『カフェー小品集』の次に
出したのは
『ツインズ
――続・世界の終わりという名の雑貨店』で
これは
『世界の終わりという名の雑貨店』の
続編なのですが
特に物語として
つながりを持つものでもありません。
何故に続編かといえば
最初の『ミシン』を出した後、
サイン会をすることに
なったのですよね。
多分、出版社はなんとなく企画して
僕もなんとなく了承して
いざ、やってみたら
恐ろしい数の人が詰めかけて。
僕のサイン会は
ロリータさんが多い印象を
皆、持たれていると
思うのですが
実際はそんなに多くいるでもないです。
ロリータさんは目立つし
かさばるので
10名の中に1人いると
全体としてロリータ率50%に
見えてしまうのです、多分。
それよりも当時、
多かったのが
時代的な背景もあってか
リスカな人達で。
僕はリスカな人に慣れているので
さほどびっくりせず
かなり非道い人に対しては
死なない程度にね――声を掛けるくらいしか
やらないのですが、
サイン会で貰うお手紙、
出版社に送られてくるお手紙、
とにかく
毎日、死ぬことを考え続けています
という内容のものが多く。
そういう経緯があり
次に何を書かくか
考えた時、
読者をむざむざ、死なせたくない
という思いが湧きました。
『世界の終わりという名の雑貨店』で
相手の女性は、結局、死んでしまいます。
もう書いてしまったものなので
どうしようもないですが、
サイン会で逢った人、
お手紙をくれた人達のことを
考えつつ
あのエンディングでよかったのか?
死なせない方法はなかったのか?
と、問うてしまいました。
ですので、
今度は相手を殺さないように
しようと決めたのでした。
という事情で
『ツインズ』は
『世界の終わりという名の雑貨店』の
続編なのです、僕的には。
深刻な場面も多い作品ですので
書いていて
自分の精神が最後まで持つのかが
心配でした。
夜明け方、
最後のフレーズを入力し終えたら
放心状態になり
数時間、意識がありませんでした。
全く、いい話ではないのですが、
僕の中では、この時点で、
これがハッピーエンドでした。
どうあろうと、殺さなかった――
僕自身も死ななかった。
その事実がとても大事だったのです。
最近でもまだ
死にたい、という内容の手紙は
多いです。
どういう訳か昔から
そんな人が、寄ってきます。
こういう手紙を
迷惑に思うことは
ありません。
他の人に出すと、
貰った人が持て余すだろうし
死ぬなどと甘えたことを
いっちゃいけないよ、
注意されてしまうかもしれないので
僕のところに寄越すのは、
正解だと思います。
これから読もうと思うのですが……
たまに作品を読んでいない
人からもそのような手紙がきます。
困ったことよ
思いつつ、ひとまず受け入れています。
そういう手紙を送る場所が
あるのとないのとでは
多分、大違いと思うので。
だからといって
そういう手紙ばかりでは
流石の僕もしょげますよ。
楽しいお手紙もくださいね。
(多分、続く)