「私はガンなのだ、死ぬ時も生きる時も」 関本一美 | やましたひでこオフィシャルブログ「断捨離®」Powered by Ameba

「私はガンなのだ、死ぬ時も生きる時も」 関本一美

ごきげんさまです、断捨離のぽん♪です。


「私は 死ぬ時は ガンなのだ
私は 生きている時も ガンなのだ
人間は与わりだから それぞれの役割を担って 
人生を進んでいかねばなりません
役割をこなしましょう」~関本一美


こんな言葉を遺して、一美さんは逝った。
この夏の暑かった暑かった日に。

そして、寒波来襲の凍てつく夜、
漸くにして、ご霊前にお花を持って伺うことができた。

一美さん、遅くなりましたね、ごめんなさい。
でも、少しは落ち着かれたご様子のご主人や二人のお嬢さんと、
沢山たくさん、あなたのお話ができましたよ、泣いたり笑ったりしながら。

病室にも、お見舞客が絶えなかったですよね。
それは、お見舞いというより、まるで誰もかれもが、
一美さんに、励まして貰いに訪問しているかのようでもあり。

病気ではあったけれど、病人ではなかったのですね、一美さんは。
だから、病気ではないけれど、心に疲れを溜め込んだ人達が、
一美さんを見舞うと、不思議に元気を取り戻して行くのです。


暑かった今年の夏、日経MJの記者さんが、断捨離の取材に我が家に。
その時、受講生さんのひとりとして、取材に同席してくれた一美さん。

スキルス癌でありながら、体調の良い時には、せっせと断捨離に勤しんで。

幸い、この日は体調も良く、気分転換にもなるからと、
入院先の病院から、同じ受講生仲間の清水まゆ美さんにサポートを受け、
車いすでやって来てくれました。

元気いっぱいで、本当に進行癌なのかしらと、日経の記者さん、カメラマンさんも疑うほど。
もちろん、最悪の病状を知っている私たちも、ずっとずっと、このまんま、
一美さんとの愉しい時間が続くような気持ちに。




2010年9月15日付日経MJ 奥の女性が一美さん。

それが、8月2日のこと。
そして、翌々週の8月15日、一美さんは、静かに息を引き取ります。
まゆ美さんから、訃報を受けた時は、長期の東京出張中。
葬儀への参列も、ご霊前への御焼香も、かなわなくて。

一美さんが、スキルスの胃がんと診断されたのが4年前、
断捨離を知って実践し始めたのが2年前。
当初、余命半年と宣告されながら、抗がん剤治療と幾度かの手術の合間に。

治療の苦しさや激しい痛みは、決して、見せもせず、口にもせず。
けれど、体調が良い時でも、口から固形物を食べること、
直腸からの排泄は、時としてとても困難だったよう。

食べ物を、当たり前のように、噛んで呑み込めること、
当たり前のようにトイレで排泄できることが、
どんなに有難く幸せなことかと、いつもいつも、語っていたと。
だから、病院から家に戻ると、トイレをそれは丁寧に磨いていたと。

ご家族に、そんな話を伺いながら、一美さんを偲ぶ夜となりました。


最後に。

新著「断捨離 日々是ごきげんに生きる知恵」は、一美さんに捧げました。
その献辞を、ここにも記させていただきますね。

末期のスキルス癌でありながら
激しい痛みとありながら
あなたは つねに周囲を
ごきげんに包みこんでいた

果敢に生き 淡々と受け入れた死
一美さん あなたこそ 究極の断捨離の姿そのもの




一美さんのご主人とまゆ美さんと。
まゆ美さんは、「聞き書き」ボランティアとして、一美さんの言葉を本にまとめています。
ご主人は、一美さんが、とても気にかけていた実家のご両親宅の断捨離を、
引き受けてくれています。