また、

ハンドメイド作品を売るラクマ

Novala Takemoto Collectionを

やって、沢山買って貰ったり

家宝にしますと

メッセージを頂いたりして

有り難いです。

 

僕はイベントを開催したり

ネット通販をしたりします。

でも、来場してくれる人

購入してくれる人だけが

熱心な僕の読者だとは決して

思っていません。

 

特別な存在であるからこそ

僕の書くものが

大好きだからこそ

イベントごとには参加しない――

それが自分の

敬意のあらわしかた

だという人もきっといます。

 

TwitterやInstagram

などのSNSでも

好きだからこそフォローしない

見ない――

と決めている場合も

あるでしょうし

そちらの方が

多いのでは

ないかとすら思う。

 

 

サイン会も

含めて、

コミュニケーションを

とってくれる読者に眼を向けて

しまいがちですが、

そういうことをしない

人のことも

今まで以上に

大事に考えていかねば

ならないなと

改めて肝に銘じました。

 

僕は作家です。

全ては文章の中にあります。

 

売り上げだったり

話題にのぼる回数、

そういう

数字として出るものは

指針に

なるかもしれないですが

末端の現象に過ぎません。

 

それを

優先しなければ

ならぬのなら

芸人になればいい。

 

僕には自負がある。

 

作品は100冊しか

売れていなくても

100回、読まれる。

だから一読されて終わる

ベストセラー作品より

自分の書いたものは

価値を持つと。

 

自惚れではなく

『それいぬ』だったり

『ミシン』だったり

『エミリー』だったり、

読み過ぎて

ページもとれてしまって

ボロボロになった

自分の本に

出逢うことがある。

 

太宰治だって

こんなに

読み返されないよね

と、太宰に勝った気に

なったりします。

 

リアクションをくれない

読者に対して僕は

お礼をいったり

握手、ハグしたり

するはやれないのだけど

それを精一杯、文章で

作品で、

やらないとならない。

 

それが作家というものだ。

 

 

当たり前のことなのだけど

今一度、

それを心に刻み込む。

今回は、そんな機会を

与えて貰った気がする。

 

小説って、一対一です。

音楽や美術と違って

読む時は一人です。

 

例えば音楽なら

イヤフォンの

右と左を分け合って

二人で同じ曲を

同じ時間に共有して

聴くがやれるけど、

本は、

一人でしか読めないよね。

 

どんなに気の合う者同士

感想をいいあったとしても

本当の意味での共有は

難しい。

 

僕は、

相手にダイレクトに

語りかける

あざとい文体を使いますが、

でも、小説って

三人称を用いても

構造的に

一対一のものなのだから

誰の作品でも元来は、

それを免れない筈。

 

だから

発言しない者の声にこそ

もっと

耳を傾けようと思う。

 

僕の視界に入ってこない

君のこそを、

より丁寧に

考えようと思う。

 

君が

苦しさや痛み、

嬉しさ、悔しさに

揺さぶられる時、

真っ先に僕の本を

開こうとしてくれるなら、

絶対に、そこに僕が

いるようにしたい。

 

留守はしない。

24時間、何時でもいます。

 

僕はくだらない人間だけど

その作家としての責務は

果たすと、君に誓うよ。

 

そうでなきゃ、

作家で

あり続ける意味はないです。

 

君が神様だというのなら

僕は神様になろう。

僕を万能だと思いたいなら

万能を宣言しよう。

悪いのは全部僕である――

君が憎悪するなら

その通り、

僕が全面的に悪い。

 

僕のことを解って欲しくて

文章を

書いているのじゃないんだ。

君のことを解っていると

告げたい訳でもない。

 

只、君が望む時、

君の傍にいる者でありたくて

文章を紡いでいるし、

紡いでいく。

今まもも、これからも、

ずっと、

そうして文章を紡いでいく。

 

と、書きながら、

もうじきクリスマスだし

クリスマスコレクションを

ラクマで

またやりたいなーとか

不埒なことも考えています。

 

 

いや、最近、お裁縫が楽しくて

なんかすぐ

作りたくなっちゃうんです。

 

これはしかし

僕の放課後活動。

小説も書きます。

来年の春に短編ですが、

久々に文芸誌に

新作を発表します。

 

絶対に気に入って貰えると思う。

ダメだったら

罵倒してくれて結構。

見放して下さって結構です。

 

嶽本野ばら 2022.11.23