以前、義母は独自の作戦で私たち夫婦を離婚の危機から救ってくれました。
反対に、別れる手伝いも何度か経験しているそうです。
現在アルツハイマー型認知症が進み、
認知症対応型グループホームに入所している義母の姉(A子さん)も、恋人と別れさせてもらった人の一人です。
彼女は結婚の経験はありません。
しかし、若い時は2度にわたる不倫から結局痛い目にあっており、
妹の義母はずいぶん心配したそうです。
やっと奥さんも子供もいない男性とご縁があり、A子さんは婚約指輪まで渡してもらっていたそうです。
指輪はルンルンで受け取りました。ところが、それから何ヶ月も経たないうちに…
「別れたい!もう絶対に別れたい!」
「明日彼のお父さんが突然私に会いに来るって、彼から連絡があってん、困ったわ〜!」
どうやら付き合っていくうちに、
彼氏のちょっと異常な束縛に嫌気がさしてしまったとか。
A子さんのつれなくなった態度を察してか、彼はお父さんを呼ぶという強硬作戦を計ったのだと、義母は気づきました。
A子さん:「絶対に会いたくはないけど、婚約指輪を返したいから代わりに行ってくれへん?」
当時義母は結婚前で、まだ20歳になったばかりでした。意を決して姉の代わりに指輪を返却、そして別れ話の決着をつけに行きました。
A子さんが来るはずが、妹と名乗る違う女性が来た上に、
その女性から婚約指輪を返却されてしまった彼のお父さん…、
激怒されたそうです。
義母はひたすら頭を下げ、謝りました。
長い時間文句を言われた後、彼のお父さんは指輪を持って帰られました。
(彼はその場には来ていませんでした)
その後、A子さんは彼がどんなリアクションをしてくるかビクビクしていたそうです。
幸い、意外にも彼からもお父さんからも、何の連絡もありませんでした。
義母の健気(けなげ)な姿勢に免じて許してくださったのでしょうか?
それとも、大事な場面に妹を代わりに行かせるA子さん、「そんな女なんかやめとけ!」とお父さんが彼に言ってくださったのでしょうか?
それにしても、
「今の若者は〇〇」なんてよく言いますが、
「昔の若者」もいろいろなんですね。
その「昔の若者」は、当時の出来事をもうすっかり忘れてしまっています。