『カルプス・アルピス』の後

2004年の1月と

奥付はなっているので

実際は2003年の終わりに

単行本化されたのかもしれない

『ロリヰタ。』

は、『新潮』に発表時、

『ロリヰタ』で、

画数が良くないので

『ロリヰタ。』と改めた

気がするのですが

古い記憶で定かでありません。

 

当時の掲載誌をお持ちの

オタクな方がいれば

ウィキペディアにでも

上げておいてください。

 

 

この前、知人の作家が

「野ばらさんの新しい読者って

『ロリヰタ。』から読み始める

女のコ、意外と多いのに

驚きましたよ。

設定、

かなりヤバいと思うのですが」

 

と、いいました。

 

嗚呼、一応、

小学校4年生と恋愛するって

お話だものな。

 

そういえば

実話かどうかはさておき、

というレビューがよく

上がっています。

 

夢を壊すようですが

実話ではないです。

主人公にANGEL BLUEを

着せたかっただけなのでした。

 

わざわざ携帯電話の画面を

小説に出す為に

リアルな画面のフォーマットを

装丁の松田さんに

作って頂きました。

 

もうスマホの時代ですから

随分と

昔の作品になるのですね。

 

何時もそうなのですが、

小説を書いている時に

主人公が着るお洋服が

自分の中でも大ブームになります。

この頃も

ANGEL BLUEをよく買いました。

 

単行本化にあたって

『ハネ』という

書き下ろしを入れました。

 

これは

metamorphose themps de files

を着た女子が主人公です。

 

今更いうことでもないのですが

お洋服が好きです。

お洋服を買う為に生きています。

買えなくとも

毎日、何かしらお洋服のことを

ネットで検索しています。

 

久々に東京に

行った際、

寸暇を惜しんで

原宿のMILKに行きました。

 

 

ツイリー型のスカーフがあって

アスコットタイに出来るので

迷わず購入。

MILK BOYではロゴTを買いました。

 

最近は何がお店にあるのか

オンラインショップで

解るのが魅力といえば

魅力なのですが

既に解っている

味気なさを

感じなくもないです。

 

出会い頭に

いきなし、衝突! 

みたいな

ことはなく

実物がどんなものか

確かめに行くような……。

 

だったら、

オンラインショップを

観るなという話なのですが

そりゃ、観てしまいますよ。

 

本も、観なくていいのに

つい、レビューに眼を通して

しまいますよね。

悪口とか批評とか

オススメとか太鼓判とか

 

僕等は誰の言葉に

動かされてしまっているのでしょう?

的を得ていない

情報であろうと

納得のいく人からのものならば

仕方がないのだけれども、

実際に逢えば絶対に嫌いな

人から出ている情報だったなら

とても腹立たしいことですよね。

 

 

サン・ジョルディの日のように

親しい人に本を贈るのなら

素敵なのですが、

親しい人に自分の好きな本を

渡したり、読んで欲しいと

伝える時は、

大概、説明とかなく

「とにかく読んで」と

ほぼ無理矢理に

押し付けますよね。

 

告白をする時に

「~だから貴方が好きです」

といわれてもピンと来ませんが

「好きです!」

理由もなく

大声で叫ばれると、

好きでいてくれたんだ

と、こちらも

つい好きになってしまう。

 

ガムシャラな感じを

この歳になっても好みます。

 

何故にMILKが好きなのか

理由なんて

いくらでも思い付けます。

好きなのだから

仕方がないのです。

というか、理由は自分自身

を語ると同義なのだから

一言や二言で述べられません。

 

『ロリヰタ。』の

大テーマは

小説でありながら

言葉で伝わらない

ことに就いて――

でした。

だから、携帯のメール画面を

紙面に登場させ

絵文字も一杯、入れたのでした。

 

そういえば、

これで三島由紀夫賞候補に

なったものの

落選したのを、思い出しました。

当時は候補になった時点で

貰えるものと

思っていたし

周囲も受賞確実と

いってくれていたので

少し落ち込みました。

 

三島由紀夫を恨んだりもしましたが

三島本人が選んでいるのではなし、

とりあえず

この作品にまだ新しい読者が

ついてくれて

その人が

「とにかく読んで」

大好きな人に

無理矢理渡す本として

まだ存在するのなら

それに越したことはありません。

(多分。続く)