不活性エネルギーという住まいの病巣
おはようございます。
断捨離のやましたひでこです。
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病巣
病根
病魔
またも冒頭からこんな「負の言葉」を並べるのには、やはり訳がある。とても残念なことではあるけれど、事態は非常に深刻化していると言わざるを得ないから。
かつての収納ブーム、そして、今もって支持されている整理収納術。これらが効果的に機能するのは、モノの「散らかり」に対してである。つまり、モノが「散らかっている」程度であるならば、収納術は私たちの暮らしに大いに有効なすべだといえる。
けれど、この数ヶ月、とあるテレビ番組の取材で一般の個人宅を訪問する機会が増え、以前にも増して考えさせられることはこれに尽きる。
どの家庭も、収納術を駆使して片づくレベルの問題ではない。
どの住まいにも、余計なモノの堆積という「病巣」がある。
という事実。
それは、その住空間が病んでいるということにとどまらず、当然ながら、そこで日常生活を営む住人である家族が、身体も心も病んだ状態にあるということ。
15年前、かつて私の元にやって来た「片づかない悩み」を抱えた多くの主婦たち。彼女等は、上手くいかない片づけに毎日「イライラ」を募らせていた。同時に、主婦である自分を肯定することができずに不全感をも心の隅に持っていた。揚げ句、不機嫌を知らず撒き散らすように、夫や子供への愚痴や不満をよく並べていたもの。
ところが今は、そんなイライラや不機嫌を通り越して、片づけられない自分を責めながら気力体力を萎えさせ消耗させて、「ウツウツ」な気分を溜め込んでいる主婦たちがいっぱい。手に負えなくなった大量のモノたちを前にして、彼女等は「あきらめ」という泥沼にはまっているのです。
誰であれ、家族の一員が鬱々とした状態にあれば、その家庭は淀んだ空気感が支配する。鬱積した空気は「見えない負のエネルギー」として、そこに暮らす家族を静かに蝕んでいく。
そう、誰か家族ひとりのイライラの爆発ならば、周囲はやり過ごすこともできる。また、一時しのぎであるにせよ、その場から離れて沈静化を待つという対応も可能。けれど、住まいに蔓延した「見えない負のエネルギー」に家族全員が取り込まれているとしたら、対応も対策も取りようがない。なぜなら、本人たちが症状を自覚していないのだから。
自分と家族が始末をつけることなく、溜め込み続けている余計なモノたち。あるいは、片づけた気になって、実は天井裏や床下収納に押し込んだだけの要らないモノたち。
それら大量の余計なモノたち、それら不要なモノたちが発する「不活性エネルギー」が漂う住空間。そんな空間に毎日浸りきっていて、どうやって自分を癒し、どうやって自分を元気づけることができるのだろう。
しかも、不活性エネルギーという病巣は、納戸、天井裏、床下収納だけではなく、小さな引き出しや目の前にある棚やテーブルの上まで、その「病根」をいっぱいに広げているのです。
鬱々とした気持ちのもととなる余計なモノたちは、ただちに取り除かなくてはならない。
鬱々とした状態に自分を追い込む不要なモノたちの堆積は、ただちに解消させなくてはならない。
収納だの、片づけだのを云々する、そんな時間の余裕はもはやないのです。
それらが病魔となって自分と家族を襲って来る前に、ただちに断捨離する必要があるのです。
やましたひでこ
<yahoo!ニュース JAPAN>
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