近代文学の芳香から

抜け出せないので

未だ昔の小説ばかし

読んでしまいます。

 

でも

機会あらば、若い人——

というか新人作家のものを

読むように心掛けています。

 

もう僕も

現役といい難いので

新しい人達が書くものを

知っておきたい

出来れば推したいと

思う気持ちが、結構、前から

生まれていました。

 

今回の『新潮』新人賞、

伊良刹那さんの「海を覗く」

 

三島由紀夫そのものですが

書き方は、

三島由紀夫より上手いです。

三島は文章は上手いですが

小説はそんなに上手くないです。

 

三島を知らない

世代の才能が三島に対して

能動的に影響を受ける。

面白い現象です。

 

 

この若い才能と共の受賞だったので

赤松りかこさん

「シャーマンと爆弾男」

は影が薄くなってしまうでしょうが

こちらには大江健三郎が開拓した

現代文学を

更に発展させていく意志があります。

 

その人にとっての

核(コア)、

アイデンティティとは何か?

を問う問題の先にある

それらがなくとも人は生きている

という量子力学的なテーマ。

 

文学の世界も

まだ捨てたものじゃないですね。

 

新しい人達の作品を読み

キャリアのある作家は

後回しにしょうと考えつつ、

でも、先月は、大長老、

蓮實重彦「午後の朝鮮薊」に

眼を通してしまいました。

 

いやー、ワロタ。

87歳にもなって

何を書いてるんだ、このジジイ。

只のエロ小説じゃん。

 

でも新人では書けぬ

というか、大ベテランにしか

出来ない完璧な文体と洒脱の

味わいに、うっかり酔わされる。

 

流石、三島由紀夫を

運動音痴と馬鹿にし

円盤投げ選手として

名を馳せた人だけあります。

 

「午後の朝鮮薊」——

当然、

三島へのオマージュですが

この歳でもオレ、絶倫!

と舌を出している

蓮實重彦の怪物ぶりを

賞賛しない訳にゃいかぬでせう。

 

前にトレッキングに

ハマっていると書きましたが

老いてきたからこそ

肉体の鍛錬の大事さを

痛感しています。

 

50歳を過ぎても

デカダンスでいるには

健康でなければ!なのです。

 

トレッキングが出来ない日も

部屋で

バレエの1〜5番&

スクワット

だけはしています(笑)。

 

 

自分がこんなことに

ハマるだなんて

思いませんでしたが、

知性とは異なり

トレーニングは

やればその分、確実に

身体に結果が現れるので

一寸、面白くなってしまい……。

 

腹筋、

徐々に割れてきている(爆笑)。

 

現役を

戦線離脱したからこそ、

アスリートとしての

削いだ無駄のない

精神と肉体が

欲しい。

 

 

腹筋がシックスパック

に近くなったら

ヘソピアス、しようかなと

思ってます。

 

鍛えられた男子の

腹のおヘソにピアスあったら

カッコよくないですか?

 

スポーツの日に記す——嶽本野ばら