人生で一番長く一緒にいるのは、同居している夫の母です。
前世があるならば、義母は私の実の母だったのか?もしかしたら夫だったのか?
と思えるくらいに深い縁を感じます。
決して教科書のように立派な、正統派の人とは言えませんが
私にとって義母は、自分をさらけ出せる人になりました。
最初からそうだったわけではありません。
若い時は義母が押しの強い言い方をするので、閉口することも多々ありました。
例えば…
ご近所の奥さんがアートフラワーの講師をされており、お誘いを受けて展示会へ義母と一緒に行った時の話です。
美しい作品の数々をながめていると、生徒さんのお一人が声をかけてこられました。
「簡単ですから、一緒に作ってみませんか?」
と、体験コーナーへと案内されました。
私も義母も不器用で、鑑賞するのは好きなのですが、制作してみたいとは一切思わないタイプです。
しかしご近所づきあいもあるし、私はちょっとだけやってみようかな?と思ったその時に、
義母はすかさず答えました。
「いいえ、観るだけでいいんです!」
生徒さんはそれでも何度も誘いの言葉をかけられます。
すると義母は、折れるどころか…
「私、こんな事をするのが死ぬほど大嫌いなんです」
「ホンマに苦痛でしかありませんから」
さすがにそこまで言われると、しつこかった生徒さんも引き下がられました。
私は義母のキツい言い方にヒヤヒヤすると同時に、
「助かった」とも思いました。
だいたいがこんな調子の人なので、
一緒にいると(過激発言に)ドキドキすることもあります。
けれども周囲を気にしてしまう私にとって、
「私はな、ストレスなんかないで」と言える義母が羨ましく、どこかで憧れます。
私が夫に離婚させられそうになった時は、義母に助けられました。その頃から、
嫁姑のつながりが更に深いものになりました。
何か予期せぬ出来事が起こった時に、深まる関係ってあるんだな~と感じています。
6年前に、初めての入院が辛くて、意外にも義母は鬱(うつ)になってしまいました。
その3年半後に、私は義母が行きたがっていたシンガポール旅行に思い切って連れて行きました。
車椅子を借りてです。
賭けのようなものでしたが、義母の場合はその旅行を境に、みるみる元気になっていきました。
私の心の支えでもある義母には、本当に長生きしてもらいたいです。
死なれるのは避けられませんが、ずっと先になってほしいです。
と、同時に…
夫に対しても、義母に接するような心になりたいと思います