頭が拝まれていた | 本光寺住職のダラブログ

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これからのお寺は変わらなければ。「人間ダラといわれて一人前」を掲げる住職の、御門徒さんとのふれあいブログ、略して「ダラブロ」

ある年の12月、山代温泉 のあるご門徒宅へ報恩講勤め伺った時のこと。私が仏壇の前に座ると、そこですぐに私の目に入ってきた物が、平成11年に「本光寺ホコ天まつり」に使ったポスターの縮小版と云いますか、そのポスターをA4サイズに写したチラシが打敷のように正面に下がっているではないですか。それを見て、私は腰を抜かさないまでも、相当びっくりしました。まさか、このような所で私の頭が仏様のように拝まれているとは予期をもしておりませんでしたから。あたま

このポスターの中央には私の後頭部の写真が使われていて、その頭には「千」という字を剃り込みした髪の毛できれいに描かれています。そもそもこのような大胆なポスターを作ろうとしたきっかけは、泉原君 の「住職の頭を使ってみては」の一言からでした。この提案には誰もが賛同し、また本人(私)もその気になり、到頭やってみることになりました。でも、今思い出してもこの作業は大変なことでした。

 先ず、近くのタチバナさんの店で、宮誠而 さんが用意をしてきた型紙を私の頭に当てて白粉で型取りをしました。そして、少しずつ剃り落として出来上がるまで、何と1時間30分も掛かりました。私はこの頭で往来に出ることが恥ずかしくて、店から寺まで凡そ300m程を自転車で一目散に、それも帽子をかぶると毛が寝るというので、毛に触らぬよう帽子でかざして帰りました。それから撮影、そしてまた店まで同じように戻り、剃り込みを落としてもらい、やっと終了しました。

当時、このポスターが小松の所々に貼られてあって、「この頭は一体誰か」と話題になっていました。ところが、この婆さんはチラシの写真を見て、すぐに私の頭だと判ったそうです。私は仏壇の前に座りながら「婆ちゃん、あれからもう4年以上も経っているのに、ずっとこんなにして下げていたの?」と訊ねると、「そう、ご院さんだと判ったら、クチャクチャにできなくて、捨てられなくて、ずっとこのままながや」ですと。

ちなみに、これまで5回本光寺の夏まつり用のポスターを作っていますが、私がモデルになったものは、このポスターを含めて2回あります。これが何故か2回共後向きなのです。

住職の口癖  前例は作るもの。

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