さっきのキス寸前までの
ドキドキムードもぶっ飛び、
私達は癒し動物の動画を観たり
くだらない話などして
ほのぼのとした時間を過ごした。
「次はチューハイにしよう」
「えええ?まだ呑むの?」
私は冷蔵庫の扉を開ける
ヤタベェの後ろに立ち、
広い背中に話しかける。
「そうだ、ヤタベェさ」
「んー、どしたの?」
チューハイは奥の方に入っているらしく
ゴソゴソと漁るヤタベェ。
「私とス力イプとかで話す時、
好きって言ってくれてたでしょ?」
「うん」
「それ、私を励ましてくれてると
思ってたのね、ずっと」
「えっ、そうなの!?」
冷蔵庫に手を突っ込んだまま
驚いて振り返るヤタベェの
その反応を見て
ああ
やっぱり違うんだ
好きって言ってくれた意味が
そう確信した。
「勘違いしてた、ごめんね」
ヤタベェは扉をゆっくりと閉めて
私と向き合い
「グレ子ちゃん…」
真剣な目で私を見る。
「私も好きよ」
「えっ?」
「私もヤタベェのこと、好き」
背伸びして、ヤタベェの頬に
いたずらっぽくキスをした。
目と目が合う。
「ああ、やっと気付いてくれた…」
ヤタベェは私を抱きしめ
チュッと軽くキスをした。
「……ずっと待ってた」
もう一度、唇が触れ
「好きだよ」
今度は
深い、深いキスをする。
「んっ……」
声が出てしまう
激しく絡み合う舌
抱きしめ合う力
もうお互いの気持ちは同じ
ヤタベェが私を
私がヤタベェを
求めている
ふわふわのベッドに
そっと寝かされ
覆い被さってくるヤタベェの
重さを感じた
「好きだよ、ずっと好きだった」
「嬉しい……」
再び絡み合った熱い舌は
やがて私の首筋に
鎖骨に
繋ぎあった手は
やがてブラウスのボタンに
膝が私の両足をこじ開け
隠すものがなくなった
肌と肌が重なる
私は これを
この感覚を求めていた
ヤタベェの胸に顔を埋めた時の
ぴたっとハマったような
吸われそうな
溶けてしまいそうな
あの不思議な感覚
今 それが より一層
暖かく 強く 深く
私の全身を包みこむ
肌が合うとは
こういうことなのだろう
「好きよ」
「好きだよ…」
ゆっくりと ゆっくりと
熱いものが
私の中枢の壁を広げていき
奥の奥まで届くと
「んはあっ……」
演技ではない
息と声が口から漏れてしまう
「痛くない?」
「ううん、気持ちいい…」
ゆっくりとした動きは
徐々に早くなり
激しく揺さぶられる私の体
ベッドが軋み
髪が乱れ
額に汗が滲む
愛おしい人に体を預け
好きなように
欲望のままに
いろんな方向から
めちゃくちゃに
頭が真っ白になり
トリップしそうなほど
押し寄せる
快楽と快感の波
何度も 何度も
「も、もう……あああっ…」
ドクン…ドクン…
私の中で脈を打つ
愛しい人のもの
「はあっ…はぁ…」
倒れ込んで覆い被さる
ずっしりとした重み
手のひらに伝わる背中の上下
肌の感触 ぬくもり
耳元の荒い呼吸
体に残る…余韻。
「ふぅぅ……」
大きく息を吐きながら
ヤタベェがゴロンと私の横に転がった。
「なんか凄かった」
「ふふっ」
笑ってしまう私。
ヤタベェのちょっと高い腕枕で
ウトウトしていると、
ポロン ポロロン
携帯が鳴った。
気がついて、だるそうに取るヤタベェ。
しばらく画面を眺めると
「グレ子ちゃん、これが
しばらく会えなかった理由」
私に見せてくれたのは
LiNEのやり取り。
読んでみると
『今なにしてるの?なんで今日
会えないの?そんなに忙しいの?』
なにこれ?
なんか、めんどくさそうな…
「誰?」
私の質問に
ヤタベェはため息混じりに答えた。
「サエキョちゃん」