今回のノバラ座【make a book】では

展示・販売のキャプションにも力を入れている。

明日からは混雑するかもしれず、

ゆっくり読むことが出来ないかもしれない。

ここに一つのキャプションを記しておく。

 

 

記憶のオブジェクト Memories of object 2017

   共有という概念が定着してもう久しいが、一体、僕達は何を共有出来ているというのか? 

    同じものを同じ時間に観ながら、会話しながら、昔より多くのものをどれだけ手に入れられた

    だろうか? かつては同一のデータであったものを、僕は選り分け、異なるものにする。

     それは破損し、或いは残ってしまったからこそ、この手元にある。

      2017年の残滓——最初のノバラ座での余った記憶を僕は標本ケースの中に入れた。

     家に持ち帰り、あなたが迂闊にも落として、硝子ケースを割ってしまったとしよう。その罅を

   あなたは悲しんではいけない。

    何故なら、それは新しい記憶が刻印されたということなのだから。      

         【NOVALAZA】

 

 

嶽本野ばら 2018・1・15 @ノバラ座