『捨てる。』考 断捨離やましたひでこ
おはようございます。
断捨離のやましたひでこです。
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捨てる。
どうやら、この「捨てる」ということを、多くの人が勘違いしているようだ。
そう、今もって。
捨ててはならない。
捨てるなんてとんでもない。
捨てることなどあってはならない。
しかも、これら「捨てる」ことへの否定的な思い込みは、思い込みであるがゆえに、私たちを無意識に縛り上げる、見えない縄になっている。
要するに「捨てる」ことへの強い抵抗感、根深い罪悪感が、自分の人生にどれだけの圧迫と閉塞と停滞を招いているかということに気づいていない。
捨てる対象が、モノであれ、情報であれ、人であれ、捨てずに持ち続け、囚われ続け、抱え込み続けることが、生活を圧迫し、仕事に支障をきたし、人間関係に齟齬をもたらすことに気づいていない。
そもそも、なにもかも持ち続けることが、空間的にも時間的に不可能であることは自明であるにもかかわらず、そこに思考が及ばないのは何故なのか。
その謎を前にして立ちすくむことがある。それはもちろん、私自身に対しても。
一度手にしたモノは、どうにかして取っておこうとして収納空間に詰め込む。
一度得た情報は、いつまで保存しておこうとしてデータ空間に放り込む。
一度縁を持った人を、なんとかしてつなぎ止めようと未練を心にしまい込む。
それら持ち続けることへの腐心は、言うまでもなく、多くの非生産的な労力を伴い、また文字通り、心を痛め悩むことでもある。
けれど、私たちはいつの間にか、詰め込んだモノたちの存在を忘れ、保存した情報も活用することなく、未練を感じた人の記憶も遠のいていく。
そして、忘れているにもかかわらず、活用することもないにもかかわらず、記憶が遠のいたにもかかわらず、相変わらず、それらを溜め込んだまま放置を続ける。
そうか、忘却へと追いやったのであるならば、それらを溜め込んだままにしていることさえ忘れているに違いない。
捨てる。
捨てるとは、否定することでもなく。
捨てるとは、失うことでもなく。
捨てるとは、新たなモノ、新たな情報、新たな人、この時、この空間での最適な出逢いを促すための環境設定に他ならず。
捨てるとは、無用と成り果てた諸々の呪縛から自分を脱出させるプログラム。
捨てるとは、圧迫、閉塞、停滞から自分を解放していくプロセス。
ならば、あえてこう申し上げておこうか。
私たち人間は、捨てないと生き残れない。
捨てることこそ、生きていくこと、だと。
やましたひでこ
<yahoo!ニュース JAPAN やましたひでこ>
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