人類は紀元前の昔から、さまざまな感染症と戦ってきました。原因も治療も十分に確立されていなかった時代には、感染症のパンデミックは歴史を変えるほどの影響を及ぼしてきました。感染症をもたらす病原体や対処方法がわかってきたのは、19世紀後半になってからで、その後、感染症による死亡者は激減しました。しかし、1970年頃より、以前には知られてなかった新たな感染症が繰り返し出現し、新型コロナはその規模において突出しています。
近年のウイルス感染症は、開発と破壊、森林伐採などが急速に進む中で、そこに閉じ込められていたウイルスたちが、人間という新たな住みかを得て広がってきたという特徴があります。エボラ出血熱やMERSの発生も、人類によってかき乱された自然の生息地で、動物から人間にうつった事が引き金となりました。気候変動を起こしている開発とグローバル化にすごい勢いでウイルスが便乗して広がってきています。人類が新型コロナを押さえ込むことができても、原因の根本にある自然破壊や環境破壊をくい止めなければ、「次なるコロナ」がさらに強力な変異を遂げて出現してくるのは時間の問題といわれています。行きすぎた環境破壊により、「100万種類の動植物が絶滅の危機にある」「ミツバチが絶滅すれば、近く人類はその後を追うことになる」と昨年発表されたばかりで、今回の新型コロナウイルスです。生物多様性の危機を食い止め、温室効果ガスの3分の1以上を軽減し、災害を防ぎ、貧困の中に生きその生活を直接的に自然に依存する20億人以上の人々を守ることに成功しなければ人類を、子ども達の未来を救えないことを新型コロナは教えてくれています。資本の論理に屈せず、知恵を出し合って、今すぐ行動を起こすことが求められているなかで、自分になにができるかを真剣に考えなければと思っています。



