朝の6時までひたすら原稿を書き続ける。

やばい。
午前9時~12時の間に新居でガスの開栓の立ち会いを
せねばならぬのだ。

電気、水道などは電話すればすぐに止めたり
使えるようになるのだが
ガスだけは開栓、閉栓の立ち会いをしなければならぬ規則らしい。

安全の為とは解っちゃいるが、うざい。
自炊しない。
ガスなぞ使わないからいいやと思いきや
バスでお湯を出すにはガスが必要。

まぁ、しかし行く前に電話します
とはいわれたものの、9時に新居に
ガス屋が行くことなぞあるまい。

思い、しかし、一応、9時に目覚まし掛けておいて
ベッドに潜り込んだら
目覚ましが鳴るより早く、ガス屋から電話があった。

今から伺います。

えー! 飛び起き、寝間着のままコートを羽織り
マンションを出て、タクシーを拾う。
新居はタクシーなら五分ってところなのだ。

ガス屋が待っていた。
新居の扉を開く。
数分で作業は終了したがコンロもなく
確かめる術はバスルームでお湯が出るか否かしかない。

お湯は出た。ガス屋、帰る。
このバスルームが面白い。
そもそもこの新居のマンションは事務所仕様なのだ。
そこに棲めるようにとムリクリ、バスルームとトイレをつけた。
が、浴槽を付ける費用をケチったのかシャワーしかない。
湯船がないってことさ。
普通、ケチるならトイレとバスを別にせず
ユニットバスにせんか?
あたま、おかしいぞ。

お風呂大好きな野ばらは、だからここに入ると
ちゃぷちゃぷ出来ない!

近くに銭湯はあるらしいので、まぁ、仕方ないか・・
この値段でこの広さと立地だ。
今は我慢するしかない。
そのうち金が貯まれば、湯船を付ければいい。
大家さんだって余計なものを!
と怒りはしないだろう。

エアコンをオンにしてみる。

photo:01



スイッチは入っているのに風がこない。
え???
内見の時、怪しそうなエアコンだと思ったのだ。
そもそもこのマンションにはエアコンがない。
が、前の住人が置いて行ったので使っていいとのこと。
だから書類上はエアコンのない部屋なのだ。

壊れてる?
古そうなエアコンだ。
マンションのものではないから、直すなら実費がいる。
とんだ出金かもしれぬ。
とりあえず、型番を手帳に控える。
2002年製造と書いてある。やはり古い。
取り付け工事もずさんだ。
前の住人、業者じゃなく自分で取り付けたんじゃないか??

photo:02



ともかく新居をでて、旧宅に戻ろうと
歩き始める。少ない予算での引っ越し。
終わるまでどんな出費があるか解らんので、今まで以上にケチらねば。
歩いたって、20分くらいで帰れるはず。

と、電器屋さんがあるのを見付けた。
入って、エアコンの修理とか出来るか訊いてみると
出来るというので、急遽、また戻り、エアコンをみて貰うことにした。

根本的に壊れているらしい。
古いエアコン過ぎて、買うほうが直すよりも安く
安心だという。
「夏になると、ここから水漏れして部屋中、水浸しですよ。
それにこれは六畳くらいが限界のエアコンです。
この部屋には小さ過ぎます」

幾らくらいで部屋に適した新しいものが付けられるのか訊くと
約13万くらいするという。
そんなお金の余裕はないというと
ならば、この冬はガスヒーターでも買って
我慢して、夏になって買えばいいという。

ガスヒーターならもっと安いらしい。
そうするしかないかなと思いつつ
何だか、騙されたような気がして納得がいかない。

使えないエアコン置きざりでは、ゴミを置いていかれたのと同じではないか?

しかし書類上はこの部屋にはエアコンの設備がないことになってるからなぁ・・
でも、とりあえず、明日、大家さんに電話して
文句だけはいってみようと思う。

こうして引っ越しの準備が始まるのであった。

(続く)