ヒマなので、Tシャツでも

作ってみようかなと

——それはもはや、

型から変な、

革命的Tシャツである——

型紙用の模造紙を広げ

スケッチしたものを観ながら

チャコペンで型を起こして、

ユザワヤで買ってきたシーチング布に

トレースしようと

したまま、

こんな変なものを通常のコットンで

作るのはつまらない

そうだ

極上のシルクで作ってしまえ!

思い、

シルク生地を買いに行く気にもならず

放置してある。

 

気に入ったTシャツなど世の中では

なかなか見付けにくいし

——結構、着るけど、Tシャツ

というもの自体が好きじゃないのだ——

自分のTシャツくらいなら裁縫の腕がなくても

自分で作れるのではないだろうかと

考えたのでした。

 

(本当は帽子が作りたい)

 

でも、せっかく一枚きりとてシルクで

作るのであれば、下手なりに

きちんと縫った方がいいし

ここはひとまず基本を学ぼうと、

手縫いの参考書をアマゾンで注文する。

知識では知っていた布地の性質や

縫い方の手順を

図解入りの本で

読むだけで、楽しくて、

もはや作ることは、

どうでもよくなっている。

 

(今度はミシン掛けの本を買おう!)

 

僕はボウタイ——いやゆる蝶ネクタイ

がとても好きなのだけれども、

今までちゃんと付けたことがなかった。

 

でも最近、また付けてみたいなぁと

思い始め、いろいろとネットで検索して

いたのですが、

既に蝶の形に結ばれて、

ベルトをフックで

留めるタイプのものが

殆どであることに、気付きました。

 

(エルメスのようなメゾンのものですら!)

 

そして、嗚呼、そうかと気付く。

 

今まで、ボウタイを買うけどすることが

少なかったのは、そのせいだったのだと。

 

買ったことのあるボウタイは

やはりそういう形状のものでした。

 

ですが、そもそもボウタイは

通常のネクタイと同様、

一枚の布切れを

結んだり折ったりして、

あの形にするのです。

ワンタッチでは

ボウタイではありません。

 

そこで、

古式フィルムの

ボウタイに的を絞り

検索を続け、見付けて、

取り寄せました。

YouTubeで探すと

ボウタイの結び方の動画など

腐る程にある。

 

でも、どの動画もよく解りません。

解らない人の為の動画と

書かれた動画ですら

よく解らない。

結局、多分、アメリカの

動画らしいものが

言葉は解らないけど、

観ていると何故か

非常に解ってしまったので、

ブックマークして

再生を繰り返しつつ、

ボウタイを結ぶ練習をします。

 

(寝巻きがわりのTシャツを脱いで

わざわざ、

その為だけにシャツを羽織るのだ)

 

手順は会得しましたが、

手馴れるまでに時間が

掛かりそうだし、毎回、

長さを少し変えつつ

しっくりくる寸法を探ります。

 

それを最近は、

毎夜、儀式のように繰り返して

一時間以上、遊んでいます。

 

(僕はTシャツを

作れるのだろうか? 果たして?)

 

 

https://www.youtube.com/watch?v=R1Tp2JF1DqU

2020.04.18   嶽本野ばら