6月の末に国書刊行会から「星のアリスさま」
ディスクユニオンから「初音ミクの結婚」という
CDが発売になります。
「星のアリスさま」はハイパーな長編童話
「初音ミクの結婚」は何故か僕がミクへの想いを詞にして
歌を歌うことになってしまった会田誠さんの書き下ろしミク
がジャッケットになったアルバムです。

で、少し昔、野ばらツイッター炎上事件というものが
ありました。
ツイッター文学賞というものがあり
面白い試みだと思い応援するつもりで
自分のまだ出ていない作品に投票を
シャレで呼び掛けたら
それをみた沢山の人が真剣に怒ってしまった
というものです。

実際、びっくりしました。
最初は何故に怒られててるのか
さっぱり解らなかった。

が、作家なら賞が欲しい気持ちは解るが
組織票を組んでまで摂ろうというのは
作家として最低な行いである
と、怒られていることが解り
謝りました。

実際の僕は賞なぞどうでもよいのです。
くれるならもらいますが
本当にどうでもいい。

そんなものだから
自分が賞を真剣に欲しがっていると思われたのが
非常に心外でした。

恐らく、僕の読者でない文学好きの人からすると
作家は文学賞をとても名誉に思う
と思ってしまわれるのでしょう。

僕にとっての作家の名誉は
サイン会をしたら一杯、長い時間でも並んでくれる人ががいる
逢うと泣いたりしてくれる
普段からお手紙を一杯くれる読者がいる
ということに尽きます。

どんな賞を頂こうがそれに勝るものはない。

もっというなら
萌えが解ったといえば、一緒に仕事しようと
天下のガイナックスから声が掛かったり
これは昔ですが、ヴィヴィアンが来日したら
顧客の中でもっともVIPですからと
パーティに特別に呼んで貰えたり
することのほうが、賞を貰う栄誉よりも
ずっとずっと栄誉なのです。

最近では、音楽を聴き始めた頃に
神的な存在であったEP-4の佐藤薫さんと
一緒のステージにたってジョイント出来たり

今回出すCDで、ジャケットを描いて貰えませんか
と打診したら、すぐさま会田誠さんが引き受けてくれたり
そんでもって、いざ、リリースが決まって
告知がしたいから出演させてといったら
DOMUNEにすぐ出られたり
ということのほうが
名誉、ステイタスであるのです。

僕にだって名誉欲みたいなものはあります。
人一倍強いかもしれません。
でも、そういう訳で
通常、真面目な文学愛好家の人が思い描くような
作家らしい欲には特に思い入れはないのです。

売れて欲しいとは思いますが
そんなに沢山売れなくてもいいし。

負け惜しみのようですが
でも実際、僕は自分の本が100万部とか
売れるのはちょっと、勘弁して欲しい。

だって100万もの人が
共感、もしくは面白いと
僕の小説を読んで思う筈がないからです。

自分の考えや感性がマイノリティであることは
充分承知しているので
そんなに売れてしまったら
絶対に、流行ってるから読んでみただけ
もしくは買ってみただけが大半
結局、適当に読んでブックオフに売られるのだろうと
勘繰らずにはおれません。

僕は自分でいうのも何ですが
文章が達者なので、賞が欲しければ
それ用に賞がとれるようなものも書けます。
それに、このようにチャラチャラしていては
文学界の中ではよく思われないことも
馬鹿でなし、承知しているので
一般受けしたければ
もう少し地味に生きます。

そうしないのは、
自分は一般的な名誉より
ありがたい名誉を既に
そして何時も受けているという
自負があるからなのです。

どの作家よりも自分はスゴい
といいきれるから
今も昔もチャラチャラしている。

最近、三島由紀夫をよく読んでいましたが
もしかして自分は三島よりスゴいかも
とすら思っています。

嗚呼、こんなこと書いたらまた炎上するのかな。

別に炎上してもいいです。
おさまるまでみないだけですから。

という訳で
「星のアリスさま」「初音ミクの結婚」
をよろしくお願いします。