本文とは関係ありません

以前うちで雇用していたとあるカメラマン、結婚式の撮影中に、
「あのぉ、カメラがエラー表示で動かなくなっちゃったんですけど…」
と僕に連絡をしてきました。

((( ;゜Д゜)))エ・・・

運良く動かなくなったのは、挙式リハーサル完了時だったので、
挙式まで40分間の時間がありました。
僕もちょうど撮影が終わったところだったので急遽その会場に移動。
しかし1時間ぐらいかかってしまうので、その会場に移動しながら、
故障したカメラの復旧指示をだしながら出来る限りの手配をした結果、
撮影している会場の近くに知り合いのカメラマンが偶然移動中だったので、
そのカメラマンにカメラを借りて事なきを得ました。
これも運としか言いようがありません。

当然のことですが、結婚式で撮影が出来なかったというミスはあってはなりません。
そのために日々のメンテナンスをしっかりと行ったり、
撮影直前にテスト撮影を繰り返したり、万全を期しています。

もちろんこのカメラマンも、
使い慣れたカメラでメンテナンスやチェックを念入りにしていたはず、
そしてメインカメラとサブカメラという2台体勢のはずなのに、
同じタイミングで2台とも故障した原因とは…。

僕も会場に到着し、原因を色々聞いていると、
カメラにエラー表示が出て撮影が続行できなかった理由が3つ見えてきました。

まず一つはメモリーカードの信頼性。

この撮影ではあるメモリーカードが使用されていました。
デジタルカメラをお持ちの方ならわかるかと思いますが、
メモリーカードとは撮影した写真を記録していく大切なもの。
フィルムカメラで言うフィルムのようなモノです。
そのメモリーカードをこのカメラマンは、
秋葉原で安売りしていたモノを使用していました。
そのメモリーカードはネットで少し検索すればわかるのですが、
「なぜか100枚撮影して20カット消失していました」なんて事故の多いメモリーカード。
この時点でプロが使う代物ではありません。
小さなメモリーカードにもメーカーや種類によって信頼性のおけるものと、
全く信頼のおけないものがあります。
以前はこちらが指示した信頼性の高いメーカーのカードを使用していたのですが、
今回は安さの魔力に惹かれて内緒でこっそり使ってしまったようなのです。

そして二つ目は静電気対策。

結婚式のカメラマンはをたくさんの移動をして撮影します。
冬になると、空気の乾燥した披露宴会場などでは、
衣服の摩擦により身体に電気が帯電していきます。
特にスーツなど着ているので帯電しやすかったりするようです。
この事件が起こった日も空気の乾燥した冬の日でした。

フィルムで撮影している頃はこういった心配はあまりなかったのですが、
デジタルカメラでの撮影の場合この静電気に気をつけなければなりません。
静電気は数万ボルトと言われています。
その数万ボルトが精密なカメラやメモリーカードに通電したとしたら…。

そのカメラマンはチャペルの金属製のポールに触れてしまった時に、
バチンと静電気が身体を走ったのをきっかけに機材が動かなくなったのだとか。
どうやらカメラとメモリーカードにも通電してしまったようなのです。
カメラやメモリーカードにも絶縁はあるのですけどね。
通電しどころが悪いと最悪の事態になんて噂もよく聞きましたので、
万が一のために冬場には静電気を逃がす道具などを装着して、
帯電を極力しないように心がけています。
しかしながらそのカメラマンは「重いし見栄えが悪い」という勝手な判断で、
その静電気を逃がす道具は装着していませんでした。

そして三つ目、それはプロカメラマンとしての意識の欠如。

この事故はプロとして手抜きや油断がなければ起こらなかった事故です。
安いだけだけが取り柄のメモリーカードをこっそりと使用し、
静電気対策のための道具は重いし見栄えが悪いと装着せず、
その結果「カメラ動かないんですけど…」なんてプロとしてあるまじき報告。

結婚式の撮影は撮り直しが出来ないとても大切な撮影。
その撮影に対してのプロ意識を持って撮影に臨まなかったことが、
今回の事故を招く最大の原因でした。
静電気やメモリーカードも原因の一つではありますが、
根本的にはそれらに対する危機意識を持たなかったカメラマンの人為的ミスです。

「もし僕が撮影中で電話にでることが出来なかったらどうするつもりだったの?」
と聞いたところ「お客様に謝って私自身がカメラを買いに走ろうと考えていました」

( ゜д゜)?

その会場は都区内でもないのでカメラを買いに行くには、
往復2時間ぐらいかかる会場。
まあ常識的に結婚式中にカメラマンが2時間抜け出せるわけがありません。

まあその程度の状況判断力しかできないカメラマンを雇用してしまったのは僕の責任です。
慌てたところを新郎新婦や会場スタッフにもみられて不安に感じていると思いましたので、
後日改めて謝罪に伺いました、
そのカメラマンと一緒に謝罪のはずだったのですが、
彼女は来ませんでしたけどね(笑)

撮影の日に事故の原因究明のためにカメラをメーカーに出しチェックして下さいと、
お願いして1ヶ月以上経ってからそのカメラマンから「弁明書」なるメールが届きました。

要約すると、今回の事故を招いてしまったことに対しては、
彼女自身から一切の謝罪の意志はないようです。
だから「謝罪にいくから来て下さい」という僕の指示をスルーしたのだとか。
原因は「静電気で誤作動するカメラやメモリーカードを作ったメーカーがいけなかった」
のだそうです┐(´д`)┌
そして「機材はとてもキレイに使っているとメーカーの人に誉められました」と、
ちゃんと自己の正当性を主張する一文まで書いてありました。
まあ、結婚式のプロカメラマンとして大事なことは、
機材を大事にキレイに使うことではなくて、
「確実にチェックをした故障の少ないプロ用機材で、笑顔の新郎新婦を撮影する」
ということなんですけどね。

まあそんなプロカメラマンだけど、プロカメラマンではないカメラマンは、
当たり前ですがその事件から契約を解除しました。
その仕事のギャラはしっかりと請求されましたけどね、
あとなぜか機材チェック費用も(笑)

今では僕はもちろんなのですが、うちで撮影しているカメラマンにも、
ある一定のプロ用機材の使用を義務づけています。
そして採用するときは実績以上に、
その人が人として信頼できるかどうかも以前以上に見ています。

ちなみにそのカメラマンは今もどこかで結婚式の写真を撮っているようです。
彼女はこの事故のことが教訓になって…。
いないでしょうねきっと…。



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