前回の続き

 

次に

『下妻物語』を出しました。

 

書き下ろしとしては

『ツインズ』の後だったので

楽しい物語が描きたかったのです。

 

珍しくこの作品は

タイトルを先に思いつきました。

 

「ヤンキーちゃんとロリータちゃん」

 

レオ・レオーニの有名な絵本に

『あおくんときいろちゃん』

というのがあります。

 

 

 

それを模してのタイトル。

 

しかし、タイトルが長い

と編集者にいわれ

サブタイトルに降格、

タイトルは『下妻物語』と

なりました。

僕は、

「ヤンキーちゃんとロリータちゃん」

以上にいいタイトルはないと

思い込んでいましたので

スゴくテキトーにしか案を出せず

最終的に

ヤケクソで出した、

下妻が舞台の物語なので、

下妻物語――

が、採用となりました。

 

世の中は不思議です。

 

 

一番、著作の中で

知られているものなので

制作秘話とかは

語らずにおきますが

これを原作にした映画は

今でも

世界中で観られているようです。

 

2004年の公開ですから

もう20年近く経つのに

とても不思議です。

 

何故、古びず

観て貰えるのだろう?

 

恐らく

原作の僕、

監督の中島哲也さん

主役の深田恭子さん、

土屋アンナさん達以上に

BABY,THE STARS SHINE BRIGHTの

お洋服が出てくることが重要、

BABYのお洋服が

主役だからではないでしょうか?

 

 

 

 

僕は作品が

映画や舞台になる時は

あくまで原作なので

好きに使ってくれていいと覚悟を

決めます。

 

これの前に映画化された

『世界の終わりという名の雑貨店』では

Vivienne Westwoodのお洋服を使う

という注文以外は出しませんでしたし、

『下妻物語』も

BABYのお洋服を使うのなら

あとは口出ししないと言いました。

 

その頃、BABYは

ロリータの世界では

知られているものの、

一般の認知度は低かったので

通常なら、ブランド自体、

架空のものに設定され

映像的にもっとデフォルメ、

舞台衣装のような

ロリ服を美術班が製作する流れに

なったと推測します。

 

ですから、

結果として通した

BABYありき——という

自分のワガママは

英断と自負していいかな、と。

 

エンドロールで

特別協力として

BABY,THE STARS SHINE BRIGHT

のロゴが

何よりも大きく出てきた時、

本当に嬉しかったし。

 

この前、礒部さん達と久々に

逢って、ご飯を食べました。

お互い、出逢った頃に

比べれば老いたし、

状況も変わったのですが、

やっぱり、一緒にいると

楽しい。何も変わらない。

 

12月11日に開催された

BABYのショーも

フィナーレが余りに

ファンタスティックで

泣いちゃったし……。

 

好きなお洋服があることって

とっても幸せなことです。

 

ずっと好きでいさせてね、

BABY,THE STARS SHINE BRIGHT!!

 

(多分、続く)