妻の姉は、夫と死別、3人の子供は独立して、名古屋の4LDKのマンションに1人で暮らしている。臨床検査技師として、仕事もしています。

「姉は一人暮らしなのに、食費が毎月7万円もかかっているんだって」

と妻が驚いていた。7万円が高いのかどうかぱっとはよくわからないけど、例えば3人で7万円x3人=21万円かかっていたら、確かに高い。

 

義姉は、元気で活発で陽気な女性だけど、食材にこだわる。基本は「生活クラブ」で買っている。正式名は「生活クラブ事業連合生活協同組合連合会」、生協の中の1つのグループ。主に消費材の開発管理、放射能などの検査活動、物流、システム管理、共同購入用の申込情報紙や広報物の発行を行う。

 

農薬、化学肥料、食品添加物、放射能汚染などに繊細な人たちは、生活クラブから食材を購入している人が多いらしい。

 

義姉は、畑を借りて、可能な限りの野菜を自分で育てているらしい。

 

妻曰く

「私は姉とは一緒に暮らせない。私はあんなにはこだわらないもの」と。

私が、「僕の死後はお義姉さんと一緒に暮らせばいいと思っていたんだけど」と言うと、「無理無理」と。

 

 

 

戦前は戦前で結核だとか様々な病気があったけど、戦後は戦後で「文明の進歩」のおかげか、別の脅威が人間を脅かしている。その別の脅威は、極めて複合的なものであって、簡単には原因を突き止められない。

 

以前は工場排水などが河や海を汚染した。水は濁るだけでなく、悪臭を放っていた。1970年前後のこと。経済発展の副産物だった。様々な規制で、河は綺麗になり、海も綺麗になった。魚も戻ってきた。

しかし、分解されないプラスチックのゴミがマイクロチップとなって流れて、それが魚の口から体に入って、その魚を人間が捕まえて食べたりしている。

 

空気も汚染されていたけど、排ガス規制などで随分と綺麗になった。天気が良ければ青空が望める。しかし、放射能なんかは目に見えない。空の青さと放射能濃度とは関係ない。

 

かつて害虫駆除のために大量の農薬を使っていた。農薬を使った野菜は虫食いがない。しかし、農薬は油で炒めて除去できない。それを食べ続けるとどうなるのか。

レイチェル・カーソンは『沈黙の春』(1962年)で書いた。ある春の日、今まで啼いていたはずの鳥の声が聞こえないことに気が付き驚いた。鳥がいない。なぜか?農薬で虫が殺されて、鳥のエサがなくなったからだ。虫が死ぬ農薬を人間が摂取していったらどうなるのか。そういう彼女の問題提起はセンセーションを起こした。

しかし、結局は、「ある程度は農薬を使わないと経済的ではない」「ある程度までは健康への影響は軽微である」ということで、農薬は基本的にまだ使われている。

 

 

 

「中国では大量の農薬を使うので、中国の野菜は絶対に食べない」と某日本の農薬メーカーの人が言っていた、という話がある。現在はどうなのか。

 

都内のある鰻屋のご主人と話した時、彼が言っていた。

「普通、うなぎって成長するのにかなり時間がかかるんです。だけど、中国産のうなぎって、あっという間に巨大になるんですよ」と。エサが違うらしい。エサに何を入れているのか。

 

牛のエサ、豚のエサ、鶏のエサだって、そうだ。少しでも早く育つように「工夫」されているし、病気にならないように抗生物質が入っている。それを食べる人間も少しずつ、何かしらの影響を受けていく。

 

野菜も動物も遺伝子操作したものが食べ物として出回る。それらは我々にどんな影響を与えるのか。与えないのか。

加工食品に使われる添加物も問題になる。

 

今から35年くらい前に私が一人暮らしをしたとき、コンクリートのワンルームマンションだったんだけど、私は半年くらいでアトピー性皮膚炎になってしまった。考えられる理由はたくさんある。風通しが悪かった。きっとカーペットにダニがいた。壁紙のバインダーに化学物質が使われていた。海外産の冷凍食品をよく食べていた。空気も食べ物も問題あり、ダニもきっといたのだ。引っ越したら、アトピーは直ってしまった。

 

 

 

今、日本には大量の花粉症の人がいる。これって日本だけなのだろうか?杉の木が多いからいけないのか?だけど山奥だけでなく、大都会に住んでいても花粉症になるのはなぜだろう?

 

人々は健康を求める。だから、「オーガニック」と言われる有機野菜とかが人気だ。それだけでなく、健康食品だとか機能性食品とかサプリメントとか薬とかを「健康のため」に求める。ちなみに「健康食品」に定義はない。紅麹の事件なんて、とても皮肉な話だ。

 

糖分の取り過ぎはいけない。

塩分の取り過ぎはいけない。

脂っこいものばかり食べない方がいい。

お酒は飲み過ぎないほうがいい。

野菜を食べなさい。

肉も食べなさい。

魚も食べなさい。

炭水化物を食べないとエネルギーがでない。

太り過ぎはいけない。

運動不足は良くない。

血圧を下げましょう。

 

様々な「いけない」というご忠告、「しなさい」というご忠告。

だけど、私が思うには結局、「いろいろなものを適度に食べるのがいい」ということではないのか。

 

「〇〇が体にいい」なんて聞くと嗤ってしまう。

 

そういう点では私は妻と意見が合う。国が認め、スーパーマーケットで普通に売っている食材が、そんなに体に悪いはずがない。できることならば、薄味で調理して、バランスを保って、日々いろいろなものを食べる。できれば季節のものを食べる。美味しく食べる。それでいいのでは。

 

 

 

そして、私は野菜や魚については安いものを買うようにしている。なぜかときどき野菜は大量に取れて安くなることがある。魚もそうだ。豊作、豊漁のものを好んで食べるのがいい。それが自然だと思うし、経済的だ。

 

だから、わが家では食材にはこだわらない。

体が求めるものを食べている。

そして、適度に運動すればいいのだ。

 

ちょっと偉そうに書いてますかね?

 

 

今年は明後日がイースター(復活祭)みたいですね。

なんでも商売にしてしまう日本ですが、イースターはまだどうしたらいいのかわからず、何もしない。ドイツは今日、祝日になっています。