先日、みなみ会館に『蒲田行進曲』を
観に行ったら、
やってなくて、予定表を観たら
次の日だった。
仕方なく、帰るのもなんなので、
やっていたフェリーニの『8 1/2』を観た。
僕だけではなかろう。
何せ、みなみ会館では
毎日、時間帯に拠って複数の映画が
入れ替わり立ち替わり上映されるので
確認したつもりでも
煩雑過ぎて
うっかり日や時間帯を
間違えてしまうのだ。
昔、観に行っていた頃も
よくそんなことが、あった。
そして
どーせここまで来たのだしと、
掛かっている作品を
今回のように、観てしまうのである。
これは、恐らく、みなみ会館、あるある——だ。
でも、そうやって観てしまう映画の中に
とてもいい映画があったりして
思わず儲けものをする。
（＊因みに、だから次の日もみなみ会館に、行った）
さて、『蒲田行進曲』のことはさておき
フェリーニの『8 1/2』である。
これは実は非常に好きな作品なのである。
（僕のベスト５に入る）
しかし、数回しか観ていない。
何度もDVDを買おうとしたけど
買わないまま、今に至る。
久々、劇場で観て、
何故、DVDを買わないままかが解った。
これは、３５mmのフィルムを映画館で
観ないと意味のない作品だったのである。
リマスターしてあるらしいが
それでもフィルムに走る亀裂や
ノイズの音は残ったままだ。
それも含めたものが『8 1/2』なのだ。
映写技師が映写機を使って投影する
フィルムはどんなに熟練の技術でも
完全にピントが合うことはない。
最近の映画はデジタルなので
猿が映写しようと、ピントは合う。
昔の映画の方が良かったと
僕はいわない（特に映画が好きでもないので）が
とりあえず、『8 1/2』に関しては
３５mmのフィルムを映画館で観るのでなければ
単に訳の解らん映画——なのではないかと、思う。
うん、だから今後もDVDは買わずにおこう。
今回、煩雑なスケジュール表に混乱し、
思い掛けず
３５mmで『8 1/2』を観直せたのは
とんだ儲けものであった。
３月一杯で一旦、閉館のみなみ会館であるが
夏に違う場所での再開の目処は
無事、立っているようである。
でも、新しい劇場で、今は殆ど使われることのない
（技師も少なくなったらしいし・・）映写機を置くのか？
それが不安だったのだが、持って行くそうである。
偉いぞ、みなみ会館！
皆さんも、誉めてあげましょう。
３月２６日から閉館までは、
「京都みなみ会館さよなら興行」が行われます。
http://kyoto-minamikaikan.jp/archives/category/topics
このスケジュール表もエグい！
３月３１日、最後の回には何を上映するのか？
「シークレット」——つまり、解らない（笑）。
この映画館は、そもそもタイトルを明かさず
「闇鍋上映会」と銘打ちオールナイト上映などを
平気でしていたクレイジーなところなので、
最後が「シークレット」ってのは流石、である。
この「シークレット」の回の前売りは
すでにソールドアウトしている。
映画館も映画館なら、
客も客だ。
カッコいいではないか。
みなみ会館を支えて来たお客さん達もまた
みなみ会館以上に、カッコいい。
皆さん、誉めてあげましょう。
京都の知る人ぞ知る名画座の閉館は
いろんなメディアに取り上げられた。
（こうなってようやく、ニュースにする。
マスコミというものは、何時の時代も、さもしい）
みなみ会館の壁に貼り出されていた新聞の記事を
読んでると、僕のコメントが載っていた。
ん？ 取材された憶えないぞ・・思ったら
このブログから勝手に引用しておられた。
新聞社なのだから、連絡くらいしてきなさい（笑）。
さようなら興行は、青春期、ここで
カップヌードルをすすりながら
（昔は会場内で、皆、食っていた）
変な映画ばかりを観ていたロートルなお客さんが
中心の祭りとなるだろう。
だから、夏からリニューアルオープンする（筈の）
新しいみなみ会館は、
（スタッフが少しぼんやりしてるので多少、遅れるかも・・）
新しい世代のお客さん達の手で育てて欲しい。
映画館の主役は、お客さんなんだよ。
僕も立場はロートルの方だから、
新しいみなみ会館の役には立たないだろうけど、
まぁ、モギリくらいなら出来る。
さーて、さよなら興行のプログラムの前売りは
幾つか買ったし、
準備は万端だけど、最終上映はホント、何を掛けるのかな？
みなみ会館のことだから、ウケ狙いでなく
真面目に『燃えよドラゴン』とかも、あり得ます。