BABY,THE STARS SHINE BRIGHT

第10回

本部お茶会@帝国ホテル10月22日

にお呼ばれする。

 

歴代のうさくみゃが並びます

 

帝国ホテルだし東京駅から

タクシーが一番便利と思い

そうすると、運転手さんから

辿り着けないかもしれませんよ、

あすこには……

いわれた。

そうだ、この日は即位の礼だった!

 

界隈は各国要人がきているので

テロ対策のほぼ戒厳令下

一番、行っては

いけない場所だったのである。

 

パイレーツシリーズ第一弾(2004年)

セーラーワンピとペチコートのセット

 

通常5分で着くところを30分掛かる。

更に帝国ホテルのエントランスに

空港で海外に行く時のような

ゲートが設置され、

荷物検査の係員も待機。

普通こんな日にホテルを借りて

お茶会なんてしないのですが

流石、BABY――世間を舐めています。

 


Majestic Circus(2009年)

ジャパンエキスポ出品作

 

閑散としたホテルの中、

エレベーターに向かう。

エレベーターの中に、

どうみたってどこかの王様が乗っている。

 

王冠を被ってないし

ガウンも羽織ってないけど

そして、

王様に一度も逢ったことはないですが

絶対に、王様です。

横に大使館の大使みたいな人が

付いています。

小さい国の王様かもしれないけど

王様って、解るものですね。

大統領とかそういう雰囲気ではない。

王様でしかない。

 

豪華なシャンデリアの会場

豪華なお食事

 

メモリアルショーで幕開けしたお茶会。

食事をしながら

いろんなことがあったよなぁと思う。

これはいくら何でも失敗だろうと

思っていたうさくみゃが

再販に再販を重ね

今に至る。

クラウンセプターだって、

発売当初、何を血迷ったんだと

大笑いしたけど

(しながらも買っている)

会場にいる

人達の大半が持っているぞ!

 

着ぐるみと写真も撮れる

 

代官山にお店があるものの

店員がいないので土曜と日曜しか

あいてなかったというマヌケなメゾンは

うさ耳フードとかハートエプロン

とか出していたものだから

最初、ロリータからも

あそこってどうなのよ?

不審がられていた。

 

ボクも食べたいくみゃー

 

表には出てこないけれども

他のメゾン同様、

順風満帆じゃありませんでした。

危機もあったし、

爆発的に売れたら売れたで

大きな問題に行き当たる。

 

でもこうして帝国ホテルで

(それも即位の礼の日に)

大規模なお茶会を催すメゾンになった。

諦めなかったから――という表現は

妥当じゃないなと、この人達を

何時も横で観ていたので、思う。

 

お前が食べられてしまえ!

く、くみゃの肉はかたくてマズいくみゃよ!

 

この人達には常に迷いがなかったし、

この後どうなるのかなんて

考えていなかった。

僕にいわれたくないでしょうけど、

無謀だった。

ずっと売れないままでも

この人達は同じようなお洋服を

作り続けていただろう

と、思う。

 

貫けばいい訳ではない。

初代うさくみゃは

多分、テディベアを意識したのでしょう

顔が縦長で変でした。

だからすぐに顔の修正が施された。

 

食べたいなぁ……

 

世の中には

やってみないと解らないことのほうが

遥かに多い。

 

最初から駄目と思っていたと

したり顔でいうのは

何もやらない人達で、

いけると思ってた

先見の明を自慢するのも

何もやらなかった人達だ。

 

そもそも、生きるということは

何かをやらかしちまう

ことなのじゃないかしら。

 

食べてもいいよ。

ほ、ホント、くみゃか?!

 

母は

人に迷惑を掛けるなとよく怒っていたし

今もよくそれで怒られますが、

迷惑を掛けても、冷笑されても、

誤解されても、

やらかしちまう自分の毎日は

大変だけど有意義、と思う。

 

前にくまくみゃポシェットを掛け

後ろのリュックにうさくみゃを入れ

(背負うリュックは

KRIS VAN ASSCHEなのだけど

うさくみゃが顔だけだしている。

リュック IN リュック・スタイル)

BABYのお茶会なので、その日は

問題がなかったのですが、

次の日は編集者に逢ったり、

映画の試写会に行ったり、

展覧会の内覧に行ったり、

忙しく飛び回りました。

 

後で、気付く。

 

もしかしてヤバい人に思われたかなぁ!

 

ああ、食った。食った。

満腹くみゃー

 

可愛いには違いないけど

前と後ろにぬいぐるみを抱えた

50を過ぎるオッサンがやってきたら、

「作家の嶽本野ばらさんです」

紹介されても、打ち解けられないよなぁ。

 

でも途中で気付いたとしても

無理矢理に

うさくみゃの頭をKRISのバッグの

中に隠すようなことはしません。

 

だってうさくみゃが可哀想だ!

 

デザートと紅茶もどうぞ

 

ホテルのエレベーターで出逢う王様が

王様であるが故に

絶対にどうみても王様でしかないように

僕はどう誤魔化そうが、

絶対に僕だろう。

うさくみゃを背負っていなくても

こいつ、

どこかにうさくみゃを隠してるに

違いない……

思われる僕こそが僕だ。

 

そういう僕であることに僕は

満足しています。

 

おいしい紅茶だくみゃ❤︎

 

一年や二年で、そんな僕になぞ

努力しようが誰もなれない。

 

僕を駄目だと危惧するのは

僕以外の人だし

僕のことで威張るのも

僕以外の人だ。

 

ウサギなのかクマなのか

を選ばなければならないのじゃない。

両方になりたいなら

うさくみゃになればいい。

 

参加者がもらえるお土産

なんか子供騙しな・・・

 

時間は掛かるかもしれないけれども

クミャがウサギになるべく

失敗を重ねつつも成功するまでの時間なら

どんな場合だって存分にある。

 

リュックinリュックされる初代うさくみゃ

 

昨日、うさくみゃ を洗う。

クリーニングに出してもいいけど

手洗いしてみる。

母はまだ

これをリュックだとは思っていない。

50を過ぎた息子が

せっせとぬいぐるみを洗っているのだとしか

思ってはいません。

 

京都に帰って洗われる初代うさくみゃ

 

陰干ししたら

ふわふわの

うさくみゃになってくれるかな!

 

嶽本野ばら 2019.10.29