断捨離とは、もてなし | やましたひでこオフィシャルブログ「断捨離®」Powered by Ameba

断捨離とは、もてなし

思えば、素敵な機会と仲間と時間とともに、
韓国の方々とのご縁が繋がっていきます。

昨年の五月の連休のこと。
我が家に、穏やかで知的な韓国紳士がご来訪。

もともとは、気の置けない仲間同士の集まりの予定。
その仲間の恩師であるこの紳士に、
よろしければ、ご一緒に日本の田舎での休日を愉しまれませんかと、
お誘いしました。
すると、忙しい最中、私たちの招待を受けてくださったのです。

この紳士との出逢いこそ僥倖であり、
今、『断捨離』が、韓国で刊行されるという、
私にとって、思いもよらない出来事をもたらしてくれたのです。

この穏やかな紳士こそが、『断捨離』を韓国語に翻訳して下さった
韓国中央大学校・文科大学・日語日文学科教授・朴銓烈先生です。

朴教授は、日本文化研究の第一人者。

けれど、私たちは、そんなことはまるで存じ上げず、
日本の一般家庭に滞在した経験がないという韓国の方を、
ただ、おもてなししようと、愉しんでいただこうと、お迎えしたのです。

しかも、失礼を顧みず、朴教授を、
うっしー先生と愛称まで付けてお呼びしたりと。

そして、それは、心浮き立つばかりのうっしー先生とのふれあい。
深夜まで、食べて、飲んで、語りあかして・・・

日本人でありながら、日本人であるからこそ、気づかない視点の変化を、
うっしー先生は高い洞察力で、様々に促してくださいました。

私たちにとって、それは貴重な経験という以上に、
実は、普段ではありえない機会を頂戴したのです。
なぜなら、こんなにも密度の濃い講義を、間近に、
僅か4人の仲間たちで独占したのですから。

食事や宿泊のほんのささやかな提供が、
何百倍もの気づきとなって、私たちのもとに返ってきたのです。

また、今年の2月には、この時の同じ仲間とともに、ソウルを訪問。
朴教授のみならず、同じく日本文化を真摯に学ぶ方々から、
友情溢れる熱い歓待を受け、韓国流のもてなしを、
しっかりと心に刻むことができました。

これもまた、想像をはるかに超えた愉しく
感動いっぱいの出来事であったことは、
言うまでもないですね。

「断捨離」とは、もてなし。

まずは、住空間を整えて。
それは、モノと向き合い、
モノを選び抜いていくプロセスから始まります。

厳選されたモノと空間とで、
まずは、自分をもてなすことを意図的にしていく行為。

誰だって、大切な友人をお招きするとき、家を片づけ、
気の利いた器で、美味しいお茶を用意しようとするでしょう。

断捨離は、それを、自分で自分に提供していくこと。
そう、断捨離とは、自らが、自らをもてなしていくこと。
自分で、自分を愉しませ、喜ばせていくこと。

そして、その「ごきげん」の輪が、家族、友人、地域へと、
自然と広がっていくのです。

うっしー先生への小さなおもてなしが、
今、こうして、韓国の方々へと、書籍となって繋がる。

もちろん、その時は、考えも思いもしないこと。
けれど、間違いなく、今、起きていること。

断捨離の始めは、小さな一歩ではあるけれど、
ただ、モノをとおして自分と向き合うという
シンプルな行為ではあるけれど、
そこからもたらされるであろう世界は、
たとえようもなく深く、広く、高いのです。

どうぞ、一人ひとりが、それぞれに、この断捨離の醍醐味を、
愉しんでいただければと、思わずにいられません。