
寝付きが良いので、羊は10匹以上数えたことがないdapandaです。
別に食べちゃったわけではありませんよ。
今回は写真とビデオのカメラマンのお話です。
ご存じの通り、結婚式の記録には写真とビデオがあります、
写真はその瞬間的な記録、ビデオは動画であり音声も入る記録です。
お互い記録は記録なのですが、撮り方は全く違うんですよね。
写真は動き回って撮るのですが、
ビデオは固定位置とかもしくはゆっくりと移動しながらの撮影。
でも会場によってはほとんど撮る位置が一緒なんて場合もあります、
それにビデオは写真と違ってずっと撮影していますしね。
なのでビデオに僕がかぶらないよう、ビデオの撮影位置になるべく気を遣っています。
よく見ず知らずの他社さんのビデオカメラマンと入ることもあるのですが、
とっても動きが熟練している人もいれば、ド素人?と思う人もいて千差万別です。
ある日の結婚式の撮影であるビデオカメラマンがいました。
それは僕がよく入っている提携会場での持ち込みビデオカメラマン、
この会場は外光がとってもきつく入り撮影するのに難しい会場。
持ち込みとはいえお二人の大切な想い出を撮るカメラマンです、
撮っても大切なお二人の想い出、
僕の持っている知識で少しでも良いビデオが撮れればとレクチャーをするんですよね。
そのビデオカメラマン、
どうやら下見もされていないようでぶっつけ本番、
ビデオには詳しくない僕でもわかる機材不足。
あと、髪もボサボサだし、スーツはしわくちゃです。
なので余計にレクチャーしたい衝動にかられたんですよね。
「見た目は僕より若いけど、きっとすごい巨匠なのかもしれない」
じゃないとそんな機材と格好で来られないです。
なんて想いながら色々レクチャーを始めようと、
まずは「初めましてカメラマンのパンダです…」と丁寧にご挨拶すると、
そのビデオカメラマン「あ、そう、よろしく~」
とってもめんどくさそうなお返事。
アウェイでの撮影なのにその強気な発言、
やっぱり巨匠なのでしょうかね。
巨匠でなければそんな礼儀はなかなかできません。
そして本題のレクチャーを始めようと思って、
僕「何かわからないことありますか?
この会場はかなり外光差がきついので照明とかないと厳しいと思いますよ。」
なんて下見不足や機材不足を軽く指摘しつつ話しかけると、
ビデオカメラマン「ガイコツ?」
どうやら「外光(がいこう)」という言葉を知らなかったようです、
しかもガイコツと間違えたようでです。
「ガイコツがキツイ会場」だったらそれは夜の理科室かお化け屋敷でしょうね。
カメラマンなら「外光」「内光」ぐらいは知ってるはず。
でもきっと巨匠だからそれを超越した言葉を使っているのかも知れない。
なんて勘ぐっていると、
巨匠「室内の電球ってこれ以上明るくならないの?」
僕「これで最大ですね」
巨匠「なら照明の電球全部変えてくれない?」
( ゚д゚)
自分の下見不足と機材不足を棚に上げて、他力本願とはさすが巨匠。
まあもちろん、そんな無茶なおねだりなど馬耳東風と言うことで、
僕も僕の撮影があるので、そろそろこのモヤモヤした場を離れようと
「プロなら今ある機材で、今やれることをやるしかないですよね」
と当たり前のことをいってその場を離れました。
挙式も終わり、披露宴が始まりました、
いよいよ新郎新婦が入場です、
ですが巨匠は結局カメラポジションが定まらず、
僕の後ろにぴたっと付いてきます。
どこへ動いてもぴったり尾行してきます。
よくご友人カメラマンが「プロの撮っているアングルがベストだろう」と
ぴったり尾行して撮っている場合がありますが、
巨匠の動きも全く持ってそれと同じです。
ご友人ならまだしも、プロのビデオカメラマンが尾行とあれば、
一言で言えば"とっても邪魔"です。
しかもケーキ入刀の時とかは最初は後ろにいたのが、
次第に横に来て、最後には僕のカメラの前に出てきます。
これはプロであれば絶対にやってはいけない暗黙のルールなんです。
納品する写真や映像にカメラマンが写りこんでも、誰も幸せにならないので、
お互いなるべく映らないように撮影する。
これはプロなら周知のことなんです。
カメラマンですから、ベストなアングルで撮りたいのはわかりますけどね、
そんなにアングルが豊富ではない会場なので、
そのアングルを完全に塞がれて僕はどこから撮ればいいの状態なんですよね。
お客様が注目しているので、巨匠へ膝カックンとか出来ないですし、
さすがにどうにもならないので、肩をたたいて声をかけますが全く無視です。
それを察したキャプテンが巨匠のスーツ引っ張ってどかしてくれましたが、
これがアウェイの会場だったらと思うと怖い話です。
その後もそんな繰り返しでした、
さすがにこちらの撮影の障害になりそうなので、
強硬策で色々とフェイントでかわしながら撮っていました。
猫だましじゃなくて、パンダだましといった感じでしょうかね。
巨匠のお戯れはその後も続きます。
こちらのカメラを全く意識していないので、
新婦お色直し中座の際に新婦お母様とご一緒に退場のサプライズの際にも、
常にお二人の真ん前もしくは真後ろにぴったりだったので、常にスリーショットで映ってましたね。
あとそれ以外にも色々とやっているんですよ、
サービス導線、それは配膳の人たちがお料理を持って通る導線のことです、
お料理はタイミングもありますし、
動き回って撮るカメラマンなどは極力邪魔にならないよう、
気にするのが当然なんです。
その会場はかなり定員に近い人数が入って、スペース的にそんなに余裕はありません。
なのでもっと注意するのが当たり前な状況なのです。
でも巨匠、大きいカメラの三脚をその導線にどかんと置いています。
しかもほとんど使っていないのに、
俺の場所だと言わんばかりにどかんと置いてあります。
朝のラッシュ時に邪魔なところに車が駐車していて、
大渋滞を引き起こしているようなそんな感じです。
一言で言えば"迷惑"です。
キャプテンはさすがに巨匠に言ってどかさせた様ですが、
そのどかした先はもっと迷惑な所でした・゚・(つД`)
(司会者の真横)
そして披露宴もお開きの時間に近づき、ご新婦のお手紙朗読、
感涙の涙でゲストも感動する瞬間です。
すると巨匠何を思ったのか、お手紙を読むご新婦の目の前に立っています、
さらにご新婦とご両親との間にどかんと例の三脚をセットしてどかんと立っています。
ご新婦が読む、その言葉や目線を巨匠が遮っているわけです。
もうマイクから30cm位の距離です、
瞬間なら話はわかりますが、三脚設置です。
一言で言えば人として"ありえません"
結婚式のカメラマンって、
いい画が撮れればすべてOKではないんですよね。
カメラマンって撮り方もとっても重要なんです。
後ろのゲストに見えるようにかがんで撮ったり、
ケーキ入刀の際には僕がベストポジションで撮ったらどいて、
ご友人にもその場所で撮ってもらったり。
そんなことを考えながらも撮っているんですよ。
ゲストからもどう見られているかもとても重要なのです。
お二人がゲストにたくさんおもてなししても、
そんなありえない所に立って撮るカメラマンを見て、
「なんだ結局自分たち主義か」なんて思われる可能性もなきにしもですからね。
そんな思いを酌むのもプロの仕事のひとつなんですよ。
そんなありえない場所に立っている巨匠は、
やはりキャプテンに指導され、どかされていました。
そこのキャプテンは職人気質の厳しいキャプテンなので、
披露宴終了後たっぷり"指導"されたと思います。
「彼はどうみてもプロではないな」
そんな感じがしたのでプランナーに聞いてみると、
とってもありえない安い金額でやっている個人のカメラマンなんだとか。
まだまだ色んな意味でビギナーなんでしょう。
正直あのまま都内のそれなりのホテル等に行ったらつまみだされるでしょうね。
結婚式を撮影するカメラマンは撮る以外にも色々と勉強が必要です。
彼にはもっとゴシゴシと色んな所を磨いてほしいなと思います。
ゲストの前で大切な想い出を撮影しているという自覚、プロとしての振るまい。
そんな大事な基本をまずは学んでほしいなと思いました。
そして僕はお二人の笑顔を撮るために、ダジャレ磨こうと決心しました('A`)