今日生放送された《魔道祖師しんどい》対談を聴きながら、(対談は動画ですが…笑)
魔道祖師中国語版最初の主題歌《何以歌》を日本語に翻訳してみた。
日本語版も素敵ですが、中国語版歌詞は本当に好きです。
少しでもその良さを伝えられたら嬉しいです。

本家:https://www.bilibili.com/video/av24136983
原作:晋江文学城墨香銅臭《魔道祖師》
作曲:銀臨
作曲:擇荇
アレンジ・コーラス:灰原窮
歌:Aki阿杰

何以歌 日本語訳(非公式)
翻訳:-Danjih- @EncoreMyu

入梦的,带不走,
初醒的,看不透。
重逢前,临别后,
拨雪寻春,烧灯续昼。
夢の中であった人は、目が覚めれば消えてしまう
永い眠りから起きかけの者は戸惑うばかり
貴方と別れ、再び巡り会えるまで
雪をかき分けて春の便りを探し、灯を点して日が沈まぬフリをした※

此身葬风波,还以为相忘旧山河,
你我往生客,谁才是痴狂者。
百鬼过荒城,第几次将横笛吹彻,
而此刻,又何以为歌?
この身は紛争に葬られ、江湖に相忘る最期を迎えたと思った※
浮世を行き交う者は、どれが痴狂者※?
怨霊が彷徨う荒城にて、気がつくと横笛を吹き鳴らしていた
この時、私は何を思っているだろう?

是跌碎尘埃的孤魂,在天涯永夜处容身,
听谁唱世外光阴,洞中朝暮只一瞬。
是生死不羁的欢恨,问琴弦遥祝了几程,
就用这无名一曲诺此生。
砕け散った孤独な魂は帰る場所がなく、光の届かない場所で息を潜めている
洞窟の中で、束の間に争いを忘れさせる様な鼻歌を口ずさんだのは誰?
「貴方に幸多からん事を」、生死さえ超えた喜びと悔みを琴の音に載せて
この名もなき曲に今生の誓いを託そう

长行的,不停留,
归来的,飘零久。
临别前,重逢后,
林泉渡水,白云载酒。
長く旅をする人は留まることなく
蘇る者は永い間流離(さすらい)続けた
巡り会えて永遠の別れが訪れるまで
俗塵から離れて山川を訪れ、白い雲を眺めて盃を交わそう

此身赴风波,还以为今时不识我,
惆怅人间客,谁才是忘情者。
清风过故城,又一次将横笛吹彻,
而此刻,又何以为歌?
再び紛争の渦中に身を投じた時、もう我を知る者は居ないと思った。
憂世を嘆く者は、どれが忘情者※?
清らかな風が故城を吹き渡る時、再び横笛を構えた
私は今、何を思っているだろう?※

是跌碎尘埃的孤魂,在天涯永夜处容身,
听谁唱世外光阴,洞中朝暮只一瞬。
是生死不羁的欢恨,问琴弦遥祝了几程,
就用这无名一曲诺此生。
砕け散った孤独な魂は帰る場所がなく、光の届かない場所で息を潜めている
洞窟の中で、束の間に争いを忘れさせる様な鼻歌を口ずさんだのは誰?
「貴方に幸多からん事を」、生死さえ超えた喜びと悔みを琴の音に載せて
この名もなき曲に今生の誓いを託そう

长行的,不停留,
归来的,飘零久。
临别前,重逢后,
林泉渡水,白云载酒。
長く旅をする人は留まることなく
蘇る者は永い間流離(さすらい)続けた
巡り会えて永遠の別れが訪れるまで
俗塵から離れて山川を訪れ、白い雲を眺めて盃を交わそう

是风云浴血的故人,在天地静默处启唇,
低唱过世外光阴,洞中朝暮只一瞬。
是出鞘即斩的霜刃,避不开心头旧红尘,
就用这无名一曲诺此生。
変転極まりない時代を生きる故人が、天と地が静まる場所で口を開き
穏やかな声で、あの洞窟の中で聞いた懐かしい歌をうたった
胸に焼き付いた思いは、一撃で邪祟を仕留める霜刃でも断ち切れない程強く
この名もなき曲に今生の誓いを託そう

是跌碎尘埃的孤魂,在天涯永夜处容身,
听谁唱世外光阴,洞中朝暮只一瞬。
是生死不羁的欢恨,问琴弦遥祝了几程,
就用这无名一曲诺此生。
砕け散った孤独な魂は帰る場所がなく、光の届かない場所で息を潜めている
洞窟の中で、束の間に争いを忘れさせる様な鼻歌を口ずさんだのは誰?
「貴方に幸多からん事を」、生死さえ超えた喜びと悔みを琴の音に載せて
この名もなき曲に今生の誓いを託そう

以下訳者注:
※原文「拨雪寻春,烧灯续昼。」の出典は宋 毛滂 《踏莎行·元夕》
貴方は春であり、昼である。雪をかき分け春を探し、
灯を点して昼間が続いているようなフリをしている、
つまり「貴方がまだいることを信じたい、貴方がいるフリをする」
ということである。

※相忘の出典は「荘子‐大宗師」
 魚相忘於江湖(うおは 江湖(こうこ)に相忘(あいわす)る)
最も自然な境遇に身を置いて、何にも煩わされない状態になる意味。
前世の最後では、魂さえ塵に帰った今、やっとこの争いから離れられ、
自由になれる魏嬰が思ったことを指す。

※痴狂者:我の理想に酔いしれる者、
 又は信念を貫き周りから狂い者と言われる者
(少し脱線しますが、登場人物の誰もが何かしらの
 執念を持つ痴狂者である原作は本当に素晴らしい。)

※忘情者:情を忘れる者

※私は今貴方を思ってこの調べを吹き鳴らそうとした。
 この時、魏嬰が自らの気持ちに気づいた。

そして最後に、個人的↓が凄く好きです。
是生死不羁的欢恨,问琴弦遥祝了几程
「貴方に幸多からん事を」、生死さえ超えた喜びと悔みを琴の音に載せて

今や二次創作では「藍湛は魏嬰と再会するまで、十三年間問霊し続けた」
という設定がすっかり定着しているが、原作でははっきりそうと書かれておらず、
魏嬰のいない間、藍湛の行動はベールに包まれたままです。

もしかしたら、藍湛は魏嬰が亡くなったのではなく、長い旅に出ただけと信じ、
琴を弾くのは、魏嬰の霊の居場所を問いかけているのではなく、
「信念を貫く為長旅を続ける貴方に、我々に幸あれ」という祝福を送っているのではないか?

ああ、これはまたしんどいですね笑。

ご覧いただきありがとうございました。

《天官賜福》アニメ中国語版挿入歌を注釈付きで翻訳してみました。
こちらの翻訳は注釈含めて非公式です。
又訳者注には一部ネタバレと言える内容がある為、あらかじめご了承ください。

本家:https://m.bilibili.com/bangumi/play/ep355211
歌 李鑫一
作詞 申名利、王晓倩
作曲 楊秉音

一花一剣

仙乐琉璃 映流芳盛世光景
白衣少年 如飞鸟逆空降临
风卷花落 玉面似镜照孤星
拂古训 一闪 浮光掠影
仙楽国の瑠璃が栄えていた過去を映る
白衣の少年は鳥のように風を切って降り立つ
風に煽られた花びらが散り*1、玉面が鏡のように不吉な星*2を映り
古訓を破った玉面に隠れた顔を覗けど、瞬く間に時間が流れた

暗夜深邃 藏多少幽绿眼睛
银蝶蹁跹 宛若迢迢连天星
须臾间挟荒山野径 循声觅影
月华粼粼流照君 纵履霜亦孤行
宵闇には血を欲しがる目が多く潜む
目の前で踊る銀蝶は銀河のように燦く
密かに鳴る鈴の音を辿り、貴方を探して野山の鄙びた道を歩き*3
清らかな月明かりに照らされる貴方は孤独な旅を続く*4

一念花树绕香云 一念随剑影
轻拈桃花向仙庭 电闪惊雷鸣
且使白驹撵过隙 物换星移
济苍生 一花一剑一愿人间幸
剣で鬼退治をした一念橋の袂に植えた花樹*5は香雲を纏う
桃花を手に天界に登る(飛昇)時、雷が轟き、稲妻が走った
時が移ろい、世の中が様変わりしても
花と剣を手に、願うことは衆生済度のみ

听闻太苍山难复故国踪迹
断壁连残垣 城池飞沙扬砾
繁华覆灭人面成疫 战火疮痍
抽丝剥茧一身谜 无名却耀青荧
風の便りで太蒼山は過去の面影もなく、
廃れた街や倒れた石垣の間に風が吹き荒むと
栄えた時代が終わり、人面疫により国が転覆した
謎に包まれ、名無し*6でもこの地を灯し続ける

一念花树吹墨云 骤雨素花净
时间琥珀中流幻 赴桃源之境
雾沉云暝渐敛却 浮尘晴霁
抵不过 一花一剑一人雨中笠
一念橋の花樹が満開し、雨と共に黒い雲を流す
琥珀の中で時が流れ、共に桃源郷に向かう
重い靄が消え、晴れ渡る空が目の前に広がるも
花と剣と、雨の中にくれた一枚の笠*7に勝らず

留恋花树亦怜君 伫望候远信
任凡尘俗世笑我 山间祈长明
去向未言说曾经 繁花似锦
业火尽 一花一剑一世与君行
穿行于天地间 惟愿逐一双影
花樹を愛でて貴方を恋慕う、遥か彼方にいる貴方の便りを待つ
俗塵に笑われようが、山の中で貴方の為に長明灯を点し続ける
行先言わずに、過去は咲き乱れる花は錦のように美しい
業火が燃え尽きた後、一花一剣を携えて一生貴方と共に生きよう
広い世界で旅を続け、願いはたった一つ、貴方と肩を並べること

訳者注
*1「天子悦神」の時のことを指す。謝憐が鳥のように
  風を切って花城の前に現れ、彼を助けた。
*2「孤星」は「天照孤星」を指し、関わる全ての人間に
  不幸をもたらす不吉な存在、花城をいう。
*3最初の物語、「鬼の花嫁」において花城が謝憐の手を引いて
 山の中にある明光廟まで歩いたシーン。又、銀蝶が鵲橋のように、
 二人の出会いは良縁となるという解釈もできる。
*4孤独な旅は信念を貫く旅と解釈。「貴方は」と書いてあるが、
 二人とも信念を貫く為長い時間孤独な旅を続いた。
*5曰く、一念橋に悪鬼がおり、夜が来ると橋を渡る人に三つの質問をし、
 間違えた回答をすればその人を喰らうという。ある日、一人の若き道士が
 一念橋に訪れ、鬼と禅問答した後退治し、鬼が霧散となった後一念橋の袂に
 桃の木を植えた。行き摩りの人が道士になぜそんなことを?と聞くが、
「身が地獄に落ちても、心の中には桃源郷有り」(身在无间,心在桃园)と答えた。
 その若き道士は謝憐である。
*6半月国近くの遺跡に「無名将軍塚」があり、花城と謝憐が石碑に記載している
 内容を読み解くと、そこに埋骨されたのは将軍ではなく、ただの士官で、
 しかもお人好しで戦場ではあまり使い物にならなかったという。
 然しこの士官は多くの流民を助けようとした為、彼の恩恵を受けた人々がこの
 「無名将軍塚」を建てたという。
 微力でも人々を助けようとしたこの若き士官についても、物語が謎解いていきます。
*7謝憐が人間界に絶望し、世を滅ぼそうと思ったその時に、土砂降りの中で
 通りすがりの人が彼に笠をあげた。この笠が彼の中の善意を呼び起こして、
「たった一人でもいい、私は善意を向ける人がいれば、この世を守り続ける」という
 信念を取り戻した。

晋江文学城墨香銅臭さん原作《魔道祖師》の中国語ラジオドラマが
放送三周年で再生回数5億回突破という快挙を祝し、友人の水縁無憶さんが
初期主題歌《何以歌》の日本語版を作詞し、歌いました。
その作詞に少しお手伝いさせていただきましたので、歌詞をこちらに掲載させて頂きました。

公式日本語版がある中で恐縮ではあるが、こちらの表現も楽しめていただければ幸いです。

本家:
https://www.bilibili.com/video/BV1bW411P7j1?from=search&seid=4938602750268099699
原作:晋江文学城 墨香銅臭 @墨香铜臭MXTX
作詞: 择荇 @择荇
作曲: 银临 @银临Rachel
歌:Aki阿杰 @ Aki阿杰
※@の後はWeibo ID

MVリンク
BiliBili:https://www.bilibili.com/video/BV1Wy4y1M7m4
Youtube:https://www.youtube.com/watch?v=eD-EGt2s4CI
※元ツイ:https://twitter.com/milos1108/status/1406989507979665414?s=20

何以歌~水縁無憶ver.〜(非公式)
日本語歌詞:水縁無憶 @@milos1108
歌詞協力:-Danjih- @EncoreMyu

儚い夢
昏い寝覚め
別れを嘆く
季節が巡る

身罷った すべてを遺却した
甦る 遠い記憶
何気無く吹かれた笛音(しらべ)は
何を思ってるの?

砕け散った孤高の魂は何処へ?
耳を澄ませ 幾千の時を超え
何度も問いかけた 零れる琴の音
名もなき曲(うた)に契れ

暗闇(やみ)を彷徨う
帰る者よ
巡り会えて
永遠を結ぶの

映り込めた 面影のかけら
密やかに燃ゆる情熱
懐かしき 笛音(しらべ)を再び
君を思ってるの

砕け散った孤高の魂は何処へ?
耳を澄ませ 幾千の時を超え
何度も問いかけた 零れる琴の音
名もなき曲(うた)に契れ

暗闇(やみ)を彷徨う
帰る者よ
巡り会えて
永遠を結ぶの

醒めぬ夢なのか?消せぬ幻(かげ)なのか?
動き出す鼓動が鳴り響いた
胸に焼きつけた 途切れない想い
あの曲(うた)に誓いたい

砕け散った孤高の魂よ 戻れ
耳を澄ませ 幾千の時を超え
語りかける笛 弾ける琴の音
今 この曲(うた)に契れ

後書き:
こちらの歌詞は水縁無憶さんが作成されたものを一部添削/微修正したものです。
作成に当たり、中国語歌詞の意味を擦り合わせたり、日本語歌詞のイメージを
確かめ合ったりして、原作の物語に沿い、お互いに納得する歌詞に仕上げることが
できて、とても嬉しく思っています。

実は、中国語はもう少し遠回しに魏無羨の気持ちを表していたが、この日本語版はもっと
赤裸々(?)に「君を思ってるの!」と言い切っちゃうところや、原作において良くも悪くも
感情表現が薄い藍忘機の気持ちについて「密やかに燃ゆる情熱」や「胸に焼きつけた※
途切れない思い」は、違う趣があるかと思います。笑
※藍忘機が自ら心臓の近くに温氏の烙印を焼きつけたこともかけながら…
一番気に入ってるのは「語りかける笛、弾ける琴の音」の部分で、一人だと寂しく行方を問いかけ続ける
忘機琴も、魏無羨の笛の調べがあると、パッと明るい音になるイメージで楽しめていただだければと思います。

最期に、この素敵な作品を世に送り出してくださった原作者の墨香銅臭さんや、中国語/日本語
ラジオドラマに関わったスタッフの方々、関係者皆様に感謝を申し上げます。これから益々の
ご活躍を陰ながら応援させていただきます。

ご覧いただきありがとうございました。

《魔道祖師》ラジオドラマ第二期が夏に放送されるということで、
中国語ラジオドラマの第二期の途中から登場する中国語EDを和訳してみました。
なぜ途中登場なのかというと…聞いたら納得する、にしておこう。
※中国語版のラジオドラマの編集さん本当にすごいんです!!
 そして日本語版は同人がどういう表現になるかのも楽しみです。

さてと。
この間あげていた《人間縦我》もそうですが、歌詞には原作に登場する
言葉(陳情・避塵・忘機)が多く用いられており、それぞれが掛詞になっています。
例えば、「陈情俱是旧人」の「陳情」は、陳情笛だけではなく、
忘羨の調べを吹く魏無羨を指してることや、
「尘世三千条」の「三千条」は、藍氏の家訓であるが、
「藍氏である名誉も、俗世の規則も」と理解できる、等等。
それらを意識しながら歌を聞いていただければと思います。

本家:https://www.bilibili.com/video/av40168431 

忘羨
原作:墨香铜臭@墨香铜臭MXTX
企画・監修:括号君@战场老军医括号君
計画:清水@清水L浊流
作詞:冥凰@-冥凰-
作曲:Windbell Project@Windbell_project
歌:吾恩@吾恩_5n_ ,余夏@朱强是个大吃货
(@の後はWeiboのID)

飞花连碧 风流忆年少
姑苏又泛春潮
群峰隐隐云深处
延绵自有相思道
人虽去 冰心未销
花びらが空に舞い上がる時、不羈奔放な貴方との過去を思い出す
姑蘇に再び春が訪れた
聳え立つ山々の奥にある雲深不知処への
九十九折の道のように、想いが綿々と切れず
貴方が去ってから時が経つが、私の心に変わりはない※

雨过枇杷俏
竹篙略挑随手抛 谁接着
个中酸甜 日后都付一笑
雨上がりの日差しで煌く枇杷の木
船頭に立ち、竹竿を片手に持った少年が投げた枇杷を
受け取ったのは誰?
それを味わう間もなく、時代の濁流に巻き込まれた

原来 陈情俱是旧人
撩动 心事如何能避尘
与你 一曲吹彻欢同恨
千帆过还天真
今思えば、陳情(するの)は古き友人
心に波が立ち、避塵するすべもない
貴方とこの曲に喜怒哀楽を託し
嵐が過ぎ去った後も、貴方は貴方のまま

道说随便 意气何逍遥
身后却是滔滔
烟水迢迢共轻舟
云萍灯火接天照
忽醒来 不是他宵
人々は「随便」は身勝手に生きて気楽だという
俺が背負っているものは見えてないだろう
薄霧が浮かぶ水面に君と小舟に乗り
雲萍の灯火を遠くから眺めて
時の移ろいにふと気づく

尘世三千条
不及半坛天子笑 谁醉倒
停弦忘机 情动却难知晓
俗塵の「三千条」は
天使笑を手に微笑む貴方に及ばず、
酔ったのは誰?
忘機琴を弾く手が止まり、いつの間にか貴方に恋心を抱くようになった

原来 再逢只需一瞬
过往 在意何必处处闻
与你 话尽生死酒尚温
十年梦未觉冷
再会の時、ほんの一瞬で、貴方だと気づいた
この十数年間のことを、もう他人に尋ねることなかろう
貴方と生死を語り尽くしても酒はまだ熱く
十年長夢から醒めるも心は暖かい

原来 陈情俱是旧人
撩动 心事如何能避尘
与你 一曲吹彻欢同恨
千帆过还天真
今思えば、陳情(するの)は古き友人
心に波が立ち、避塵するすべもない
貴方とこの曲に喜怒哀楽を託し
嵐が過ぎ去った後も、貴方は貴方のまま

※注:
冰心未销の出典は「一片冰心在玉壶」(唐 王昌齢《芙蓉楼送辛渐》)
「一片の冰心、玉壺に在り」と読み、「冰心」は透き通った心を意味する。
歌詞の中では「冰心が消えぬまま」、「透き通った心のまま、貴方を思い続けている」という意味をしている。
もう少し個人な理解を加えると、原文では「千帆过还天真」という表現をしており、
「嵐が過ぎ去った後も、貴方は貴方のまま」と訳しているが、
いくら時間が経とうが、お二人は少年時代と変わらぬ透き通った心を持って、お互いに向き合っている
という意味を含んでいるのではないかと推測する。

後書き:
個人的には忘羨というカップル名がとても気に入っており、
「貴方がそばにいると『人を羨望するのも忘れる』」というところが素敵です。
又、《天官賜福》アニメの《紅絶》にも「人を羨むことなかれ」という歌詞があり、
これらは恐らく原作者墨香銅臭さんの価値観の反映であり、そして中華圏における
「得成比目何辞死,只羡鸳鸯不羡仙※」の価値観そのものでもあると推察する。
※唐の詩人盧照隣《長安古意》
 意味は「人生を共にできれば死ぬのも厭わず、番いの鴛鴦を羨むが長生きする仙人を羨まず」。

ご覧いただきありがとうございました。

晋江文学城 墨香銅臭原作《天官賜福》TV版アニメの第九話で流れる
花城視点のED《紅絶》を日本語訳にしてみました。

花城の胸中を語るもので、強い信仰と愛を感じる歌です。
そして、中国語の歌詞のサビの部分は折句となっており、連ねると、
1回目「天官賜福、百無禁忌(天の祝福を、恐るものなし)」、
2回目「身在無間、心在桃源(我が身は地獄に堕ちても、我が心の中にはいつも桃源郷がある)」、
3回目で再度「天官賜福、百無禁忌」で歌が終わる。
とても深い思いが込められた歌になっています。

※小説の内容が色々詰まっており、文末に注釈を複数つけております。
 物語に関係する注釈(ネタバレの可能性あり)があることをあらかじめご了承ください。
 又、これらの解説も訳者の理解であり、公式見解ではないことを合わせてご理解ください。

PV:https://www.youtube.com/watch?v=vq4VVE2IZIw 
  (Credit:哔哩哔哩动画Anime Made By Bilibili)


紅絶 (歌:胡 夏)

雾缥缈 云上有仙宫
红帘掩 暗中引蝶涌
诡谲藏于迷人的梦
偏为禁忌灼一身红
儚い靄の奥に見え隠れする仙宮
緋色暖簾裏で踊る銀蝶
甘美な夢に身を潜む妖しげな者
禁忌の紅を纏う

仙风道骨 原为虚空
红线缱绻 如沐春风
幽暗深处 皎月朦胧
温柔以祈愿灯寄送
仙風道骨*1は虚空に帰り
交わる赤い糸は暖かい春風のように心地よい
暗い洞窟の奥を照らす明るい月*2
祈願の天灯に優しさを載せて*3

天下之大 为你花满城
官名抛空 执花仗剑救苍生
赐我替你 万般磨砺更迎刃
福祸不问 忠实信徒有一人
天上天下、貴方一人の為に満城の花を咲かせよう
虚名を捨て、花と剣*4を持って民を救う貴方の
身代わりになり、百戦錬磨してより強くなろう
この先はどうなろうと、私はいつも貴方の忠実な信者である

百世流转 愿如长明灯
无所不能 所向披靡照前尘
禁住浮沉 浴火投身也敢撑
忌羡世人 惟愿余生 相赠
月日が流れても願いは常夜灯のように消えず
私を強くし、進む道を照らし続ける
試練を乗り越え、苦難を耐え抜き
他人を羨むことなかれ、私の願いは貴方に余生を捧げることのみ

仙风道骨 原为虚空
红线缱绻 如沐春风
幽暗深处 皎月朦胧
温柔以祈愿灯寄送
仙風道骨は虚空に帰り
交わる赤い糸は暖かい春風のように心地よい
暗い洞窟の奥を照らす明るい月
祈願の天灯に優しさを載せて

身若能被 一刹念所动
在孽海中 无畏嬉戏亦懵懂
无常聚散 生死难灭情义浓
间入剑影刀光 芳心破鸿蒙
我が身はこの思いに突き動かされる
罪の海で、貴方は過去を忘れて強かに生きる
諸行無常、出会いと別れは予想できないが
生死さえ超えたこの想いは天地を開く

心有千劫 亦困于镜中
在幻觉中 静待朝夕后相认
桃水渐暖 暖不及红衣胜枫
源起便信 缘不会终
蟠りが残る心は鏡台のようになれず*5
幻の中で、貴方が私のことを気づく日を待ち続ける
燃える楓のような赤は、桃花咲く春に勝って暖かく
信じ続けていればこの縁は続く

天下之大 为你花满城
官名抛空 为心中一瞥惊鸿
赐我替你 业火尝尽再重生
福祸不问 忠实信徒有一人
天上天下、君一人の為に満城の花を咲かせよう
虚名を捨て*6、忘れられない初見の光景の為
貴方の代わりに業火を浴びて、生まれ変わる
この先はどうなろうと、私はいつも貴方の忠実な信者である

百世流转 愿如长明灯
无所不能 悯人间悲欢情恨
禁住浮沉 轮回里终会重逢
忌羡世人 惟愿余生 相赠
月日が流れても願いは常夜灯のように消えず
私を強くし、浮世の愛憎哀楽を憐れむようになった
試練を乗り越え、やがて再会を果たす日が来るだろう
他人を羨むことなかれ、私の願いは貴方に余生を捧げることのみ

以下注釈(一部ネタバレとも取れる内容があります。ご注意ください)
*1凡人とはまるで違う、世俗を超越した優れた容貌のこと。又は仙人や道長の風采気質。謝憐を指す。
*2銅炉山の中にある花城が長い年月を過ごした洞窟があり、それを照らす月は花城が作った謝憐の彫刻である。
*3中秋の節句に信者が信仰する天官の為に天灯を放つ信仰があり、仙官たちは放たれた天灯の数を競う行事もする。3回目の登仙を果たせた謝憐だが、信者がおらずただ他の仙官の信者が放つ天灯を見ていただけだが、花城は謝憐の為に3千の天灯を放ったので、謝憐はその年天灯が一番多い仙官となった。
*4「天子悦神図」において謝憐は片手に花を、もう片手に剣を持って演舞したことを指す。さらに、謝憐は剣を使う強さを持ちながら、花を愛でる優しさ(衆生救済の心)を兼ね備える素晴らしい人物であると解釈する。
*5 訳者の理解で、この文を仏教の「身是菩提樹、心如明鏡台(身はこれ菩提樹、心は明鏡䑓のごとし)」にならって訳した。この文は「心は明るい鏡のような綺麗なもの」という意味だが、花城も謝憐も、経歴からして心に蟠りや色んな思いがあり、再会し結ばれるまでの二人の心は明るい鏡のようなものではないと解釈。
*6 一回目の「虚名を捨てる」は謝憐が民を救う為に天界より人間界に戻ったことをいい、ここの「虚名を捨てる」は花城が登仙する機会を断り、謝憐を待ち続けるこという。

-終わり-