栃木県・中里神社 | 神社に隠れていたモノ

神社に隠れていたモノ

神社の彫刻を見て、何の物語か教えてほしいと思ったことがあり、調べた結果をブログします。タイトル「神社に隠れていたモノ」は覆屋の中にこんな素晴らしい彫刻が隠れていたのかという思いから付けました。

2022年9月6日 栃木県下都賀郡野木町野木の中里神社に参拝しました。

 

由緒

中里神社の創建年代等は不詳ながら、稲荷谷戸と称されていた当地に稲荷社が中里村の鎮守として祀られていたといいます。明治6年村社に列格、明治41年神明社を合併、明治42年中里神社と改称したといいます。主祭神は菟道稚郎子命で、野木神社(野木町野渡)を総社とし、旧寒川郡七郷巡りの神社の一つです。地元の人からは「明神様」と呼ばれ、親しまれています。

 

鳥居

 

拝殿

 

狛犬

 

覆屋   2cm程度の隙間があります

 

本殿  彫刻師:磯辺儀兵衛隆信   市有形文化財

 

右面の胴羽目:唐子遊び--魚取り

 

背面の胴羽目:養老の滝
元正天皇の時、美濃国に貧しい父子が住んでいまし。老父は酒好きで、しきりに酒を欲しがりました。ある時、孝子が山へ行った時、足をふみはずし、谷底へ落ちてしまった。谷底で体を起こすと、岩かげから水の音が聞こえ、近寄ると、大きな滝がありました。孝子が水をすくって飲むと、ただの水ではなく、これまで飲んだ事もないような、かぐわしいお酒でした。孝子はそれを汲み、老父に飲ませたところ、大変喜び、すっかり若々しくなりました。このことは都にも伝えられ、この話を聞いた元正天皇は当地に行幸され、孝子の孝心を褒め、美濃守に任じ、養老の滝と命名し、年号を養老と改めました。

 

左面の胴羽目:浦島太郎と乙姫

 

右面の脇障子:鳥

 

左面の脇障子:鳥

 

腰羽目は3面とも、花/波

 

浜床:波

 

木階下:亀と滝

 

本殿の向拝

 

木鼻:獅子、獏

 

コメント:川や波の曲線や、登場人物の表情など素晴らしい出来の彫刻でした。

 

 

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