舅はとても穏やかで、温かい人でした。

 

私のことを「本当の娘のように思っている。」と言っていました。私は実家と嫁ぎ先に父親が二人いるような、とても幸せな生活でした。

 

ですので、舅が少しずつ変わっていく時、私は以下のような考えになったのです。

 

「親孝行は子どもとして当たり前!今までの恩返しと思って、お義父さんが亡くなるまで、私が面倒をみる!」


いろいろ考えずに強い決心をしてしまいました。

 

 

しかし、脳の前頭葉側頭葉の萎縮が原因で理性を失っていく舅を看ているうちに、私も舅に負けないぐらい壊れていきました……。

 

特に姑が5か月の入院生活を終えてうつ状態で帰宅してからは、W介護になってしまい、今から思えば、私の限界を超えていました。

 

 

その頃から、起床時には

「どちらかの目が見えない!またはどちらかの耳が聞こえない!」

という状態になりました。(病院で検査しても「異常ありません」でした。)

 

他に頭痛は毎日で、時には横にならなくてはいけないほど辛いものでした。

すでに頭が痛いのは「普通のこと」になっていました。

常にピン!と神経が立っていて、張り詰めていました。


老人二人のお世話以外のことは、何も考えられなくなっていました。

 

 

常に感情を押さえつけていたので、その反動がありました。

 

わがままばかり訴える舅が、1回だけ私にお礼を言ってくれた時のことです。

「野菜たっぷりのおかずで美味しいなぁ、ありがとうねドキドキ

食事中突然、つぶやくように言いました。

 

「え!今お礼言ってくれた!?」びっくりびっくり

 

それまで、目を吊り上げながら黙々と食事の準備をしていた、その私の張りつめたものが、一気に緩みました。

 

思わず舅の背中に抱きついて、号泣しました!!

 

「おじいちゃん、嬉しい~ビックリマークいつもそんな風に言ってくれたら、頑張れるのに~!」と叫びました。えーん

 

 

 

しかし、舅は(私が背中にしがみついているのに)全く表情を変えず、無言で黙々とご飯を食べ続けていますニヤニヤ

 

 

舅が無理を言い続け、ホトホト困り果てた末に、夫(中国に単身赴任中)に電話した時のことです。なんとか舅を説得してもらおうと。

(困り果てたことの内容は長くなりますので、後日書かせていただきます。)


誰がどんな言い方をしても、結局舅は「聞く耳持たず」でした。

 


夫は舅のことよりも、どうやら私の尋常でない様子のほうにビックリしたようでした。


「ちょっと1回深呼吸してみ!大丈夫か?お前もいつもと全然違うで!医者に診てもらいなさい!」


その言葉に私自身も驚きました。体調は良くなかったですが、精神的には「まだ大丈夫!」と思い込んでいましたので。

 

自分自身ではわからないものです。病院には行きませんでした。

「そんな必要はない、私はどうもない、正常だ!」と勝手に思い込んでいました。

 

 

当時は近所のスーパーに行くときが、一番ホッとできました。老人たちの顔を見ないでいいからです。しかしそれもほんの短い時間です。すぐまた帰り、ご飯の支度をしなければなりません。

週3回、二人がデーサービスに行ってくれるのは本当に助かりました。(その間にすることがいっぱいで、休めませんが…。)

 


しかし、毎回朝のデーサービスのお迎えの車に舅を乗せるのが一苦労で、(暴力はありませんでしたが、大声で暴れます。)結局休んでしまうことも多々ありました。

 

 

そしてその頃は友人を避けていました。

以前のブログでも書きました。

「資格を活かして仕事を頑張っているよ」

「起業しました。」

「通訳学校で上のクラスに進級しました。」など、活躍している連絡を目にするのが辛くて辛くて、返信をしなくなっていきました。

 

とても苦しくて逃れたい状況のはずなのに、私の心境はというと…、

 

「たとえ私の寿命が縮んでも仕方ない。親は私が絶対最後まで面倒見なければ!中国語の勉強をもっとしたかったけど、今世は諦めよう、来世で頑張ろう。」


ポーンポーン あほですね~~!!

 

舅の周りはみんな100歳ぐらいまでの長生きの家系です。本人も「わしは100まで生きるで~ビックリマーク」と言っていました。なので余計に上記のような思いになりました。(実際には81歳で亡くなりましたが)

 

勝手に自分一人で変な決心をしてしまって、本当におバカな私です。

しかし、当時はそれが正しい考えと思いこんでしまい、誰の言葉も耳に入りませんでした。

 

「あの時のたおたおは、本当に怖くて何にも言うことができんかったわ~!」笑い泣きと最近になって姑に言われました。

 

いろいろごめんね照れ照れ

 

 

次回は、「思わず舅に手を出してしまった」ことを書きます…。