会をやった。なんだか、すごく盛り上がったみたい。営業のK部長も参加して、驚いていた。
「あれだけ盛り上がる飲み会は珍しいですよ。雰囲気がいい。皆が一体となっていました」と。
私は山梨でゴルフをしていたので不参加だった 本来は私が出席しなければいけなかったのだろうけど。
K部長が笑顔で、本当か冗談かわからないけど
「I君が売上を10倍にしてみせます!なんて宣言して凄かったですよ!」と。
うちの会社の製品は過去30~40年でものすごく伸びたものもあれば、アップダウンが激しいものもある。現在絶好調のものもあれば、惨憺たるものもある。我らの製品は売上は小さいけど、過去40年間でじりじりと少しずつ伸びている。そして、利益はしっかり。私から見ると盆栽のようなビジネスだと思っているけど、若いI君にしてみれば、夢を持って大きくしていきたい。頑張れとしか言いようがない。
何はともあれ、とても温かいチームです。だから私もやりやすい。工場と研究所のバックアップがあるからこそ、ここまでやれている。
6月の中旬にフィンランドとドイツに二人で行くことになったので、その打合せを2時間くらいした。顧客とアポ取って、飛行機や電車の予約をして、日程を決めて、会社にも申請して。ここまで完了済み。今日は、顧客とのアジェンダ、持って行く資料、見せる資料、訪問目的などの確認。工場技術者は一緒に行かないし、彼は英語ができないし、とにかく準備を万全にするしかない。
2時間なんてあっという間にたってしまう。今回は私が彼を連れて行くけど、私無き後は、彼が上司や技術者を連れて行かねばならない。彼は頭がいいからそこまで理解して、かなりプレッシャーを感じている。国内ならばいざ知らず、海外を現地案内人なしで移動していくのは大変だし、打ち合わせはもっと大変。会食だって大変だ。でも、きっといい経験になる。彼はあっという間に成長しそうだ。大の里のように。
明日は在宅勤務です。雨だから、ちょうどいい。
ラグビー日本代表の堀江が引退するらしい。
彼曰く
「ラグビーやっている間は、子供も格好いいお父さんって思ってくれていたみたいだけど、ラグビーやめたら、だったのオッサンになってしまう。これからどうするか」
よくわかる。
私もこれまで家庭では「外で稼いでくる人」だった。しかし、定年後は「もう、稼がない人」になってしまう。確かに「過去においては稼いだ。でも、もう稼げない」。
老人とはそういう存在かもしれない。
敬意も持たれないかもしれない。
ならば、せめて愛される老人にならないといかん。
調子に乗るとちょっと毒舌になるきらいがあるので要注意だ。
亡母いわく
「歳を取ったら憎たらしいことは言わず、黙ってニコニコしていればいいのよ」