去年、映画国宝を見た。

 

実写邦画興行収入歴代1位と話題になった後に、

それならばと見に行った。

 

昼12時から無人のミニシアターで見た。

 

観客は他に一人二人いたかいなかったかくらいだったと思う。

 

ヤクザの抗争シーンから始まり、

一人の少年が自身の出自に苦悩しながら

人間国宝になっていくというストーリーだった。

 

私は台詞回しや言葉遣いが気になった。

 

特に、病に倒れた渡辺謙さんが、病床で演技指導をするシーンで、

指導に熱が入り声を荒げるシーンは、

その役は死ぬことを覚悟した女なんだぞ!そう言った演技をしろ!という意味で、

一言「死ね!」と怒鳴るところまでいくべきじゃないかと思った。

 

映画が終わった後少し消化不良気味だったので、

その後やっていた「日々と旅」をハシゴした。

 

映画の脚本家が執筆活動に行き詰まって旅に出るというストーリーで、

観客はやはり一人二人いたかいなかったかくらいだった。

 

その中で、主人公が脚本を書いた映画のシーンがあった。

 

その映画に出てくる河合優美さんは、

何か性的な言葉や行為があるわけではないのに

すごく色っぽく描かれていた。

 

見ながらドギマギしていると、

その映像を受けた佐野史郎さんが、

「エロティックと言いますか…」と

言葉を選ぶように批評していて、

その瞬間のふぅと息がつけた。

もっと観客がいたら、みんなでいきがつけたのだろうか。

 

決して派手な事件が起きたり、

感情表現がある訳ではなかったけれど、

とてもいい映画だった。

 

そんな感じで、

国宝より日々と旅の方が面白いと思っていたのだが、

これは私の逆張り精神がよくない働きをしたのではと思った。

 

世間では国宝フィーバーとも言える現象が起きているのに、

普段から映画館に通っている人間が、

「国宝、うーん」なんて水を差したりしてたら、

輪を乱す嫌なやつである。

鼻つまみ者である。

きっと数少ない友達もいなくなってしまうだろう。

 

そう思っていたら、キネマ旬報という雑誌の年間ベスト1位に「日々と旅」が選ばれていた。

キネマ旬報さん、友達減りますよ。