出勤時、ボクはネクタイを締めて職場に向かいます。

ボクらの職場で、ネクタイを締めている人はほとんどいません。今の時期は体感温度も上がるからともかく、夏でも締めて出勤し、仕事中も外しません。汗っかきなのにね。

 

特に理由はありません。

強いて言うなら、前職時代からの習慣と、唯一のおしゃれかな。

そういう意味では長期休みのこの期間に、わざわざネクタイ締めて出勤する必要はないかもしれません。けれどそうするのは、こだわりなんだろうな。前職よりも圧倒的に今の仕事の方が勤めている期間は長いんだから。

で、昨日は何をやったかといえば、この時期研究室の移動をするので、その引っ越しと、レイアウトが変わる都合上、今となっては仕事に必須となっているパソコンのケーブルのとり回しを、その格好で、机の下に潜り込んでやっていました。

動きにくいったらありゃしない。

 

ちょっと前までながら苦手な類いの作業なんだけど、前任校で若い同僚に習いながら身につけた知識が生きました。「ありがとね」と言われながら、昨日のうちにほぼ使える状態にすることができました。今日もちょっと残っているけど。

 

けれど、ネクタイ姿、しかも灯油の配給が制限された寒~い職場なので、ジャケットを着て机の下に潜るからもちろん埃だらけ。ホントに思うけれど、ジャケット姿であろうが「これ、作業着だから」って笑いながら、埃まみれの一日を過ごしました。

本音は、「今のボクはこんなことしかできないけど」と少し思っていたけれど。

夜は、17年前の卒業生から「遠くにお嫁に行った子が帰ってくるから、先生、一緒にご飯食べない?」って声がかかったので、当時の卒業生と夕飯を一緒に食べてきた。

この子たちは本当にありがたい。1年に一度は声をかけてくれるんです。

確かに、もしかしたら一番部活にのめり込んで、年間20日以上、県外の大会や合宿に出掛けた、思い出深い子たちではあるけれど。

 

18歳だった彼女たちも今や35歳。結婚して、子どももいる中で、今もお互いに連絡を取り合っているらしい。みんなときどきあって遊んでいます、なんて言っていたけれど、思い出話というより、お互いの子育ての話で盛り上がって、その姿をなんとなく「たくましくなったなぁ」と思いながら見ていました。

それでも、ある子が口火を切る。「先生、一体何が起こったの?」

ちょっと恥ずかしかったけれど、起こった出来事、今の生活ぶりを話しました。

「先生、じゃ、遊びに行ってあげるよ」なんて言葉の一方で、「先生の話でなんとなくとんでもないことがあったことは分かったけれど、奥さんの気持ちとしてはどうだったんだろうね」っていう話題にも。それに反論する気持ちはありませんでした。あー、この子たちもさすがに酸いも甘いも経験して大人になっているな、冷静だな、ってそう感じました。

 

けれども、割と連絡を頻繁にくれる子から、概要は伝わっている中で、心配をしてくれていた気持ちはものすごく伝わってきて、ありがたいな、って思いました。もう対等、いやそれ以上だなって思いながら。

 

そんな成長を感じながら、帰りのクルマの中でやっぱり泣いちゃいました。

情けないなって。

 

誰かがやらなきゃいけないけれど、職場の同僚は年度末の仕事をしながら埃まみれで雑用的な仕事。もちろん、やらされている訳じゃないけれど、隙間の仕事を探している自分。

高校生だった彼女たちに、いくら今は対等な大人になったとはいえ、心配をかけている自分。

それが切ないって思うのは、心のどこかに「かわいそうな自分」っていう思いがいつまでもあって、やっぱりまだまだ気持ちが切り替えられていません。もう半年経ちました、どころか、カレンダーを見直してみればもうすぐ1年になろうとしているのに。

 

卒業生まで心配してくれているんだ。頑張らなくちゃ。

まだそれを心からそう思える自分になれていないけれど、頑張んなくちゃ。

 

実は今日、下の娘は、この春入学する高校のオリエンテーション。姿が見たかったなぁ、朝、送り出してあげたかったなぁ、という自分がいるけれど、ないものねだりをする自分から、早く脱却しなきゃ。もちろん、思いは消えないけれど、それだけを見ている自分はもうやめなきゃ。

そう思いながら、迎えた朝でした。