そして翌朝・・・。


「おはようございまーす、智!・・・あの、この前はノリでやるって言っちゃったんですけど、実際は何をするんですかっ?」

「だから昨日言ったじゃーん!」

「なんとなくしかわかんなかったですぅ。」

「もう、だぁーかぁーらぁー・・・」

「テメーうぜぇんだよ!消えろよ!」


突然の罵声に二人は驚いた。

「えっ!?今のって誰・・・?」

「あそこじゃないですか?女の子達がいる!」


「金、今日までって言ったよね?」

「・・・すいません・・・。」

「ふん!全く使えないんだから!ばぁーか!!」

そこには数人の怖いギャルと一人の冴えないメガネ娘がいた。


「ねぇ、あれって私立馬場抜高校(ばばぬきこうこう)の制服ですよね?」

「うん、頭良い学校だ。」


「うちらぁ、やさしいからぁー明日まで待ってあげるぅー。」

「明日までにはもってこいよな☆勿論利子付きでw」

「じゃぁねぇーん。」

それだけ言うと怖いギャル達は去っていった。

「はぁー、やっと終わった・・・。」

メガネ娘が呟く。


「な・・・なんかやばい感じです・・!見つからないように走りましょう!」

「だね!・・・っておいっ!!うわーくろは超早い・・・。」


「我が家に伝わるこの手裏剣、まだ使ってはならぬな。」

「・・・?え、何あれ?」

「は!何奴!!?」

「きゃっバレた!」

「お主、何者だ・・・?」

「な、なんでもないです!何も見てないです!」

「本当か?」

「本当です!」


両者の間に気まずい空気が流れた。

するとその時、犬が飛び出してきた。


「犬か、こっちへおいで。」

犬がその女の子へすり寄い、顔をなめる。すると少女のメガネが落ちた。

「あっ!」

メガネを落とした忍の顔を見て、智は驚いた。

「わぁっ美人・・・!!」

「そっそんなことなどないっ!」

突然現れた美しい元メガネ娘は俯き赤くなった。

「それより早く学校へ行ったらどうだ!?」

「あ、うん。そうだね・・・そうだ!あなたお名前は?私は星 智!」

「大夜・・・忍(だいや しのぶ)」

「忍さんか!私達、友達になろう?」

「友達・・・!」


その時、忍の心が温かくなった。

友達、いつも学校にはいじめっこの怖いギャルしかいなく、

ひとりっこの忍にはいっしょに遊ぶ子供もいなかった。

実は由緒ある忍者の家系の後継者である忍には、そんなものは必要ないはずだった。

しかし、今初めて友達ができた。


「・・・よろしく!」

「うん!」

二人が握手を交わしたその時、先ほどの犬が巨大化し、暴れ出した。


「何あれ?!(まさか、ナイトナイトナイトメイヤー?忍さんが危ない!)」

「伏せておれ!」

「しのぶさん!?」

忍が手裏剣をかまえた、その時・・・


☆★☆ピカー★☆★


「なんだ!?この光・・・!」

「まさかっ!?あなたも!呪文を唱えて!」


「ダ*イ*ヤ*モ*ン*ド*トゥ*シャイニー*」


忍が変身した。

忍の一撃により、犬は倒され元の姿に戻った。

そこへハバネロが現れる。


「まさか、また新しい仲間なのか!?しかし、次こそは・・・!」

ハバネロは立ち去っていった。

すると入れ違いのようにハートマンが現れた。


「君が新しい仲間か、がんばってくれたまえ!」

「忍さんがいなかったらどうなってたかわからないんだからね!」

「いや、私は何も・・・。」

「ありがとう!忍さんっv」

忍が赤くなり、また俯いた。

「べっ別に大したことはしていないっ!」


その時、聞き覚えのある声が響いた。

「智ー!!」


「くろは?」

くろはが走ってくる。その後ろにはなぜか壱が付いてきている。


(どうして二人が・・・?何、何なのこの気持ち・・・!)




つづく

「ふぁ~ぁ。昨日は大変だったなぁ・・・。それにしても、コンスターチって具体的になんなんだろう?」

「おはよぅっ☆智ー!」

「あ、おはようくろは!」

智に話しかけてきたのは大親友の三葉くろは。


「早くいかないと遅刻になっちゃいますよぉー。」

「待ってってばーくろは!」

じゃれあいつつ駆け出そうとしたとき・・・ドン!

「きゃぁ!」

星智が何かにぶつかった。

「あいたた・・・。」

「ごめんね!大丈夫だった!?」

「あ、大丈夫です・・・。」


見上げた智は驚いた。

そこには驚くほどかっこいい男の人が立っていた。

「君、うちの学校の子?」

「いえ・・・女子高ですけど・・・。」

「あ、ごめんごめん。波斗学院(ハート学院)の子だよね。俺、ハト学の院長の息子なんだ。」

「えっ!?学院長先生の・・・?」

「波斗 壱(ハート イチ) っていうんだ。」

「そうなんですか。すみません、私・・・。」

「気にしないで☆僕が悪かったんだから。一緒に行ってもいいかい?友達も行っちゃったみたいだし・・・。」

「えっ・・・あー!くろはの奴ぅ・・・。」

「ははは。仲良しなんだね!」


智はこっそり先に行ったくろはに感謝をしつつ、イケメンの壱との登校デートを楽しんだ。

一方・・・。


「正体を現しなさい!コンスターチ!!」

「わ、わたし・・・コンスターチなんて知らないわ!」


その張本人、くろはは襲われていた。



教室の前にて壱と別れた智は、教室にくろはがいないのに気がついた。

「おかしい・・・先に行ったはずなのに・・・。」

そう思ったとき、コンパクトが突然光り出した。

「・・・!?」

「コンスターチ!」

「・・・ハートマン!」

「ナイトナイトナイトメイヤーが出た!どうやら生徒が一人、巻き込まれているようだ。」

「くろは!?」



(どうしようどうしよう・・・!くろは、は大切な友達なのに・・・何かあったら!!)

「あそこだ!コンスターチ!!」

ハートマンの指差した場所にはくろはと一人の少女がいた。

「な・・・なに!・あの露出のやたら激しい女の子は・・・?」

「おそらく敵だ!」


「早く吐いたほうが楽よ?コンスターチ。そのコンパクトはどうしたの!?」

「これは・・・昨日ゲームセンターで・・・」

「それでナイトナイトナイトメイヤーの刺客を倒したと言うのは全て伝わっているのよ!?しらばっくれないで!」

「そんな・・・」

その時、突然くろはの持っていたコンパクトが光り出した。


「・・・!?もしかして・・・くろは!?」

「うむ。あのこは・・・。」


くろはが光に包まれる。

「ク*ロ*ー*バ*ー*イズ*ウィーッシュ*」


くろはが変身をした。


「くろはも戦士だったのね。よし私も!!」


「智!?」

「あなたも戦死、トランプの一員なのね。供に敵を倒しましょう!」

「う、うん!」


「逃げられないわよ!!」

「ちっ・・・2人になるなんて・・・今日は引き下がるとするわ。でも、この次はこうはいかない。私の名を覚えておきなさい。」


「私の名は、ハバネロ!」


そういうとハバネロは去っていった。

「・・・ハバネロ。」


「と、とにかく!くろはが無事でよかったぁ☆」

「ありがとう・・・智・・・来てくれて嬉しかったです。」

「そんなの、当たり前だよ!これからもがんばろうね!」

「うん!」



そんな二人を見守りながら、ハートマンはなんとも言えない視線でくろはのことをみつめていた・・・。



つづく




ある晴れた日、星智は走っていた。

「寝坊しちゃったぁー!これじゃ遅刻遅刻ぅ!!」

ところが途中で何かにつまづいた。

「あれ?何これ・・・キレーなコンパクト・・・落し物かな?って!時間ーー!!」


キーンコーンカーンコーン


「智おはよ!またぎりぎりだったねぇ」

「えへへ・・・星を見てたら寝坊しちゃって・・・。」

「そうだと思った☆」


友人のエリスとそんな他愛もない会話をしていたとき、突然大きな地震に襲われた。


「きゃっ・・・な、なに!?」

「窓の外に何かいる・・・!」


そういうとエリスは窓に近づいていった。


「駄目!エリス!!危ないよ!!!」


星智が叫んだときには、もう遅かった。

窓ガラスが割れて巨大な化け物が教室へ入ってきた。

エリスは何処か打ったのか倒れてしまっている。


「エリス!!!」


星智が駆け寄ろうとした瞬間・・・


★☆★ピカー☆★☆


突然ハートの頭部をした謎の男が現れた。

しかも星智とその男以外の時は止まっているようだ。

「あなたは誰!?」

「私はハートマン。君はコンスターチ。」

「わ、私は星智よ!」

「いいや、君は撰ばれし戦士なのだ!さぁ、そのコンパクトを開いて!!」

「このコンパクトは私のじゃないの・・・」

「いや、君は撰ばれたんだ。そのコンパクトに!」

「え?それってどういう・・・」


星智が聞き返そうとしたとき、コンパクトが自ら開いた。


(何故・・・?でも・・・呪文が浮かぶ・・・どうしたんだろうわたし・・・!)


「コ*ン*ス*タ*-*チ*オブ*ハート**」


「やはり・・・コンパクトに狂いはなかった・・・!さぁ、いけ!コンスターチ!!」


「なんだかよくわからないけど戦うわ。

学校をこんなにした罰よッ!“キャンフィールドアターック”」


「ぐわぁぁぁぁぁ」


「やった!」


星智の強烈な一撃により敵は倒れた。


「ハートマン、さん?あなたは何者?そして私も・・・。」

「今、地球は、いや宇宙は危機にさらされている・・・。

       中略(詳しくはプロローグにて)

だから、助けてほしい。力を貸してほしいんだ!」


「わかった。だいすきな星のためだもの!私、頑張るわ!!」


そう笑顔で返事をした星智を見て、ハートマンは目に涙をためてお礼を言った。


「ありがとう、コンスターチ!」




つづく