こんにちは。
カナ・ラボの古澤貴子.です。
昨日は雛祭り。
雛人形を飾りました。
20歳の時に、浅草の助六で一目惚れした雛人形です。
希望をのせて、仲良く寄り添わせてみました(笑)
狭い家でも飾れます。
一寸法師サイズですから。
今日も飾ったままですので…当分嫁には行けそうにありません。
さて、断捨離の自宅サポートに伺うと
処分に困っている物の一つに雛人形があります。
収納にかなりの場所をとる。
だんだん飾るのも片付けも面倒に。
かといって、親の気持ちを考えると安易に処分するわけにもいかない。
場合によっては、政治的に(義父母からのギフト、代々受け継がれてきた…等々)捨てられない。
・・・悩み処満載です。
人それぞれ環境や雛人形との関係性も違いますから
単に処分すれば良いというものではありませんね。
ただ、子供の成長など、時の流れと共に環境も関係性も変化しますから
雛祭りは、あらためて問い直す良い機会かと思います。
ところで、毎年2月初旬~3月4日まで
麻布十番にある国際文化会には
それはそれは素敵な雛人形が展示されます。
娘が日本を離れてからは、
雛祭りを愉しむこともなくなりましたが、
この雛人形に出逢ってから
毎年、雛祭りがとても愉しみになりました。
※写真かなり下手です。
この雛人形は、江戸明和年間より続く
京都の老舗「丸平大木人形店」が
昭和初期に手がけたという貴重な芸術作品。
小さな漆器類のひとつひとつ、
繊細な柄がほどこされ、
重厚感が江戸文化を感じさせる、
それはそれは見事な雛人形です。
ふっくらと、なんとも愛嬌のある顔立ち、
躍動感あふれ、今にも踊り出しそうな人形たち。
観ていると楽しそうな御囃子が聞こえてくるような・・・
思わず笑みがこぼれてしまいます。
この雛人形が展示されるようになったストーリーがまた素敵です。
実はこの雛人形は、ここを定宿にされていたある老夫婦が所持されていたもの。
ご自身で飾るのが大変になってきた頃に国際文化会館に寄贈されました。
江戸時代から受け継がれてきた、とても歴史ある立派なものなので
国際文化会館としては「とても頂くわけにはまいりません」とお断りされたとのこと。
ところが、そのご夫婦は
「ここに展示していただけたら
沢山の方に観て楽しんで頂け
私たちも毎年ここを訪れる愉しみができますから」と。
ご夫婦の気持ちを有り難く受け取られ、
それから毎年2月上旬~3月4日まで
ロビーに展示されるようになりました。
もしご夫婦が
「文化的価値の高い、高価な雛人形」だからと
ご自宅の倉庫で保管していたら
多くの人を感動させることもなく
また、お蔵入りして出番がない人形たちも
幸せであったかどうか。
高い視点で、広い視野を持って
物事を捉えるということは、
このようなことですね。
そんなことを考えながら、
今年もひとり、特別な雛祭りを味わいました。
素敵なご夫婦を想像と豊かな江戸文化に思いを馳せながら。
最後まで、ご覧いただきありがとうございます。