栃木県・宮の沢八幡宮 | 神社に隠れていたモノ

神社に隠れていたモノ

神社の彫刻を見て、何の物語か教えてほしいと思ったことがあり、調べた結果をブログします。タイトル「神社に隠れていたモノ」は覆屋の中にこんな素晴らしい彫刻が隠れていたのかという思いから付けました。

2023年3月3日 栃木県足利市松田町の宮の沢八幡宮に参拝しました。

 

由緒

明治40年無格社愛宕神社を合祀。本殿の壁には、日光御造営の工匠の作といわれる優れた彫刻が施されている。
 

鳥居

 

神門

 

拝殿

 

本殿

 

右面の胴羽目:虎渓三笑
中国での浄土教の開祖である慧遠法師は来客を送る際、精舎(精進する者たちの舎宅)の下の虎渓という谷川で足を止め、川を渡ることをしない戒律「安呉禁足の掟」を守っていました。ところが詩人の陶淵明と道教の大家である陸修静が来訪して、三者でそれぞれの専門分野について話していた時、興が乗じて慧遠法師は思わず、虎渓を越えてしまいました。虎の吠える声を聞いて、それに気づき、三人とも大笑いをしたとのことです。儒、仏、道の三賢者でも夢中になって、我を忘れることがあるという故事。

 

背面の胴羽目:龍虎相搏つ
龍虎相搏つは、強大な力量を持ち優劣がつけ難い強豪同士が勝負することをいう。龍や虎は、風水の四神相応図において、東方を守護する青龍、西方を守護する白虎にみられる強い霊獣である。そして、古代中国の『易経』という書物に「龍吟ずれば雲起こり、虎嘯けば風生ず」「雲は竜に従い、風は虎に従う」という一節から、龍虎の組み合わせた絵が生まれたと云われている。

 

左面の胴羽目:許由と巣父
聖帝尭が自分の天下を譲るという申し出を聞いた許由は、耳が穢れたといって川の水で耳を洗い、箕山に隠れたという。そして巣父は、そんな穢れた川の水を牛に飲ませられないと、牛を牽いて引き返したという。

 

腰羽目:水鳥

 

木階下

 

コメント:彫の深い彫刻。賢人なども良い表情です。

 

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