神が目をかけているファウスト博士の魂をメフィストーフェレス(悪魔)は、悪の道に引き摺りこめるかどうかで、神と悪魔が賭けをする。

 

さっそく、悪魔がファウストという青年に会いに行く。死後の魂の服従を交換条件に、現世で人生のあらゆる快楽や悲哀を体験させるということで、二人は契約を交わす。

 

 

ファウストは素朴な街娘グレートフェンと出会い、恋をする。

 

 

そして、とうとう身籠らせてしまう。ファウストは逢引の邪魔になる兄を殺し、母親を毒殺し、やがて、彼女は嬰児殺しの罪で逮捕される。悲嘆に暮れ放心状態で処刑を待つ彼女をファウストは救い出そうとするが、彼女はそれを拒否して、神の裁きを望んだ。

 

裏ではすべて、悪魔のメフィストーフェレスが手引きをしていた。

 

「彼女をあんな目に遭わせたのは、他でもない、あなたですよ」と悪魔はせせら笑うようにファウストに言う。

 

 

 

戯曲なので、途中で、歌が入ったりする。

悪魔のメフェイストーフェレスがこんな歌を歌うんです。

 

♪かわいい男の門口で

夜の明けかかるいま時分、

カタリア、おまえは

何していやる。

およしよ、およし。

門を入るときゃ

むすめでも、

むすめの身では帰られぬ

 

気をおつけ。

すんでしまえば

さようなら、

あわれな、あわれな娘たち。

わが身いとしと思うなら、

花ぬすびとに

油断すな。

指輪をはめてもらうまで♪

 

舞台で演劇で観たら、また違った感じになると思います。

これだけでなく、歌はたくさん出てきます。「登場人物」も人間や神や悪魔だけでなく、「呵責の霊」とか「牡の尾長猿」とか「魔女」とか「鬼火」とか「幽霊臀部起原論者」とか「懐疑論者」とか、いろいろと。

 

 

さて、(悲劇第二部)では、ファウストにどのようなことが起るのでしょうか。

二部はまだ読みかけです。解説を入れて628ページもある。秋の夜長にゆっくりと読みましょう。