今日、都庁にパスポートをもらいにいった。
外が騒がしく、何やらヘイトスピーチのような
ものをしている様子なので、観にいった。

都庁の前に大勢の人が集っていた。

舛添辞めろ、キチガイ、ドキュン
などと書かれたプラカードに交じり
韓国人を排除せよ
という内容の文言もあった。

多くの人が日の丸の鉢巻きをし
日章旗を振り
強い口調でスピーチをする先導者の言葉に
共鳴の声をあげていた。

それは異様な光景であった。

写真を撮ろうとすると
安全の為に撮影はやめて下さいと
すぐさま、止めに入られた。
ぴりぴりとした雰囲気の中
耳に残った言葉は

公務員は日本人のみと法律で定められています。
なのにどうして外国人、韓国人がその職に就いて
いるのでしょう。
舛添氏は明らかに違法の行為を容認し
我々の税金を悪用しているのであります。
私達は正しく法を活用せよと願っているだけなのに
何故、私達の行為がヘイトスピーチと
呼ばれなければならないのでしょうか。

彼等はいわゆるレイシストとは一線を画す。
右翼なのかといえばそれも微妙で
しかし、大雑把に括ればレイシスト、右翼
になってしまう。

が、とりあえずここでは便宜的に
話を解りよくする為に
彼等をレイシストとしておこう。

僕はアンチレイシズムの立場ではあるが
レイシストにも五分の魂
といってきた。
その理由がこの抗議運動を目の当たりにして
非常に説明しやすくなったので。

彼等の殆どは真のレイシスト、民族主義者ではない。
彼等は怒っているのだ。

何に対し——?
現在の日本に対してだ。
彼等は不安と恐怖を感じている。
しかしその不安と恐怖の実体を
彼等は解っていないのだ。

彼等が覚える不安と恐怖は
日本の経済がどん底になり
もう修復不可能な状態になっていることからくる
ものである。

その原因を韓国などに代表される
在日外国人が労働力として使われているからだと
彼等は推測する。
それが様々な排他的感情などとぐしゃぐしゃに
からみあい
外国人を追放せよという結論に至らせるのだ。

日本経済をここまで貶めたのは日本人が悪いのではない。
外国人のせいだと
彼等は思いたい訳だ。

単純な発想であるが、あながちこれはバカに出来る
発想ではない。
何故なら、戦争、或いは戦争の状態になれば
日本企業は中国や韓国などから
工場を撤廃しなくてはならなくなる。
そうすれば賃金が安いからと海外に出していた
仕事は国内でやるしかなくなる。
ならば、潰れ掛かっている日本の零細、中小企業
が活性化するチャンスを得る。
外国人労働者を追い出せば
日本で働くのは日本人だけになるので
雇用も安定し、日本の景気が回復する。

この考え方は決して間違っていない。
そういうやりかたでも確かに景気は
一時であるかもしれないが
大幅に回復するのだ。

戦争は何故、起こるのか。
様々な要因があるが
多くの戦争は自国の経済状態をよくする為に起こる。
戦争、或いはそれと同様の状態になれば
硬直して身動きのとれなくなった経済は
とりあえずではあるが活性化する。

秘密保護法、9条の解釈問題で
僕はもはや日本は戦争に参加する用意をした
といってよいとTwitterで書いたが
準備どころではなかった。
もう、戦争は始まってしまったのだ。

第三次世界大戦だ。
もはや日本は第三次世界大戦に参加したのだ。

それを実感出来ないのは
戦争の仕方が昔と今では異なるからだ。
戦士が殺し合い、敵国を焼き、物品を奪い合う
戦争から、今日の戦争は、情報戦、情報の支配
コントロールへと姿を変えた。
しかし、戦争であることには変わりない。

戦争は力のあるものが力のないものから
無理矢理に奪う。
そうして破綻した経済を潤すのだ。
が、そのようなやりかたでは
当然、多くの死者も出る。

弱いものから、或る程度ではなく、徹底的に奪って
足りない部分を充足させる。
それが戦争のシステムだ。

どの国とどの国とが仲間で
どの国とどの国が敵か
という、この戦争は
昔ながらの解りやすい戦争ではない。
それさえ、一般の人間には認識し辛い
戦争なのだ。

大袈裟にいっている訳ではない。
考えてみて欲しい。
戦争に至るまでの心理状態を。
経済が閉塞した状況において
外部に対する不安、恐怖がマックスになれば
人々は戦争をするしか術を持たないのだ。

レイシストは不安と恐怖から外国人を憎む。
しかし彼等とて、国粋主義者であろうがなかろうが
日本をなんとかしようとしているのだ。
KKKなどの純粋な民族主義者と
現在のレイシスト達が異なるのはその点においてである。

只、そのなんとかしようとする方法や考え方が
僕にいわせるならば計算方法、方程式が
誤っているのである。
だからして、彼等を一概に卑劣で愚鈍な人間
と定義するのは、違うと思うのだ。

無論、日本のみが戦争に参加したのではない。
世界はもう戦争になっており
日本も参加する道を選んだというのが
正しいのだろう。

経済が立ち行かなくなったのは日本のみではない。
殆どの国の経済が立ち行かなくなってしまった。
その結果の戦争なのである。
だから、第三次世界大戦なのだ。

始まってしまった戦争をどうやって被害を
少なく、早く終結させられるのかが
今からの僕等の課題だ。

僕はロリータを含む、日本から生まれた
ヲタの新しい意識と価値観のみが
(ロリータだってヲタの一種だ)
この戦争を平和的に解決出来るものだと
思っている。
意識と価値観を変え、
人はなにものをも所有することが出来ない
ことを悟れば、もう奪い合う必要はなくなる。

戦争する意味がなくなれば、やめられる。

簡単な方程式だ。

気を付けて欲しいのは、戦争は嫌だ
差別は嫌だと思っていても
情勢がもっと悪化すれば
知らぬうちに君だって、レイシストの
心情に同調し、違わぬ行いをしてしまうということだ。
それが戦争(状態)の真の恐さなのである。

かつての戦争にしろ、
多くの冷静で賢明である筈の知識人すらも
戦争に参加していたではないか。
この戦争はおかしい、一刻も早く止めるべきだ
と考えられた人間は、一部に過ぎない。

頭のよい人間だけが真相を悟れた訳ではない。
戦争がもたらす真実を悟れたものだけが
戦争の痛ましさを知れたのである。

たとえばそれは、戦地に子供をいかせなければ
ならなくなった母親であり、
恋人に、夫に、人殺しをさせたくないと思った
乙女であり、妻だ。


僕は申し訳ない気持ちで一杯だ。


この戦争を止められなかったのは
僕達、大人がふがいなかったからだ。
僕達、大人がもっとちゃんとものごとを考え
処理していたなら、戦争という最悪の道に
進むことを阻止出来た。
二十代、十代の若者には何の罪もない。
僕達がだらしなかったのだ。

僕等大人は、かつてゆとりとバカにした
新しい価値観を持つ新しい人達から学ばなくてはならない。
戦地に赴く正義心や勇気など必要ない。
軍隊なんて恐くて辛いばかりだから
半日で逃げ出せばいい。


ヘタレよ! 我が同胞よ。
嫌なことを無理にやるな!


今、ここに僕は自分が戦わない
ヘタレた左翼であることを
宣言する。