「教員給与増、勤務間休息も 処遇改善・負担減の提言案」

などというニュースが流れている。
公立校教員に残業代の代わりに上乗せする月給4%相当の「教職調整額」を2.5倍以上となる「10%以上」に引き上げることや、11時間を目安とする「勤務間インターバル」の導入などが柱。
 
公立校教員には残業代がでない。しかし、残業は避けられないらしい。人気のない職業となり、なり手不足だ。
 
なぜ、そんなことになったのか。
 
「長時間労働による教師の過労死や教師間のいじめ問題が報道されたり、教師による体罰やセクハラ、いじめ自殺の隠蔽などの不祥事が暴かれたり、モンスターペアレントや学級崩壊に悩み疲弊していく教師たちがSNSで声を上げたり……。そういった情報が人々の目に触れやすくなったことで、「学校=ブラックな職場」というイメージが出来上がってしまいました。」
 
そのため、人材が民間企業に流れている。また、教師になった第二次ベビーブーマーが大量に退職する時代となって、教員不足に拍車をかけているらしい。
 
 
 
 
教師の長時間労働・・・。昔はどうだったのか?
少なくとも、今から40~50年前には、教師はブラックではなかったと思う。
中学高校の教師は当然のように部活動の顧問もやってくれていた。
教師の過労死なんて聞いたこともなかった。
教師間の虐め? これはわからない。
 
教師による生徒への体罰などはいっぱいあった。
今考えるとひどいものだったけど、それが当たり前だった。
廊下に立たされたり、正座させられたり。
平手打ちをされたり・・・。
 
モンスター・ペアレントというのもあまりいなかったような気がする。
「学級崩壊」は、50年前の横浜では既に始まっていたけど。
都会には私立のいい学校も多くて、裕福で優秀な子どもたちは私立に行き
その他の人たちが公立に行く、という動きがあった。
相対的に、公立のレベルが下がっていた。
 
 
 
 
そもそも、昔、インテリというのは聖職者だった。
神父、牧師、坊主、神主、ラビなどがインテリだった。
優秀な学生は神学校へ行った。
ラスコーリニコフも神学生だった。
それは、まだ資本主義社会になる前のこと。
 
聖職者、そして、教師。
 
日本でも、明治維新、戦後でも、ずっと教師はインテリの一部だった。
人にモノを教えるのだから、一般人よりも高学歴で、知識があった。
よって、社会的な地位もあった。
所得はわからないけれど、相対的に悪くなかったと思う。
だから、なり手不足ということはなかった、はずだ。
 
ところが様々な産業が生まれ、より高い給料をもらう仕事が増えた。
残業には残業代が出る。
そして、教師よりも高学歴の人たちも増えた。
相対的に教師の立場は低くなった。
 
 
 
 
さらには、昔は先生の言うことが正しかった。
しかし、「民主主義」が発達して、先生が偉そうにすることは許されなくなった。
体罰は禁止。言動も要注意。
子供も言うことを聞かないし、親も教師を舐めている。
 
失礼ながら、スチュワーデス(キャビンアテンダント)も似たような経緯をたどっている。かつて、彼女たちは花形だった。背が高くて、美人で、英語が話せる女性。給料も高かった。ところがある時点で給料が半減した。それまでは危険手当と銘打ってかなりの追加の手当てがあった。背が高いのは普通になった。そもそも、あの上の荷物入れに荷物を詰め込めればいいのだ。美人と言っても、化粧をすればなんとかなる。英語も国内便では必要ないし、国際線でもある程度ならば多くが話せる時代になった。相対的に地位の劣化が起こった。
 
 
 
 
資本主義社会での原因結果として理解できる。
希少価値がなければ、お金を産まない。価値が相対的に下がるのだ。
金、金、金、金。
 
世の中はどんどんと変わって来ている。
その変化に適応して生きていかねばならない。
それは、ダーウィンが言っているからではなく、
人間として、生き抜いていくために、ひいては
子孫を残し、種の保存のための本能だ。
 
 
シャープが堺工場を停止するという。
TV用の液晶を製造している。
 
 
 
 
かつてTVでは、
「目の付け所がシャープでしょう」
なんてやっていたけど、どこがシャープだったのか。
「液晶のシャープ」ならば、液晶がだめになったら
どうするのか?
 
リスク管理が全然できていないではないか。
 
韓国、台湾、中国がどんどんと追い上げてきている。
彼らが技術的に追いつき、安値で売りだしたら、もうお終いだ。
希少価値、存在価値もなくなってしまう。
 
 
 
 
 
とは言え、ならば、教師たちはどうしたらいいのか。
今後、国としてはどうすればいいのか。
 
もしも私立の学校がより高い給与を出すならば、いい人材は私立に流れる。
そうすると、裕福な親は子どもたちを私立に入れる。
(すでにそうなっているようだ)
公立学校はどうなる?
教師たちはどうなる?
 
アメリカなんかでは、そういうのがどんどんと進んでいるように思える。
有名大学のほとんどは私立大学で、しかも学費が恐ろしく高い。
小中学校は、どうなんだろう?
 
 
 
 
様々な大きな変化が起きていることはわかる。
だけど、ならばどうしたらいいか、というのは難しい。
 
自分としてはブラックな仕事はしたくないし、
子どもたちにもさせたくない。
妻のように
「私にはお金を稼ぐ仕事は向いていない」として
外で働かず、しかし、お金を使わない生き方も
一つのポリシーだと思う。
 
中国の若者たちに「寝そべり族」が増えている
というのも興味深い。
もう、競争はいいよ、と。
うちの次男のようだ。
 
私もそれに近い心情だけど、お金は欲しい。
すごい贅沢をするつもりはないけど、
ある程度の小さな贅沢はしたい。
それにはお金が必要だ。
 
 
 
 
今日は顧客へ直行直帰なので、家を出るのはゆっくりです。
浜松なので、鰻でも食べよう。