埼玉県・大附日枝神社 | 神社に隠れていたモノ

神社に隠れていたモノ

神社の彫刻を見て、何の物語か教えてほしいと思ったことがあり、調べた結果をブログします。タイトル「神社に隠れていたモノ」は覆屋の中にこんな素晴らしい彫刻が隠れていたのかという思いから付けました。

2022年4月23日 埼玉県比企郡ときがわ町大字大附の大附日枝神社に参拝しました。

 

由緒

長禄元年(1457)に創建。古くは山王権現と称し水境の地に鎮座されていたが、火災により焼失、現在地に再建される。御神体は懸仏山王七社の本地仏が梵字で刻まれている。

 

鳥居

 

拝殿

 

覆屋

 

本殿

 

右面の胴羽目:武内宿禰 宝珠を得る
神功皇后の三韓征伐に随行した折に、筑紫の海中より現れた海神である安曇磯良から、龍宮よりもたらされたという「干珠」と「満珠」の宝珠を授かります。その宝珠は潮の干満を自在に操る霊力があり潮を自在に操って、神功皇后の勝利に貢献したと云います。

 

背面の胴羽目:天岩戸
天照大御神は須佐之男命の悪行を怒り、天岩戸と呼ばれる洞窟に隠れました。太陽の神が隠れたため世界は真っ暗になり、作物が育たなくなり、病気になったりと災いが発生した。困った八百万の神々は天安河原に集まり、策を考えます。最初に、鶏の鳴き声には太陽の神様を呼ぶ力が有ると言う事で鶏を集めて鳴かせたが扉は開かず失敗。次に、天宇受賣命が伏せた空桶の上に立ち、激しく桶の踏み鳴らし、次第にボルテージを上げ、やがて胸をはだけ熱狂的な踊りを披露します。それを見た神々は大きな笑いを上げ、騒ぎ立てます。すると、その騒ぎが気になった天照大御神は天岩戸を少し開け、外の様子を覗きました。その瞬間、入り口の傍らに控えていた天手力男神が天岩戸をこじ開け、天照大御神を外に導いたことで世界に太陽の光が戻ったとされます。

 

左面の胴羽目:須佐之男命の八岐大蛇退治
八岐大蛇は毎年やって来て娘をひとり食べていた。今年もその時期になり櫛名田比売が生贄になるという。須佐之男命は八岐大蛇を退治するため、櫛名田比売の両親(足名椎、手名椎)に強い酒を8つ用意させ、八岐大蛇がくるのを待った。やがて八岐大蛇が現れ、門の前に置かれた酒を飲み始めた。そして、酔いが回り八岐大蛇が眠ったところで、須佐之男命は八岐大蛇を切りつけ退治した。大蛇の尾からは一振りの剣が現れ、須佐之男命はそれを「天叢雲の剣」と名付け、姉である天照大神へと献上した。

 

左面の脇障子:不明

 

右面の海老虹梁:昇龍

 

左面の海老虹梁:降龍

 

正面扉脇板:猿  正面扉に鶴、宝尽くし(隠れ蓑・軍配・打ち出の小槌・宝珠、宝鍵・丁子・巾着・隠れ傘)

 

本殿の背面側に大木が伐採された跡があります。これは大附日枝神社の大欅(目通り幹囲 6.7m、推定樹齢70
0年、環境庁「日本の巨樹・巨木林 関東版(Ⅱ)」にも掲載された)の跡で、平成31年(2019)に樹形の変
化及び樹勢の著しい衰退により氏子により伐採されたらしい。

 

コメント:こんな山奥に本当に彫刻があるのかと思いながら行った神社。素晴らしい彫刻があり、驚きました。