こういう時にこそ、

マメにブログを更新しなければ

ならないのは承知しているのですが、

 

そうです、

私は『お姫様と名建築』という

本を出しました。

これをたくさん売らねばなりません

 

そんなこといったって

今回、サイン会はないにせよ

山程、サイン本を

作ったり、毎日が、結構、

忙しいのですよ、

 

しかし、

私は『お姫様と名建築』という

本を出しました。

これをたくさん売らねばなりません

 

作家は孤独だそうです。

でも僕はあまりそれを感じたことがない。

誰が読んでくれるのか

それが解っている気がしているから。

手紙、みたいなものだから。

 

この度は、ノンフィクションなので

不特定多数の読者に向けて……

なのだけれど、

帯は赤いレースのリボン仕様、

サイン会がやれない分、

応援してくれる書店員さん達が

各地で独自のポップを作ってくれたり

可愛く見えるように書棚の

レイアウトをこしらえたりしてくれて

いるので

そういう知らせを受けると、

やっはり、孤独は特に感じません。

 

孤独を感じた著作は、あったなぁ。

 

今までみたいなの、

もう売れないんですよ、

大人の読者に読んでもらえるもの

書かないと——と言われて書いた作品。

 

今回は、大人も、男性も読めるけど

でもやっぱり、お姫さまの本なので、

書いていて、楽しかったのですよ。

そしてこの本を抱えている

貴方の姿が見えるようで——

きっと、貴方は喜ぶに違いないと

思えてしまったので。

 

出版社宛のお手紙が

転送されてきました。

 

送り主は、中学生女子。

仮にMさんとしましょう。

 

私は数冊しか野ばらさんの本を

読んでいないし、他にも

好きな作家の人がいるし

熱狂的なファンではないですから

これはファンレターでは

ないと思うのですが

他にどう呼べばいいか解りませんし

ファンレターということにして

おきます。

 

熱狂的な読者でないのは承知しました。

しかし

書いて、封筒に入れて、

送ってしまっている時点で

Mさん——貴方は、結構、

僕を特別に思ってしまっておるのですよ。

 

 

僕はもはや

貴方のお父様と同じ歳くらいかも

しれません。

貴方はこともあろうに

そんな作家にファンレターを

寄越してしまったのです。

もはや淫行ですよ、淫行!

 

女子は誰だってお姫さまだから

と主張し(なんかの雑誌で読んだの?)

慇懃に扱うのがレディファースト

カッコいい男子だと

思い込んでいる人達がいますが、

これは

そういう人には、絶対に解らない

お姫さまの本です。

 

それでも、

私は『お姫様と名建築』という

本を出しました。

これをたくさん売らねばなりません

 

女子というだけでなれるほど

お姫さまは安易じゃないです。

ロリ服を着ればロリータに

なれる訳ではないのと同様、

お姫さまには覚悟が必要なのです。

(容姿や出自とは関係なく)

 

初めて読んだにも関わらず

貴方が何故か手紙をしたためたく

なってしまうような作品を、

次も書きたいです。

 

でもその為には、

私は『お姫様と名建築』という

本を出しましたので、

たくさん売らねばなりません

 

たくさん売れたなら、

最近、一部がホテルとして

開放されるようになった

ヴェルサイユ宮殿にお泊まりしたいです。

 

貴方のなけなしのお小遣いが

結果、

僕がヴェルサイユ宮殿にお泊まりする

資金になります。

そうやって贅沢する元手を集めるのが

お姫さまですので、怒らないように。

 

その時はちゃんとマメに

ブログを書きます。

どうか、よろしくお願いします。

 

T.Nova et 2021.6.28

 

チーズの空箱に描いたエリザベス1世の肖像画

王冠の鉛筆は読者の人に貰ったもの

(スウェーデンのお土産らしいので多分、ストックホルム宮殿のもの)