デンマーク・ハンドボール観察日記 -2ページ目

ハンドボールファン10年史

200931日に初めてハンドボール生観戦してからほぼ10年たった。

生観戦した試合数は約100。観戦地は24か所。ざっと振り返ってみたい。

  

2009

31日の生観戦を皮切りに、FCKの試合をよく観にいくようになる。

DMのバスツアーでKoldingまで決勝戦を観に行く。

   

2010

1月にヨーロッパ選手権前の練習試合で初めてデンマーク代表チームを目の当たりにする。

ヨーロッパ選手権の最中にGOGが倒産。

2月くらいからRene Toftに夢中になりだす。Rene Toftみたさにいろんなところに観戦しにいく。

6月、予選の生観戦で、初めてデンマーク代表チームのシリアスな試合を観る。

FCKが吸収合併され、かわりにAGがリーグにあがったのと同時に巨大クラブになり、お目当てのRene Toftも入団したことから年間カードを買う。しかし、会場が二転三転し翻弄される。

   

2011

世界選手権の前に日本の練習試合をヘルシングアまで観に行く。

スウェーデン開催ということで、ノアショーピンに一度、マルメに2度観戦しに行った。デンマークはチームが一新したが、順調に勝ち進み、決勝戦進出。しかしかろうじて延長戦にもつれこませたが、あえなく敗退。

2月ついにRene Toftとのツーショット写真がとれる。

5月、オルボーに行くついでに友達を拉致してハンドボール観戦

5月、AGはパーケンでデンマークメスターの決勝戦を行うというセンセーショナルな試合を行い、結果圧倒的勝利で優勝。

8月に、日本代表選手たちのデンマーク遠征の追っかけをし、おにぎりの差し入れをしたことから縁ができ、食事会にも招待され、ホーセンスまで行く。なぜか監督陣のところに座ることになり、目の前には元ハンドボール選手Lars Rasmussenが。なんでも、コーディネートしているデンマーク人の友人だそうで招待されたそう。初めてテレビ観戦した2008年のヨーロッパ選手権でも代表選手として出ていたひとなので思いがけない対面にドキドキ。

  

2012

ヨーロッパ選手権前の練習試合を観にヘアニングまで行くが、帰りにパンクするというハプニングに遭遇。二次リーグで二敗したにもかかわらず、奇跡的に準決勝に進出した挙句優勝。市庁舎まで祝賀会に行き、ブログだけでつながっていた子と会い、以来友達になる。

3月、ノアシェラン対AGの試合を観にいき、ノアシェランがセンセーショナルな勝利をするというエキサイティングな試合となった。

チャンピオンスリーグで4位という快挙を果たしながら、7月にAG倒産。選手がちりじりになり、一部はKoldingに入る。

8月に門山さんがノアシェランに入り、ちょくちょく観にいったり、交流がはじまる。

  

2013

世界選手権で決勝まで進み、我が家でタパス会と称して友達を招待して一緒に観戦したが、最初から最後までウンともスンともいわない展開のボロ負けに、用意していたシャンパンはやけ酒用に。

門山さんは日本に帰ることに。

9月、初めてKoldingのVIP観戦。元ハンドボール選手、Lars Kroghのホストでわざわざ出迎えてくださり、シャンパンのウエルカムドリンクもあってドキドキ。

11月、初めてドイツリーグの生観戦しにフレンスブルグへ。車で国境越えたのも初めて大興奮。もちろんドイツリーグ観戦も感激した。

    

2014

ヨーロッパ選手権の生観戦。門山さんとの再会。準決勝まで完璧だったが、決勝では完璧なフランスにまったく歯が立たず。そのまま帰ろうと思ったが、メダル授賞式なんてみたことなかったし、今後もいつみれるかわからないので、最後まで居残った。しかしこの大会で、スペイン人選手Joan Canellasに夢中になる。

     

2015

4月にキールまで生観戦しに行く。 CanellasRene ToftDuvnjakという豪華メンバーに鼻血が出そうに。。

6月に予選を観に行く。

10月に友達とチャンピオンリーグ戦をみにいき、そのとき選手ととった写真を別の友達が加工してFBにポストしたことで大反響に。

12月VIP観戦。

    

2016

2月に3人で泊まりでフレンスブルグまで観戦しにいく。

8月のオリンピックで、デンマークは初めて優勝する。

金メダル獲得に気をよくして、10月に日帰りでスノボー経由でフレンスブルグに行く。下の駐車場にとめて歩いて会場に行き、試合終了後に無料シャトルバスに乗ったら、とんでもないところに行ってしまい、親切なおじさんに乗せてもらい駐車場の近くまで送ってもらう。

  

2017

世界選手権の最初のトーナメント戦で我が家で観戦会をひらいたが、対ハンガリーにあっさり敗北。最終順位は10位という低落。

11月にVIP観戦。しかし、なんかしょぼくなっている。しかし、このシーズンかぎりでKoldingBrødnbyでの試合を打ち切ったので、結果的にこれが最後のVIP観戦となった。

  

2018

タパスの会リベンジで対スペイン戦を自宅で観戦。スペインには勝ち、準決勝まで進んだが、そこで敗退してメダル獲得ならず。

5月、取材のお手伝いで、有名ハンドボール選手とお会いする機会に恵まれた。

11月、帰国前の日本人の子にみせるために、久しぶりにデンマークリーグの試合をヘルシングアまでみにいく。これが面白かったので、12月にHillerødまでまたみにいく。

  

2019

1月、日本とスペイン目当てにミュンヘンまで世界選手権を生観戦しにいく。その翌々日にヘアニングに日帰り観戦。デンマーク初の世界選手権優勝。

デンマーク、世界選手権初優勝

   

無事、デンマークは初の世界選手権金メダルを獲得した。

対ノルウェーだから、一次リーグでも勝っているし、可能性は高いかなと思いつつ、才能あふれる若手SagosenRødの二人に翻弄されるかな、という期待もあったが、エキサイティングだったのは序盤だけで、ほぼ終始デンマークが圧倒的な強さをみせ、後半は退屈な展開のまま、危なげなく圧勝した。

  

今回の大会でデンマークにあっと驚かされたのは、Henrik Toftが離脱していた上、Rene Toftが早々に負傷で脱退しても、案外ディフェンスが悪くなかったのと、Anders Zachariassenのポストバックとしての働きがすばらしく、そのToft兄弟不在が案外響かなかったのと、デンマークの長い課題、サウスポーバックの不在であるが、Nikolaj Øris Nielsenがやっとその座につくかと思いきや、終盤は結局ほぼ右利きバック3人でなんとかなっちゃったという。。ああ、サウスポーいらなかった?みたいな。

Mikkel Hansenの壁外からの絶妙ロングシュートに、Rasmus Laugeのカットインシュートという組み合わせに、さらにMorten Olsenの壁穴シュートというバリエーションも加わり、相手のディフェンスを崩した。

それになおかつ、Zachariassenの、「どういうパスでも受けてシュートしてやるぜ!!」という根性シュートがすばらしかった。その点Rene Toftはイマイチ(パスの受け方もシュートも)、どっちかというと、Jesper Nøddesboに系統でいえば似ているかもしれないが、Nøddesboはシュートそのものが絶妙なのに対し、Zachariassenはどんな体勢からでもシュートするというところがすごい。今日なんか、バックの姿勢のまま、後ろ向きにシュートしたときには、あまりの美しさに号泣してしまった。(ウソ)

   

Anders Zachariassen

バックシュート。どうしてこんな体勢でシュートできる?

   

はーーフレンスブルグでも長いこと活躍しているわりに、Toft兄弟のせいで代表チームでなかなか開花せず、かわいそうと思っていたけど、やっと活躍してうれしかった。またフレンスブルグに観戦しにいきたくなった。

それにもちろん、サイドプレーヤーが確実に決めることで攻めのバリエーションが広がり、相手にとってディフェンスが難しくなる。それこそ、2014年のフランスのように。あれも6人全員まったく異なる個性で打ってきたから、デンマークは全然守れなかった。もし、Mikkel Hansenだけだと、簡単に封じられてしまう。Laugeが不在のときはデンマークのオフェンスは本当にひどかった。

 

楽しい2週間だった。

1月の国際大会は、2014年に決勝に進んで以来、メダルとは無縁だったので久しぶりにデンマークが盛り上がってうれしかった。

またハンドボールファンになってちょうど10年たち、いい区切りになった。

今、10年間のハンドボール関連の出来事をまとめていて、生観戦した試合もすべてまとめたところ、今のところ練習試合も含めて92試合観戦したことになっている。正確かどうかはわからないが。

しかし、頻繁に行っていたのは実は最初の3年間で、2012年からは激減し、直近3年間は年に数回しか行ってなかった。まぁ、シェランで生観戦しにくくなったという事情もあるからだけど、去年の年末にまた地元色あふれるハンドボールの試合をみて楽しいと感じたのと、今回の大会での生観戦でまた観戦の楽しさを思い出したのとで、またぼちぼち行ってみようかな~と、思うようになった。少なくとも今シーズン中にフレンスブルグには行きたい。

来年のヨーロッパ選手権はスウェーデン・ノルウェー・オーストリアの共同開催で、マルメでもやるらしいからまたチケット買ってもいいし。いや、行ったことのないGöteborgやストックホルムに行くのも楽しいかも。

ともかく、10年史を別途あげようと思う。

夢中になって10年

そういえば、わたしがデンマークに夢中になりだしてちょうど10年たった。

 

こういう比較写真のいろんな選手バージョンがあるが、10年後に壁ね。。

というか、二人とも顔は変わらないかも。でも確かに、10年前ランディンは20歳にして初の大きな国際大会デビューを果たしたが、ほとんど試合には出なく、まだまだ危うい感じだった。代表に選ばれたのも批判されたほど。とはいえ、2年後の2011年にはすでにスウェーデン開催の世界選手権で第一キーパーとして活躍したのだが。

 

10年たって、ついにキターーーーと思ったのは、、、

 

部井久アダム勇樹選手(19歳)

 

ついに娘と同じ年齢の選手が。。。。

ミュンヘンに生観戦にいったときも、ミックスならではの顔立ちと194cmという長身からひときわ目立っていたけど、、若いせいか、粗削りな感は否めなかったが。

 

その名前も赤ちゃん。名前がRødだから。

Magnus Rød21歳ノルウェー人選手。娘とたった2歳違い。。ピチピチでいい選手。ちなみに、ノルウェー語では綴りは同じだけど、全然発音が違うのに(イルーアとか聞こえる。)、デンマーク人アナウンサーはそのままデンマーク語読みしていた。というか、デンマーク人があのノルウェー語読みするのは難易度が高いのかもしれない。。つい調べてみたら、スウェーデン語のrödと発音がほぼ同じであることが判明。デンマーク語のrødは、むしろドイツ語のrotに近い。

 

Paul Drux ドイツ人選手

23歳。ウソでしょ?こんなおっさんの23歳いるんか?なんか、腹がもうメタボってますけど。。

あ、Henrik Møllgaard20歳くらいからおっさんだったわ。Møllgaard10年前の比較写真もアップされていたけど、、ほぼ変化なし。

 

わたしがいる大学にもボチボチ娘くらいの子が入るようになったし、平成生まれがもう30歳だし、年号が変わったら、わたしらが小さいときに「明治生まれ」と言っていたように、「昭和生まれ」呼ばわりされることもわかってる、わかってはいるのだが、、

ついにハンドボールも娘世代が入るようになったかと思うと、、息子のような選手にきゃーかっこいいと騒ぐのもアレかな、、と。さみしいが。。

 

というわけで、デンマークはハラハラな展開になりながらも、二次リーグの最終戦対スウェーデン戦で無事勝利し一位でリーグを通過、準決勝戦に進出したが、なぜかフランスが最終戦で負けたので、相手はフランス。これは相当苦戦するぞーーと思っていたら、退屈なくらいにフランスが最初からウンともスンともいわない低落で、結果圧勝であった。

そして、デンマークが勝ったおかげで準決勝に進出したノルウェーはドイツ相手に相当苦戦を強いられると思っていたら、これも予想外の展開で、ハンブルグでの試合で圧倒的にドイツ観客がドミネートしている中、むしろノルウェーのほうが明らかに格上だった。ドイツは見苦しい、その一言に尽きる感じ。ノルウェー相手に苦し紛れに力でなんとか押さえつけようとする感じ。二分退場は頻発するし、見るに耐えない試合だった。

その中、これまた若くて才能あふれる23Sander Sagosenと、前述した21Magnus Rødの若々しい力が軸となってものすごくいいプレーであった。

 

で、決勝戦はデンマーク対ノルウェー。

初めての組み合わせである。というか、ノルウェーは2年前の世界選手権で決勝戦に進んでいるけど、決勝に進んだのは今までそれだけで、今回2度目である。

そしていずれも優勝したことはない。。デンマークはヨーロッパ選手権で優勝したことあるし、世界選手権でも決勝には3度進んでいるが、優勝したことはないのだ。。

オリンピックでさえ金メダルをとったことがあるから、世界選手権での優勝は悲願でもあるだろう。

一次リーグで対ノルウェー戦ではわりと危なげなく勝利できたが、はっきりいってノルウェーはいいチームである。決勝戦はかなり厳しくなるだろう。。お互い金メダルに飢えているだろうし。

あさってが楽しみだ。。