一冊の文庫本と。
地方ロケに。
旅の道連れは一冊の文庫本。
昭和31年刊行、今はなき女流作家の大ベストセラーとなった作品。
私が読んだのは、記憶を辿れば、多分、大学一年の頃だったよう。
昔、むかしのこと。
思えば、小説はこの頃が最後。
以後は、人文科学系一辺倒の読書歴。
小説に心惹かれることはなくなった。
なのに、なぜ、今?
私、物書き業で、ミリオンセラーの作家と言うことになっているけれど。
作家とは、やはり、小説家を指すのだと。
えっ、ひでこさん、小説家に転身したいの?
いえ、そうではなくて。
プロ野球選手、プロゴルファーがフォームの改造に取り組むが如く。
文体の改造に取り組んでみようか、と。
なぜなら、私。
情景描写や心象風景を綴るのが不得手。
残念ながら、ね。