息子が険しい表情で、洗濯物を干している私のところに来ました。

さっきまで義母と冗談を言いながら朝ごはんを食べていたはずなのに。

 
 
息子:「おばあちゃんがな、『あんたは脳の病気なんやからな!』て、
気にするようなことを言うからホンマに頭にきたわムキー
 
 
(ああ、またか……)
 
最近息子と義母はよく衝突します。
衝撃と言っても、いつも同じパターンなんです。
義母には興味の持てない音楽や映画の話を息子が延々とする時、
義母はデリカシーに欠けた発言をしてしまいます。
その度に彼は気分を害します。
 
義母も「言い方」ていうものがあると思うのですが……
 
 
息子は毎回義母のムチャクチャ発言をまともに受け止めてしまいます。
彼は「聞き流す」という大人の技が身についておりません。
 
 
そして一度心に引っかかったり、こだわったりすると、長い時間落ち着きません。一日中でもグシグシ言っています。
(義母はブスっとして、黙り込みます。)
困ったもんです。
 
 
しかし考えてみますと、世の中に出れば
嫌なことを言われたり、思いがけない出来事が起こったりなんて、よくある事ですね。
 
 
優しい口調のおばあちゃんだったら、いつも平和な気持ちでいられますが、
案外息子にとってはこのおばあちゃんの存在が、ある意味練習なのかもわかりません。
 
フッと、気づきました。
あれ、これでも前よりは進歩したかも?
 

 その場でグチグチ言うだけの息子でしたが、
今日の彼は、さっと居場所を変えて私のところに来ました。
 
 
またひどい時は、物をけったり壁を殴ったりしていましたが、それは全くなくなりました。

 
実は、私も義母のことを偉そうに批判はできません。
他の人とコミュニケーシを取るのが苦手な息子が歯がゆくて歯がゆくて、
「あんたはもう世間でいうアラサーになっているんやで!」
なんて言ってしまったことがありました。
後で息子に謝りました。
 
 
「もう、よその息子さんとは比べたりせんとこ、息子は息子や!」
 
「蟻の一歩か、亀の一歩か知らんけど、あの子なりに成長してる。」
 
「そこに感謝が先や!」
 
そう心の中で自分に言い聞かせる私でした。