明治維新以来、まさに負け知らずの日本海軍が起した組織の制度疲労は、極めて深刻なものになっていたように思います。
これは、苦労して列強の仲間入りをしたその歴史の上に、苦労をせずに胡坐をかき始めた世代から顕著に現れ、中でも海軍大学の卒業の序列がその後の出世ばかりでなく、局地戦の司令官人事をも99%決定すると言う驚くべき人事制度にも現れていました。
このような悪弊はミッドウェー海戦の際に最初に現れ、ミッドウェーの生き残りの将兵を呉海軍病院に軟禁し事実が外に漏れないようにするという、海軍の隠蔽体質がまともに現れ、教訓が次の戦闘に生かされるチャンスを失いました。
また、台湾沖航空戦の際には、アメリカ海軍の空母や戦艦を20隻以上も撃沈したと言う虚偽の海軍大本営発表を行い、陸軍の作戦をも誤らせるという異常なほどの隠蔽体質を見せています。
日本海海戦において世界の海軍の常識にパラダイムシフトを起した日本海軍。
世界初の正規空母を就航させた日本海軍。
空母の集中運用による航空機の可能性を世界で初めて証明した日本海軍。
このような栄光すら一瞬で壊してしまうようなこの恥ずかし い歴史は、日本海軍を愛するがゆえに見えてしまうものとはいえ、やはり寂しい気がします。