地上波TVで観ました。

題名:『グリーン・ゾーン』(Green Zone)2008年米国映画

監督:ポール・グリーングラス

出演:マット・デイモン

 

すごい反米的な映画です。ブッシュ政権下、イラクのフセイン政権が「大量殺戮兵器を持っている」として、一方的にイラクを攻撃し、フセイン政権を倒し、フセインを捕まえ、その「大量殺戮兵器」を探したのだけど、結局、見つからなかった。

その2003年の史実を映画化したのがこの作品。

 

ロイ・ミラー(マット・デイモン)率いる移動捜索班が、情報通りの大量殺戮兵器の隠し場所へ、押収のために三回乗り込んで、三回とも空振りに終わる。不審に思ったロイにフセイン政権を嫌悪していたイラク人のタレコミがあって、ロイは残党である将軍に接見したりする。イラクに大量殺戮兵器などなかった。米国政府は作戦を成功と発表したくて、ロイと対立する。ロイは正義心をもったCIAの人物と共に真相を解明しようとする。

 

ある意味、アメリカは大した国です。これだけ反米的な映画を堂々と製作、上映させるのですから。しかし、やはり米国人の反応は悪くて興行収入は低い。とても、臨場感があってすごい映画なんだけど、アメリカ人が好きな「最後にバンザイ!」ができない。

 

 

中東を追い出されたユダヤ人が19世紀初めころから資金的な力を持って大英帝国と近づき、祖国建設を目指した。英国は、

サイコスピコ協定でフランスと中東分割を約束し、

マクマホン協定で、アラブ人のパレスチナ居住を認め、

バルフォア宣言で、ユダヤ人へパレスチナでの祖国建設を約束した。

この三枚舌外交が今でも中東での諸トラブルの根源となっている。

第二次大戦後、英国は没落し、代わりに米国が台頭した。ナチスの迫害を逃れたユダヤ人たちの中には優秀な人たちが多く、彼らが米国に渡り、今では米国は、金融、政治、映画など様々な分野でユダヤに支配されている。

 

イスラエルは周囲のイスラム国家とは仲が悪いし、アラブ、ペルシャ人たちとも仲が悪い。しかし、米国はイスラエルを支持する。だから、中東諸国は米国を嫌悪する。

2001年9月11日の米国テロは起こるべきして起こった。

9・11テロの映像を見て、喜ぶフセイン大統領の映像もTVで流れた。

その後、2003年、米国によるイラク攻撃が実施され、フセインも捕まり、動物のような扱いを受けた。

 

今でも、ガザでパレスチナの人々がイスラエル人に虐殺され続けているけれど、米国はイスラエルを支持し続けている。反対運動は弾圧されている。米国に尻尾を振り続けている日本も米国やイスラエルを非難しない。

 

現在の駐日米国大使ラーム・エマニュエルはユダヤ人だ。そもそも外交官たちは皆スパイだ。もしも、日本で反米的、反ユダヤ的な動きがあったら、彼がすぐに圧力をかけてくるのだろう。

 

米国が自由を愛する民主国家と言ったところで、あくまで自国の利益を優先し、他国民の命は二の次だ。日本は「同盟国」ということで、米国の庇護下にあって平和と繁栄を享受しているのだろうけれど、日本国内は米軍基地が複数あって、関東の半分の制空権は米軍に支配されている。日本が二度と米国に噛みつかないように見張っている。日本は米国のペットのような存在か。可愛いワンちゃんにも犬小屋に住む自由を与え、エサも上げる。一緒に遊んであげるけど、噛みついたらぶっ叩く。いざとなれば、処分する。

 

などなど、いろいろと考えさせてくれる映画でした。