今日は桜桃忌ですね。

中学生に上がりたての頃、

太宰治を読んでしまったからこそ

まぁ、今の僕が

いるのだとは思いますが、

流石にもう

この歳になると読みませんよ。

 

最近は

谷崎潤一郎ばかしです。

 

しかし、

死後75年が経過している

というのに、

未だ桜桃忌に

若い人達を集めてしまう

太宰さんは

やはりスゴいかも。

 

ブックオフなどに行っても

絶対に太宰さんの文庫、

ありますよね。

 

駄目な人だし、

作品も非道いものが

多い作家なのだけれど、

とどのつまり、

カッコ良いのだと思う。

 

近代文学の作家の

イメージ像を

確立してしまったのって

太宰さんでしょう。

 

或る人に、

小説家って、

カッコいいイメージが

何故かあるしね、

と冗談まじりにいったら

はい。

断然、カッコいいです

——と頷かれたことがある。

 

先日、死去なさった

大江健三郎さんにしろ、

別の意味で

カッコ良かった。

 

でも

あのロイド眼鏡の

一見、ダサい、

勉強しか

出来ないみたいな

風体のカッコ良さは

坂口安吾などの系譜。

 

これを踏襲する作家は、

そこそこ

今でもおられる。

 

なれど、

太宰さんの系譜は

途絶えて

いるのではなかろうか?

 

この時代においても

命日に

白い百合の花束を

墓前に

手向けたくなるような

ロマンチックな

想いを若い人に

持たせる作家なぞ

太宰さんくらいでしょう。

 

実は、一番最初、

三鷹の

禅林寺を訪れた時、

僕もそうしたのでした。

 

両手に真っ白な

百合の花束を抱えて行った。

 

若気の至り、

恥ずかしい……。

 

太宰さんより

17年も長く

生き延びている僕は、

やはりかつて

影響された者として

この歳になっても

作家ならばカッコ良く

あらねばいかんな——

と、襟をただす。

 

実際に

カッコ良いかどうかは

さておき

カッコ良くある努力は

怠ってはならぬと

気持ちを新たにする。

 

スキンケアにも

励みますし

ここ数年は、

バレエのレッスンで

身体を

整えるようになりました。

 

ナルチシズム

もありますが、

これから作家を目指す人

その才能のある人が

小説家って、

昔はカッコ良かったかも

知れないけど

今は、

そんなでもないし……

 

二の足を踏み、

芸人やら

ユーチューバーに

なるのを防ぐ抑止力として

微力ながら

機能したいのです。

 

昔は占いページなどを

みたら、

貴方は芸術家肌、

文章力も卓越しています

適応職は小説家、

エッセイストと、

書いてあったのに

最近は、

トップブロガーとかに

されちゃっている。

 

嗚呼、何時までも

薔薇や百合の花を

渡される

そんな作家であり続けたい。

 

今更、トップブロガーに

なんて

なりたくはないです。

 

僕にとって

可愛いは

カッコいいの最上級なので

可愛いに執着して

生きていきます。

 

ことしの正月、

よそから

リボンを一本もらった。

リボンの生地はリネンであった。

ギンガムの

チェックが織りこめられていた。

これは

夏につけるリボンであろう。

だから夏までは生きていますよ。