大雪は人びとを優しくする。
おはようございます。
やましたひでこ/
断捨離のやましたひでこです。
機内から激しく降る雪を見る。
40年近く北陸で暮らしてきたから、
大雪の大変さは幾度も経験している。
けれど、この数年の冬は東京暮らし、
雪とは縁がなかったのだけれど。
昨日は、すっかりそれにはハマってしまいまして。
東京に戻る飛行機。
羽田空港上空航空路混雑のため出発が30分遅れるとのアナウンス。
あら、雪で遅れるのではないよう。
けれど、この30分がそれからの大幅な遅延につながることに。
雪とは降り出すと30分でも恐ろしいことになる。
その30分の間に機体に雪が積もり、
乗り込んだ機内で、その雪を取り除くのを待つこと1時間。
その1時間の間に滑走路は積雪でクローズ。
除雪には2時間かかるという。
ロビーで除雪後の運行再開を待つか、
それとも新幹線に乗り換えるか、
いっそ明日にするか。
さあて、どうする、ひでこさん?
そうだね、このまま雪が降り続けば、
滑走路の除雪は2時間ではすまないかもしれない。
明日は他の交通機関ももっと乱れる可能性が高い。
そう判断して私は駅に。
ところが、タクシーが出払っていてなかなか来ない。
やっと来た1台に、私と同じ選択をしたビジネスマンらしき男性の申し出。
「駅まで、ご一緒させてもらえませんか?」
ああ、もちろんですとも。
次のタクシーはいつ来るかもわからないのだから。
そこで、私は声を上げた。
「あと二人乗れますよ。駅に向かう方はどうぞご一緒に」
すぐさま、手が上がり皆で同乗して駅へ。
知らない人たちと、一緒にタクシーに乗るなんて。
普段なら絶対にありえない。
大雪がそうさせるのだ。
そして、なんと2,000円近くするタクシー代を、
そのビジネスマンさんが払って下さる。
私、自分で支払う気でいたのに。
ありがとうございます。
駅に着いて、北陸新幹線始発駅「金沢」にむかう普通列車に。
わずか2両のローカル線、久しぶりだね、こんな列車に乗るのも。
地元の高校生で少し混雑している。
そこに大きなスーツケースを抱えたインド人らしい褐色の男性が。
私と同じ新幹線乗り換え組のよう。
うまく乗り継ぎができるか心許ない様子。
思わず声をかけようとしたら、向かいに座っていたビジネスマン二人<こちらも同様の乗り換え組>が、彼にブロークン英語で丁寧に説明しだした。
後どれだけで金沢駅に着くか。
新幹線への乗り換え時間は10分ほどあるとか。
そして、最後は乗り換えホームまでさりげなく案内していった。
そうだね、大雪は人びとを優しくする。
私も、今までどれだけ助けてもらったかわからない。
雪にはまった自動車を押してもらったことは何度もある。
私が押したことも。
もちろん、すべて見知らぬ人。
たまたま、そこに通りかかった人。
さあて、めったに乗る事のない北陸新幹線「かがやき号」にのってほっと一息。
これで、夜の11時までには我が根城マンションに辿りつける。
当初の予定より6時間遅れだけど。
車内でサービスされた北陸の地酒吟醸酒を飲んで、
あとは寝るだけの私に。
それにしても、北陸のお酒のなんと美味しいことよ。
おのころ心平/共著
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