断捨離の離 「離すこともまた愛」
静けさを取り戻したリヒト。
空は、しっとりと雨模様。
こんな日は──
じっくりと、自分を振り返るのもよし。
いえいえ、ただの怠け者になってみるのも、また一興。
さて。
離すこと。
離れること。
──この四月、
その体験が、ひときわ加速したように思います。
そして、四月も、あと二日で終わろうとしています。
断つのでもなく、
捨てるのでもなく、
ただ──
離すこと。
離れること。
それはきっと、
適度な空間(へだたり)を保つこと。
適度な時間(ま)を保つこと。
必要な場面で、
必要な距離感を保つこと。
ああ、言葉にすれば簡単だけれど──
私たちは、
近づき過ぎたり、離れ過ぎたりして、
多すぎたり、少なすぎたりして、
やがて、齟齬を生み、
破綻を招いてしまう。
……それもまた、経験。
……それもまた、学び。
時に、胸を刺すような痛みと、
時に、心を冷やすような寂しさと。
けれど、誰かがこう教えてくれました。
「離すこともまた、愛である。」
そう。
静かに、たおやかに──
今日も、リヒトの空の下で。
離れるのは、きっと、もっと好きになるため。
ちょうどいい距離で、ちょうどいい笑顔を。
「またね」と手を振るたび、心は近くなる。