ラクマで本やらハンドメイド作品

をまた、売ったりしたのですが、

点数を増やす&

彩りを豊かにしようと

私服も少しだけ売りました。

 

昨日、梱包作業をし

今日、発送してきたのですが

 

自分のお洋服を売る行為——

これ、おさがりをあげるみたいで

一寸、百合な気分がしました。

 

おさがりの話題は、

文学でもドラマでも

大抵、妹目線です。

 

お姉ちゃんの

おさがりばかりで嫌だ

の場合もあるし

お姉ちゃんのおさがりで

嬉しい

の場合もありますが、

 

あげる

お姉さんの立場での

おさがりは、

殆ど、語られない。

 

でもお姉さんだって

おさがりをあげる時は

それなりに

何か感じているでしょう。

 

あげたくない場合だって

ありますよね。

 

ママに

「妹にあげなさい。

もう貴方が着るような服でなし」

と言われ、渋々、大事に

していた可愛いワンピースを

差し出さねばならぬ

こともある。

 

普通、お洋服を

ラクマで売る時は

誰が着るのか

解らない。

 

当然、僕だって誰が

買ってくれ、

着てくれるのか

解らないです。

 

でも、間違いないのは

買う人が、

僕が着ていたと

承知で

申し込んでいること。

 

ですから、

売買という形式だけど

おさがりをあげている

気がしてしまうのです。

 

『若草物語』をはじめ

女のコの物語には

おさがり——が

よく登場します。

 

MILKのおさがりは

すぐに売れましたが、

すぐに買い手がつくと

思ったMILKBOYの

ズボンは売れませんでした。

 

 

だから、やはり

皆、姉の

おさがりが欲しいのだと

思いました。

 

私の妹にならない?

ありがとうございます——

なんて、私が言うとでも?

外したロザリオを輪の形にして両手で持ったまま、

祐巳は動けなくなった。

 

女子にとって

おさがりを与える

或いは

貰うことは

百合としての絆を作ること

なのでしょう。

 

あげるお姉さんの立場で

おさがりは、語られない

と書きましたが、

やはり、好意を抱く相手に

おさがりをあげる時、

お姉さんだって、

テンションは

上がるのですよ。

 

『マリア様がみてる』

でも

スールではない

でも憧れていた先輩が

使っていた

ラケットを貰う話など

おさがりの話は結構、出ます。

 

しかし、

祥子さまは祐巳に

特におさがりをあげません。

祐巳も欲しがりません。

 

 

この二人は

『マリア様がみてる』の

主人公。

そう簡単におさがりでつながっては

ならないのです。

もっと高度な百合的関係に

二人は支配されている。

 

 

表層的には、祐巳が

パーフェクトな祥子さまに

ぞっこん——ですが、

百合な行為をするのは、

祥子さまの方が多い。

 

二人のイニシャルを

刺繍したハンケチを渡す。

 

初デートで祐巳が履いている

ジーパンを気に留め

ジーンズ屋に初めて入り

「祐巳と同じのがいい」

と、祐巳に言う。

 

挙句は、

自分はクリスマスプレゼントを

用意したが、

祐巳は忘れていて

一方的に貰うのが気兼ねなら……

と、祐巳の髪の

リボンを解いて

半ば強引、貰ってしまいます。

 

祥子さまは、

妹のものを欲しがる

結構、甘えん坊の

お姉さまなのです。

 

 

 

 

うん、

祥子さまからのおさがりって

思い出せないなぁ……。

ロザリオ——くらい?

 

僕は結構、女子服を着るので

女子に

おさがりをあげられます。

そして

百合な心地を味わえます。

 

男子の場合って

おさがり、というよか

引き継ぐ、託す

託されるみたいな

ニュアンス

になるので、

つまんないですよね。

 

おさがりとお揃いは

女子の特権。

 

蛇足ですが、

生徒会の劇の準備中、

祥子さまが祐巳に

ブラジャーを貸す

エピソードがあるじゃないですか。

 

あれ、本当にスゴいと思います。

アニメではそういう

コアな百合描写

が端折られてます。

原作、読むべしですよ。

 

祥子さまが祐巳のリボンを

取り上げる部分も

アニメにはないですしね。

 

『いばらの森』に出てきます。

 

私は、それを静かに、

そして永遠に眠らせることにした。

だからその森は、今でも

いばらを堅く張りめぐらせ、

外部からの侵入を

拒み続けているのだ。

たぶん、私が死ぬ、その時まで。

 

——『マリア様がみてる いばらの森』より

 

また、おさがりあげたいなぁ。

 

嶽本野ばら