3/14に「サリシノハラ/48」が出ます。
いわゆるラノベです。
みきとPさんというボカロ系ミュージシャンの「サリシノハラ」という楽曲があり
そのスピンアウト作品を書いて欲しいと頼まれ書きました。

すでにスピンアウトのコミックもでていて
これはCHRISさんというイラストレータさんが描いておられます。

この二つの作品を踏まえた上で僕の「サリシノハラ/47」
は出来た訳ですが
まぁ、似ている部分もあるけど
かなり違う内容です。

47というアイドルグループにいる砂吏が主人公。
みきとPさんの曲がそのタイトル通り
どこかAKBを想起させるというものなので
僕としてもAKBを思わせるグループのアイドルと
そのファンの男の子の恋愛のようなものをからめ
て物語を進行させました。

が、はっきりいって、これは百合小説です。

これを書けて本当によかった。
ラノベなので、かなり読みやすさを心掛けましたが
ラノベだからと手を抜いた訳ではありません。

本気で真剣に格闘しました。

かつて吉屋信子は自身の少女小説に就いて
小さな読者に向けて書くからこそ
大人向けのものよりも真剣に書かなくてはならない
といいました。

宮崎駿は自分の根底には児童文学がある
だからこそブレずに表現したいものを貫いてこられた
といいました。

「サリシノハラ/47」は児童文学ではありませんが
その気持ちを僕も持ち
初めて小説を読む人が
小説ってこんなに感動出来るものなのか
と思えるものを書いたつもりです。

よく、編集者から大人が読むに耐え得るものを書いて欲しい
といわれます。

が、そういわれると僕は、そんなものは書きたくない
と思います。

かつて僕が小学生で横溝正史を読み始めた時のように
中学生で太宰や芥川などの近代文学を読みだし
それに影響を受けたように
幼く、まだ人生経験も浅い人達の為にこそ
小説、文学というものは価値を持つのだと思います。

無論、大人に文学が必要ないとは思いません。
が、大人は人生経験があるぶん
小説を読んだとてそれで人生が狂わされることなど
稀です。

僕は読者の人生を狂わせる小説を書きたい。

横溝や太宰が幼い僕の人生を狂わせたように
その人の人生のかけがえのないものとして
一生、寄り添う作品を書きたい。

暫く、大人向けのものを書いてきたように思います。

ですから、初心に戻れたこの「サリシノハラ/47」
は新しい僕の代表作です。

先日、「新潮」に発表した「純愛」も
ライフワークのような絶対に読んでもらいたい
作品ですが、
全く違うベクトルの作品ながら
「サリシノハラ/47」も重要な作品です。


女の子であることの特権と美しさがこの小説には
つまっています。

そして女の子の残酷さも・・・・

「ミシン」の進化系という感じでしょうか?

CHRISさんの装丁も可愛くてとても気に入ってます。


更にいうならば、この作品はスピンアウトということもあり
二次創作の方法論をふんだんにとりいれています。
固有名詞など、元ネタが解る人には爆笑していただけるでしょう。
(AKBグループネタ満載)

ラノベなので、普通の書店でも変えますが
アニメイトにも並びます。

これも個人的に嬉しい限りです。

今回はサイン会がないので
サイン希望者は
どこかでばったりお逢いすることがあれば
声をかけてサインをおねだりしてください。

なので、常に持ち歩いてないといけませんねw
僕もペンを持ち歩きます。

発売日より少し先にうちに届いたので
昨日、読み返していました。
自分で自分の本を読むことは
珍しいことです。

でもそれくらいに僕はこの作品が好きです。

何度も泣いてしまいます。

この小説が余り好きじゃないなという人とは
きっと友達になれない気がします。




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