花見にと 群れつつ人の 来るのみぞ あたら桜の とがにはありける

(花見の客が大勢押し寄せてきて騒々しい。これが桜の罪である)

西行

 

 

 

 

桜花今ぞ盛りと人は言へど我は寂しも君としあらねば

(桜の花が今盛りだと人は言うけれど、私はさみしく思います。
あなたが一緒にいないので。)

大伴池主

 

 

 

 

 

久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ

(こんなにも日の光が降りそそいでいるのどかな春の日であるというのに、どうして落着いた心もなく、花は散っていくのだろうか)

紀友則

 

 

 

 

 

世の中に たえて桜のなかりせば 春の心はのどけからまし

(世の中に桜と云うものがなかったなら、春になっても、咲くのを待ちどおしがったり、散るのを惜しんだりすることもなく、のんびりした気持ちでいられるだろうに。)

右馬頭(伊勢物語 在原業平)

 

 

 

散ればこそ いとど桜はめでたけれ 憂き世になにか久しかるべき
(桜は惜しまれて散るからこそ素晴らしいのだ。世に永遠なるものは何もない)

 

 

 

 

願わくば 花の下にて 春死なむ その如月の 望月の頃

(願いが叶うならば、桜の下で春に死にたい。
草木の萌え出ずる如月(陰暦二月)の満月の頃がいい)

西行

 

 

 

本日の新宿御苑は好天に恵まれ、桜は満開で、何も言うことなしでした。

 

平成の これも最後か 桜咲く

御苑の平和 永久に続けよ