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生物ははるか36億年前に海で生まれ、やがてその一部が陸に上がるようになりました。
いったん陸へ上がった動物のなかで、イルカやクジラの祖先は今から約6500万年前に再び海へ戻っていきました。
大規模な地殻変動などによって陸地が変動し、その結果、イルカやクジラの祖先は海に追いやられた。
つまり、仕方なく海での生活を強いられたようです。
イルカは同じ哺乳類でありながら、海に生き、ヒトやチンパンジーなどの霊長類とは大きくかけ離れた進化の過程を歩みながら、その知性のレベルは高等な霊長類にも匹敵しています。
本書は、イルカの生態、知性、能力、人との関係の歴史など、イルカのすべてが書かれています。
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●「イルカ」は便宜的な呼び名
イルカとクジラはともに「鯨目」というグループに属している。
口のなかに「ヒゲ板」と呼ばれるものが密集しているのがヒゲクジラ亜目、いわゆる「クジラ」とよばれるものたちである。
一方、口のなかにわれわれと同じく「歯」が生えているハクジラ亜目である。
このうち、からだの大きさがだいたい4~5メートル以下ぐらいの種を、「イルカ」と呼んでいる。
つまり、「イルカ」という名称自体は生物学・分類学上の正式なものではなく、あくまでも便宜的な呼び名に過ぎない。
●イルカの祖先は「カバ」
クジラ、イルカの直接の祖先は有蹄類(ひづめのある動物)、そのなかでもカバであるからだ。
●半球睡眠
イルカは片脳ずつ眠る半球睡眠をしている。
つまり右脳が寝ているときは左脳が起き、あるいはその逆のことをしている。
こうしてどちらの脳が起きていることによって、常に周囲に注意を払うことができ、天敵からも身を守れるのである。
●イルカの脳
体重に占める脳の重さの割合を原理とした数値
「脳化係数」=(脳重)/(体重)2/3
ヒト 0.89
バンドウイルカ 0.64
チンパンジー 0.30
セイウチ 0.15
イヌ 0.14
ネコ 0.12
他の動物に比べてイルカの脳の大きさは突出している。
また、イルカの脳の表面には人間並みのシワがある。
脳にシワが多いほど表面積が大きくなるので、そこに分布している神経細胞の数も多くなる。
神経細胞の数が多いということは、それだけそのネットワークも複雑になり、高次な知的情報処理ができると考えられる。
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知的・社会的な行動、基礎的な認知力、勉強して頭が良くなる認知機能などの、イルカは人間にも匹敵する特性と能力を持つことが示されています。
最も注目とされるのは、「言語能力」です。
ハワイ大学のハーマン教授の研究では、イルカは40ほどの単語を覚え、2000種類ほどの文を理解できたそうである。
単語の意味を理解しただけでは言語能力があるとは言えない。ハーマンは、さらに文の構造を理解できるかを調べるために、文の語順を変えて呈示してみました。
「左」「ボール」「右」「フリスビー」「取る」
(左のボールを右のフリスビーに持っていけ)
と指示を出すと、イルカはそのとおり行動しました。
そこで、語の順序を入れ替えて、
「右」「フリスビー」「左」「ボール」「取る」
(右のフリスビーを左のボールに持っていけ)
と出すと、今度もイルカは正しく行動しました。
つまり、文法を理解しているのです。
ヒトと言語コミュニケーションが取れるのはイルカが最初になるのかもしれません。
「巨大な脳を持つイルカは高い知能を有し、
人間より優れた文化、倫理観がある」
目次
序章 イルカとは何か
第1章 生態、五感、能力—海に戻った哺乳類
第2章 神話のなかのイルカとクジラ
第3章 日本、人との関わり
第4章 ドルフィン・インテリジェンス
終章 イルカと人との新たな関わり